お茶の渋み

今日は2回目の抗がん剤=シスプラチンの点滴の日。
最近は放射線治療が朝一のことが多いが、今日も朝一で呼ばれたので、点滴をする前でよかった。

ちょっとびびっていたけど、今日のお昼の看護師の方は、けっこう丹念に静脈を探してくれて、一発で留置用の点滴の針を入れてくれた。
自分にとっては、こういう看護師の方こそ、天使に見えてしまう。

昨日買ってきて残してあったバッテラを食べるために緑茶を淹れて口に含むと、なぜかすごく渋い。
先日のぶどうの時のよう。なぜこうなるんだろう。

緑茶の渋みはタンニンによるもので、Wikipediaによれば、タンニンが、舌や口腔粘膜のタンパク質と結合して変性させることで独特の感覚が生じるとのこと。
全体に粘膜が傷んでいるので、より渋い状態になりやすいのかもしれない。
ぶどうの果皮にもタンニンは含まれているから、先日のぶどうが渋かったのもたぶんこういうことだったのだろう。

今日の食事

苦行の始まり

一か月弱ぶりに家に帰って、この時期らしいものを食べてみた。
いわく、鮎の塩焼き、白桃、梨、蔓紫のお浸し、など。

結果、わかったことは、塩味や甘味に関しては、すでにかなり感じなくなっているようで、特に、果物の甘味はほとんど感じることが出来なかった。
梨はそもそも水くさかったようだが、水くさいなりの甘味などはまったく感じず、梨の植物としての青臭さのようなものだけを感じた。

そういえば、先週末に外出した際に、チリ産の緑色のぶどうのパックを買ってきて、3日ほど病室で食べていたが、えぐみのような感覚がすごく強かったのを思い出した。
たぶん、それなりに甘かったんだろうけど、果物の甘味はその頃からほとんど感じることが出来なくなっていたのではないかと思う。
そのため、甘味ではなく、ぶどうのえぐみ(しぶみ)のようなものだけを強く感じたのではないか。

けれども、昨日も思ったが、蔓紫のお浸しなどは、意外なほど味がそのままで、結局、塩味や甘味などの味覚で味わっていたのではなく、蔓紫の独特の香りで味わっていた部分が大きくて、以前と味が変わっていない、ととらえているような気がする。

放射線治療で味覚にダメージを受けるというのは、治療開始前からお医者さんに副作用として知らされていて、実際のところどうなんだろう、とずっと思っていたが、なるほどこういう状態になるのか、と納得した次第。

これからは、さらに、これに喉の痛みが追加されていくので、確かに食事を摂るのはどんどん難しくなるだろうな、と思う。
美味しく食べるのが難しいものを、喉の痛みを我慢して食べるというのは、ある意味、難行苦行の類かもしれない。

外泊

今日は今回入院してから初めて、外泊で帰宅。

遠足効果なのか、昨日の夜はちょっとそわそわした感じでよく目が覚めたんだけど、不思議と胃の痛みも落ち着いていて、結局鎮痛剤を使わなかった。
これから二日間は、放射線治療もお休みなので、喉の痛みもある程度良くなることを期待したいが、今のところちょっと望み薄な状況で、逆に痛みが定着しつつある感じ。

家に帰ってきて、以前から食べていたようなものを食べてみると、すでに塩辛い味覚や甘い味覚はかなり麻痺してしまっていることが判明。
病院の食事ではあんまりよくわからなかったけど、以前から食べている家の食事を食べると、放射線治療によってどのくらい味覚の障害が出てきているのかよくわかる。
たとえば、スイカなどを食べてもあまり甘さは感じず、逆によく漬かった塩辛い漬け物を食べても野菜の味と酸っぱさしか感じなくて、以前も感じていたように、真水を飲んでも塩辛く感じてしまう。
ただ、野菜の味や肉の味などはそれなりに感じるので、これは味、というよりも、それぞれの素材の匂いに負うところが大きいのかもしれない。

ちょっと調子に乗って、おせんべいみたいなものも食べていたので、飲み込むときに喉を痛めたらしく、舌に感じていた塩辛いひりひり感が喉のほうまで広がってきているようだ。
自分で鏡をのぞいてみても、喉の奥が赤くなっているのがわかるようになってきた。

晩御飯の後、出来るだけ早く歯磨きをして、うがいをしてみたけれども、明日になって多少はましになっているというのは、あまり望むべくもないのかもしれない。

まあ、それでも、病院で過ごしているよりは、気分的にゆったりはしているので、やはり帰ってきて良かったと思う。
その反面、喉のケア、という意味では、つい喉に負担がかかるとわかっているおせんべいの類を食べてしまったりもするので、やっぱり病院で過ごしているほうが望ましかったりするんだろうな。

今日の食事(昼ご飯以降は、外出先と家で食べたので画像なし)

胃瘻、その後

胃瘻というか、胃は相変わらず、夜寝るモードに入ると痛くなるので、昨日は夜中に目が覚める時まで待たずに、寝る前に痛み止めを飲んでみた。
結果、結局夜中には痛みで目が覚めて、それなら痛みで目が覚めてから飲んだほうが、むしろ長く痛み止めの効果が続く気がするので、事前に痛み止めを飲むのは止めて、以前と同様、もし夜中に痛みで目が覚めたら痛み止めを飲む、という対処にもどすことにした。

来週の月曜日には、2回目のシスプラチンが予定されているので、その確認のための血液検査用の採血と心電図を取った。
放射線治療は、ここのところ朝一番なので、それはそれでいいのだけれども、終わった直後にはやっぱりダメージを受けている感じがする。
さらに、喉も、だんだん痛くなっているような感じ。
血液検査の結果を告げにやってきた腫瘍内科のお医者さんも、喉をのぞいて、ちょっと赤くただれてきてますね、と言っていたので、そろそろ食事のために痛み止めが必要な状態になるのかもしれない。
午後は出来るだけ身体を休めて、喉の回復を図ってみることにしよう。

午後3時過ぎにシャワーを浴びて、冷やしてあった缶詰めの水ようかんを食べたところ、思いのほか甘味がしなくて、やっぱり味覚も確実にダメージを受けてるんだな、と実感した。
小豆の味はするけど、甘味はかなり遅れてやってきて、しかも、塩辛いような味もする。
塩味には鈍感になっていて、逆に、ただの水でも、なんとなく塩辛いような感じがするようになっているので、そのせいだとは思う。
放射線治療によるダメージは、まだ半分というところだから、もっと味覚はひどい状況になっていくのかもしれない。
まあなるようにしかならないので、どうなるかを想像するのはやめておこう。

今日の食事

根治を目指して

今週末は、一泊二日で帰宅予定なので、それにむけて放射線治療をルーチンでこなしている感じ。
今のところ、まだ鎮痛剤なしで口からものを食べることが出来るので、あと二日間、できるだけ喉などをケアして、食べられる状態を維持したい。

いつもは金曜日の頭頸科の診察が、なぜか今日に変更になった。
たぶんお医者さんが、明日は出張か何かで忙しいんだろう。
まだ喉の腫れもそれほどひどくはないことを確認して、お医者さんが、ちょうど半分終わったところですから、後半もがんばっていきましょう、と言ってくれた。

もちろん、根治を目指してがんばらなくては。そのために入院しているのだから。

今日の食事

口腔保湿スプレー

昨日も結局、夜は胃が痛くて、鎮痛剤をもらって飲んだ。
胃瘻が傷む、というよりは、いわゆる胃潰瘍の痛みのような感じ。
鎮痛剤を飲むと、痛いけれども、なんとか寝られる状況ではあるので、まあ、こらえどころなのかもしれない。

今日は、歯医者さんと、放射線治療。
歯医者さんの予約はもう少し先だったのが、知覚過敏の歯が少ししみるようになってきたので、予約を前倒しにしてもらった。
知覚過敏のケアをしてもらって、後は口腔内のチェックと、歯の掃除。
だいたいきれいに磨けていますよ、とは言ってもらうが、今回は少し歯垢が残っていたようで、やっぱり歯磨きだけはていねいに続けなければ。

そのあと、少しして、放射線治療にも呼ばれた。
最近、午前中に放射線治療も終わってしまうことが多いので、午後からゆっくり過ごせてうれしい。
ネットを見たり、うとうとしたり、ノートPCで持参している映画を見たり、で過ごしていると、放射線治療で受けたダメージがほんの少しだけ回復するような気がする。
もちろん、うがい薬によるうがいと、口腔保湿液のスプレーは欠かせないけれども。

今日の食事

腹壁が厚い、とは?

ここのところ、放射線治療がいつも朝一番で、残りの一日、ゆっくり過ごせて、それはそれで良いかも。

今朝、2時頃に、あまりに胃が痛いので、結局、看護師の方にお願いしてアセトアミノフェンの薬を痛み止めとして出してもらった。
腫瘍内科のお医者さんが、疼痛時の処置としてカルテに残してくれてあったようなので、すんなり出してもらえたが、もしそれがなかったら、看護師の方も勝手に薬を出すわけにはいかないだろうし、こういう時はいろいろ大変なんだろうな、と思いつつ、でも、痛いので。
痛み止めを飲んだからといって無痛になるわけではないけれども、痛みのレベルは下がって、眠れるくらいにはなるので、それから後はけっこう眠ることができた。
朝6時に起きたときには、ちょっと汗をかいていて、体温は35.9度だった。

放射線治療が終わってしばらくすると、腫瘍内科のお医者さんがやってきて、やっぱりだめだったですねー、とにっこりされていた。
胃薬自体は効いていないということはないと思うので、そのように言うと、たぶん胃の位置とかがあって痛くなっていて、穴が開いていたりということはないと思うので、でも、念のためにレントゲンを撮ってみますね、とのことだった。
本当は、こんなに痛いのなら、胃瘻を外してしまいたいくらいなのだが、これからますますのどが痛くなって、食べられなくなる可能性があるので、せっかく作った胃瘻だしなんとかだましだまし共存するしかないのかな。
何事もなく胃瘻が作れる人もいるみたいで、そういう人がうらやましい。

午後には、放射線科のお医者さんの診察。
食事が摂れているかという話になり、体重があまり減っていないので、本当はもっとやせたいんですけどね、というと、治療中はやせないようにしてください、と指摘された。
お医者さん曰く、放射線を当ててダメージを受けて、そこから回復するときに、やはりエネルギーは必要なので、治療中はダイエットとか考えてはだめです、治療中に太るっていうことはないですから、と。
確かに、休日に外出した際に、プリンとかナッツとか飴とかお菓子とかけっこういろいろ買い込んできて、食事のあいまに食べているけれども、それが許容されるというか、むしろ推奨されるというのは、自分にとってはありがたいことかと。
ただ、確かに、のどの痛みがまだそれほどではないのでこういうことも出来るけれども、今後、ますますのどへのダメージが大きくなってきたら、やっぱり口から食べること自体がきびしくなってくるのかもしれないな。

夕方、腫瘍内科のお医者さんがやってきて、レントゲン写真で見たところ、腹壁がかなりぶ厚いので、それで胃瘻の器具の胃壁への当たりがきつくなっているのではないか、とのこと。
腹壁が厚い、というのは、つまり、デブ、ということですかね?と尋ねてみたが、いつものようににっこり笑って、胃瘻の器具は一種類しかないので、もっと腹壁が厚いと作れない人もいるんですよ、と、うまくはぐらかされてしまったような気がする。
これだけ痛かったりすると、むしろ、作れないほうが良かったのかも、と思ってしまうけれども、少なくとも昼間は痛みがましになっているような気はするので、いずれ何とかなるのかもしれない。
というか、何とかなって欲しい。

今日の食事

胃瘻が痛い

それにしても、胃瘻のところが痛い。
特に、夜中、1時~2時頃、痛さで目が覚める。
引きつれると言うよりも、きりきり痛い。
錐よりはすりこぎでこね回されている感じ。
特に出血しているということもないので問題はないと思うんだけど、思わず息を止めてしばらくの間思わず顔をしかめるくらいは痛いので、せめて痛み止めをもらったほうがいいんだろうか。
今日、腫瘍内科のお医者さんが見に来てくれたら相談してみよう。

のどが痛いのは、まあ、治療しているから仕方ないな、と思えるんだけど、胃瘻が痛い、というのは、全然本質じゃないので、ちょっといらだってしまう。

腫瘍内科のお医者さんが、とりあえず胃薬を出すので、今夜様子を見て欲しい、とのことだった。
確かに、胃薬を飲むと、全体的に胃瘻のあたりが痛いのが押さえられるような気がする。
痛くて目が覚めるのは夜中の1時とかなので、どうなるのかが興味深いところではあるけど。

今日の食事

飲料

週に一回の体重測定。
先週とほぼ同じ。
入院直後からは少しやせたけれども、その時は自他共に認める体重過多の状態だったので、このくらいがちょうど良いかと。

ただ、これから食べづらくなったりとか、基本的にやせる方向にある治療なので、あんまりやせることは考えないでくださいね、と看護師の方やお医者さんがみんな口をそろえていってくれるのは、ある意味、ちょっとうれしいかもしれない。
このあいだから、食べやすさを優先して、ご飯を全粥にしてもらっているけれども、看護師の方からは、その分ちょっとカロリーが少なめなので、お菓子とかで補ってくださいね、という、ある意味、夢のような言葉もいただいているので、できるだけ口から食べられるように、うがいや保湿を心がけよう。

けれども、昨日買ってきた弁当を食べながら、いかにも甘塩辛そうなタレがかかっているご飯なのにあんまり味を感じないのは、やっぱり塩味を初めとして、味全体に関して感じにくくなっているせいなのではないかな、と思っていた。

うまみは最後まで残る、という話しも聞いたことがあるし、嗅覚=香り、はほとんど放射線治療の障害を受けないとのことなので、アイスコーヒーとかどうなんだろう、と思って1L入りのガラスのピッチャーとアイスコーヒー用の水出しコーヒーを買ってきてみた。
ここしばらく愛用している午後の紅茶が甘すぎるような気がし始めているので、うまくいくようなら水出しアイスコーヒーをのどを潤すためのメインの飲み物にしようかと思っている。

なんとなく、今週末は、のどの回復が思わしくないような気がする。
もしかしたらこのままのどに滲みるようになってしまうのかもしれない。
まあ、最悪、胃瘻から栄養補給も可能なのだし、そこらへんは、あまり突き詰めて考えずに、回復しなかったらしなかったときのことで、なるようにしていけばいいとは思うけど。

今日の食事(晩御飯は、外出先でヒレカツとえびフライの盛り合わせ定食)

映画鑑賞

看護師の方に、映画を見に行くのもいいと思いますよ、と言われて、上映スケジュールを調べてみると、映画の日だから入場料が安い。
なので、いつもの週末のお出かけよりもかなり早めに出て、見そびれていた映画を見ることにする。
映画自体の感想はこのblogの範疇ではないので割愛することにして、映画の後で、マグロ丼とそば、という遅めの昼ご飯を食べて、晩御飯のお総菜とお弁当を買って、病室に戻る。
基本的に冷房が効いているところにしか行かなかったけれども、それでもけっこう汗をかいていて、きっと一年中で一番、実効的に暑い時期なんだろうな、今が。

今日の食事(昼は外出先でマグロ丼とかけそば、夜は買ってきた帆立弁当と三色ナムルのお総菜)