自分の治療の場合は、抗がん剤(シスプラチン)は、放射線治療の増感作用を期待している部分が大きいので、髪の毛が抜けてしまったりするほど大量の投与をされたわけではない。
なので、抗がん剤の痕跡はほとんど残っていないけれども、唯一、指の爪に斜めに光を当てるようにすると、伸びる方向に平行に3本の筋ができていて、その部分で爪がすこし溝になっていることがわかる。一般に爪が全部生え替わるのが半年らしいので、位置的に、シスプラチンの点滴を受けていた時期と重なるようだ。
一回目と二回目の点滴の間隔は4週間ほど開いたが、二回目と三回目は3週間ほどだったので、それに応じて溝の間隔も広めと狭めになっている。
点滴の当日や翌日は、軽いおう吐感や食欲不振に悩まされたけれども、こんなに時間が経ってから影響を見ることができるなんて、なんだか感慨深いものがある。
自分の中ではすでに過去のことになってしまっているけれども、はたして、それでいいのか、次回の通院ではCT検査が予定されているので、まずはそこからかな。
カテゴリー: 抗がん剤治療
予定終了
シスプラチンの後始末のための点滴も昨日で終わって、今回予定されていた治療はすべて終わったことになる。
2Lもの輸液を点滴したが、体重が増えているということもなかったので、今朝は、利尿剤の点滴もなく、そのまま留置してあった点滴の針を抜いてもらって、晴れてチューブフリーとなった。
いろいろな意味で気持ちに余裕が出てきたので、これまでの記事を整理したり、掲示できていない部分を付け足していったりしていていると、見聞きした中で書いていなかったことがあったので付け足しておく。
一番最初、自分が放射線治療と化学療法を併用するとしたら、分子標的薬(セツキシマブ)を選択することが出来ないのか、と放射線科のお医者さんに尋ねたときに、今の第一選択肢はシスプラチンで、腎臓に問題がある人には分子標的薬を適用している、とのことだった。
一時期、よく放射線治療で前後の順番になって顔見知りになり、時々お話をしていた方が、アービタックス(=セツキシマブ)を使っている、とのことだった。
腎臓の数値にやや問題があるので、分子標的薬を適用されたらしいが、一週間に一回の点滴で、湿疹なども出来てそれなりに苦労はある、とのことだった。
最近見たテレビのがん関係の番組では、分子標的薬は、シスプラチンに比べるとはるかに副作用は少ないとされていたが、実際のところ、シスプラチンの最大の副作用とされている吐き気は、吐き気止めの薬でほとんど抑えられるようになっているので、首のまわりに湿疹が出来ているその人の姿を見ながら、もしかしたら、どちらがどうとは言えないのかもしれないな、と思った。
たぶん、今一般に使われている分子標的薬も、まだ何か足りないのかもしれないし、それは今後ますます改善されていくのだろうとは思うけれども。
だからこそ、自分がどんな治療を受けたい(例えば、分子標的薬と放射線治療を受けたい)と思うのか、をはっきりお医者さんにお話しして、お医者さんの勧めてくれる治療方法との比較をていねいに聞いてみることが大切だと思う。
今は、どこの病院でも、正しい情報を伝えた上で患者の合意を得て(インフォームドコンセント)治療を行うことが普通になっていると思うので、お医者さんも、ていねいに説明してくれると思う。
その上で、納得できなければ、セカンドオピニオンを求めてみても良いと思う。
ただ、一番大切なのは、お医者さんからは情報をもらうのであって、どれを選択するのかは自分が決めなければいけない、ということだと思う。
もしかしたら、お医者さんにお任せします、という選択もあるかもしれないけれども、それで自分の決定が免責されるわけではなく、あくまで選択したのは自分自身である、と自覚すべきだろう。
これまでの3回の入院を通じて強く思うのは、がんという病気になるのも自分自身だが、医学の力を借りてそれを根治するのも自分の身体なのだ、ということだ。
自分の生存にとって好ましくない部分を、物理的に切り捨て、細胞的に切り捨て、それに伴う痛みや不具合などの副作用を身体の余力で何とかしていく、という感じではないかと思う。
今回の入院中、まわりは似たような治療を受けている方がたくさんいらっしゃったが、自分の場合、首のあたりの放射線焼けや喉の腫れなどの副作用は、比較的軽いものだったと、腫瘍内科のお医者さんからも、看護師の方からも言われた。
いろいろな要因があるとは思うが、自分自身でも、放射線治療後のうがいや保湿ローションの首への塗布は欠かさず行ったし、喉の不調が顕著になってからは、口腔保湿スプレーを使ったり、保湿マスクをして寝るようにして、口腔内の保湿を心がけていた。
それらを継続する、ということが多少なりとも副作用の軽減につながったと信じている。
ちょっと自負心が過ぎる表現だ、と思われるかもしれないが、患者サイドが出来ることは、それ以外には、前向きな気持ちを持つことくらいしかないのだから。
今日の食事
輸液最終日
さすがに昨日よりは動く気力があるので、朝食は7割くらい食べた。
ちょっと溜まっている洗濯物もコインランドリーに放り込んできた。
採血があって、その結果に大きな問題がなければ、予定通り土曜日には退院できるだろう。
頭頸科のお医者さんは、そのまま経過を見るので良いだろう、とのことだけど、放射線科のお医者さんは、残っていた腫瘤が完全にはなくなっていない懸念があるので、しばらく経過を見た後でCTの画像で判断したい、という考えのようだ。
いずれにしても、放射線治療はもう終わったので、これ以上、喉も舌も皮膚の火傷も悪化することはないということだけはめでたい。
(治療終了後に、さらに副作用が出る場合もあるようだが、そこまで心配しても仕方ないし。)
今日は、シスプラチンを流してしまうための輸液の点滴が一日中続く。
留置されている点滴の針はまだ良好みたいなので、刺し直さなくても大丈夫そうなのがうれしい。
午前中に、腫瘍内科のお医者さんが来てくれて、今朝の血液検査の結果のプリントアウトをを示しながら、全体としては問題ないと説明してくれる。
体制やお医者さんに依るんだろうけど、こんなふうに検査結果などの資料をすべてデータとして示してくれるほうが、自分にとってはより納得できるような気がする。
今日の食事
抗がん剤点滴翌日
やはり今日は食欲がなく、もう、最後なのをよいことに、あんまりがんばって食べようという気力もないので、朝ご飯は牛乳のみ。
昼ご飯は、冷やしうどんに食事を変えてもらっていたのでそれを食べた。
晩御飯も、さすがに何か食べなくては、ということで、半分くらいは気力を振り絞って(というほどでもないけど)何とか食べた。
今日の食事(朝ご飯は画像を撮影する気力すらなかったため、昼ご飯と晩御飯のみ)
最後の中休み
今日と明日は、治療はお休み。
土日は、これ以上身体が痛めつけられることはない、と思うと、本当にほっとする。
月曜日にはシスプラチンの点滴という大物が残っているけれども、放射線治療はあと2回なので、これならなんとか乗り切ることが出来るかもしれない。
この分なら、胃瘻を使わずに経口栄養だけで退院することも出来そうだ。
保険のためとはいえ、胃瘻にはいろいろやられっぱなしで、最近も妙にちくちく痛んだりと、本当に胃瘻とは相性が悪い。
腫瘍内科のお医者さんは、基本的に体調が問題なければ、週末に外出許可を出してくれるので、今日も、ある程度気晴らしのために外出してみた。
味覚障害のために、外出先で食べられそうな気のするものがないので、食事は病院で食べることにして、かつ、食べるものも買い込めないので、自分的にはかなりつまらないけれども、病院内でずっといるよりは運動になるのできっと体調にもよいに違いない。
今日の食事
あと少し、のはず
月曜日の3回目の抗がん剤治療にむけての採血、胸部・腹部のレントゲンと心電図検査。
前回の抗がん剤治療で、まったく食欲がない状態になって、それが味覚障害の悪化と重なってけっこうつらい状態だったので、次回の抗がん剤治療が怖くなっているのだが、それを知っている腫瘍内科のお医者さんが、残念なお知らせですが血液検査の結果もレントゲンも心電図も問題ない状態ですので、月曜日には予定通り抗がん剤を、と告げてくれたのだが、心なしかうれしそうに見えたのは見間違いだろうか?
放射線治療で首の皮膚が日焼けしたような状態になるので保湿が必要というのは言われていたので、保湿化粧水を丹念に塗っていたが、ちょっと盲点があって、首はよく塗っていたが、鎖骨の真上から首にかけてはあまり塗っていなかった気がする。
ちょうどそのあたりが痛がゆい状態になってきて、少し焦げ色も付いているように見える。
腫瘍内科のお医者さんに相談すると、ステロイド剤を処方しておくので薄く塗っておくように、とのことだった。
扁桃腺に近い首のあたりは意識していたけれども、そういえば確かに、鎖骨の上から耳の下まで放射線を当てます、と放射線科のお医者さんはおっしゃっていた気がする。
今日の放射線治療を受けた後で、口の中の乾燥はよりひどくなったような気がする。
マスクをしていなかったせいもあるかもしれないが、夜、寝ている間、何度か目が覚めて、その都度、アルカリイオン水で口をうがいして、そのまま飲み込んだ。
そうしないと、唇と歯ぐきが粘り着いていて、さらに口の中も舌と上あごが粘り着いているような感じで、呼吸は鼻からできるから良いものの、このまま口が開かなくなってしまいそうだった。
今日の食事
歯磨き
毎日、放射線照射を受けるたびに、少しずつ口の中の乾燥がひどくなったり、喉の痛みがひどくなったり、喉の皮膚がひりひりしたりしていくような気がする。
気のせいかもしれないけれども、それを少しでも食い止めるべく、水を口に含んでみたり、保湿ローションを喉のあたりに塗ってみたり。
残りの放射線照射は、明日からあと4回。
そのうち、今週中が2回と、土日をはさんで、来週が2回。
来週は3回目のシスプラチンも予定されているので、よりきびしそうだけれども、なんとかなるだろうか。
歯医者さんの診察もあって、出来るだけは磨いているけれども、何もない頃に比べればちょっと手抜きになってしまっている歯磨きの磨き残し部分などをきれいにしてくれた。
今日の食事
あと一週間とちょっと
今朝は、帰りがけに、妻子が病院に寄っていってくれた。
昨日は、それなりに美味しいものを食べたらしく、自分が美味しくは食べられない今、それだけが喜ばしいことだったりする。
今日から、放射線治療の時間が、昼食後少し時間が経ってからの指定になっているので、多少のんびり過ごすことが出来た。
お茶漬け的なご飯の食べ方に慣れたからなのか、それとも、シスプラチンの影響がほとんどなくなったからなのか、味がないという点を除けば、それなりに食べることができるようになってきた感じ。
あと一週間とちょっと放射線治療が続くが、その間、喉の痛みの増加と、首の日焼け(放射線焼け)を最小限に抑えるように、できることをやっていくことにしよう。
と言っても、うがいと保湿剤を塗るくらいしかやれることはないんだけれども。
今日の食事
吐き気止め
今朝は、なんとかお粥も食べることができて、昨日よりはましなのかもしれない。
腫瘍内科のお医者さんが、吐き気止めの薬をもう一つ出しておくので、お昼にそれを試してください、とのことだった。
吐き気止め以外に、胃腸全体を動かすような作用もあるので、とのこと。
放射線治療のあとで、いつも通り、保湿剤を塗っていたら、手に抜けたひげが付いてきた。
首のあたりもなにやらちくちくすると思ったら、うなじのあたりの毛が抜けているようだ。
放射線を当てることで強い日焼けというか火傷をしているようなものなので、照射しているところの毛が抜けるのはやむを得ないらしい。
もともと短くしているのであまり目立たないとは思うが、やはり気持ちがいいものではない。
腫瘍内科のお医者さんに尋ねてみると、あんまり引っ張ると痛くなるので、ゆっくり撫でるくらいで洗っておいてください、とのことだったので、シャワーの時にゆっくり撫でておいた。
今朝の採血の結果は、まあ、それほど何かの手当てをしなければいけないような状態にはなっていないようだが、多少なりとも、血液の状態や肝臓の状態に影響は出ているようだった。
口からもできるだけ水分補給をして、抗がん剤を体外に排出するように努めて欲しい、と例によってみんなから言われる。
今日の食事
食欲不振
やはり味がないのがつらいのか、食欲がない。
今朝は何とか食べたけれども、昼ご飯は、ついに、おかずを7割くらい食べただけで、おかゆを全部残してしまった。
これまで病院に入院していて、完食しなかったのはこれが初めて。
ご飯を食べた後、2時間ほど、ベッドに横になり、眠って過ごした。
点滴を交換するときに看護師の方と話をしていると、抗がん剤の副作用で食欲不振なのかもしれないですね、とのことだった。
確かに、吐き気の一歩手前くらいの感じで食欲がないような気もする。
喉もご飯を食べるときに滲みるようになっているので、昼ご飯から痛み止めを飲むようにしているが、やはり喉の痛み、というよりは、煮込んでぱさぱさになった肉などを飲み込むだけの唾液が出ない、ということや、基本的に味が感じられない、ということが大きな要因になって、食欲不振を打ち消すだけの食欲がないのかもしれない。
結果的に、お腹も少しやせて、腹壁の厚さも多少少なくなるのではないかと期待されるので、ずっと痛みがあった胃瘻に関しては良い方向かもしれない。
ただ、どのお医者さんも、治療終了後の回復時に体力が必要なので、がんばって食べてください、とおっしゃるので、がんばって食べなくては。
でも、なんとなく胸焼けもするし、これは、本当に食欲不振状態かもしれない。
今日の晩御飯も、かなりパスしたい気分。
結局、おかずは食べて、お粥を残してしまった。
もう半分終わった、と考えたいところだけど、ついつい、まだ半分しか終わっていないのにこの状態では、と思ってしまう。
今日の食事