お茶の渋み

今日は2回目の抗がん剤=シスプラチンの点滴の日。
最近は放射線治療が朝一のことが多いが、今日も朝一で呼ばれたので、点滴をする前でよかった。

ちょっとびびっていたけど、今日のお昼の看護師の方は、けっこう丹念に静脈を探してくれて、一発で留置用の点滴の針を入れてくれた。
自分にとっては、こういう看護師の方こそ、天使に見えてしまう。

昨日買ってきて残してあったバッテラを食べるために緑茶を淹れて口に含むと、なぜかすごく渋い。
先日のぶどうの時のよう。なぜこうなるんだろう。

緑茶の渋みはタンニンによるもので、Wikipediaによれば、タンニンが、舌や口腔粘膜のタンパク質と結合して変性させることで独特の感覚が生じるとのこと。
全体に粘膜が傷んでいるので、より渋い状態になりやすいのかもしれない。
ぶどうの果皮にもタンニンは含まれているから、先日のぶどうが渋かったのもたぶんこういうことだったのだろう。

今日の食事

再開

連休で中断されていた放射線治療が今日から再開。

シスプラチンの影響もなんとか遠のいてきた感じで、午後、シャワーを浴びて、少し眠気がしたので、横になってうとうとしたら、すごくお腹が空いた感じがして、数日ぶりに、腸が動く感じがして、お腹が、ぐーっ、っと鳴った。
うーん、これはなかなか良い兆候かも。
ところが、夕方、放射線治療に呼び出されて帰ってくると、喉の痛みがほんの少し増している感じ。
まだ食事に差し支えるほどではないので、晩御飯は美味しくいただいたけれども、こうやって、だんだん傷んでいくんだろうな、という予感。
せめて、うがいだけは念入りにした。

今日の食事

サイト立ち上げ

ずいぶん遅くなってしまったけれども、やっと、このサイトを立ち上げ始めた。誰かの役に立つことがあれば、と思ったので、それらしいドメインネームを取得しておいた。
でも、いつの間にか、文章も食事画像も、けっこうな数になっているので、完全にサイトアップする頃には、今回の治療を終えて、退院していたりするんだろうか?

今朝の朝ご飯の後で、ある程度の固形物が便として出たが、完全にすっきり、という感じではない。看護師の方によれば、抗がん剤の便秘は、それほど長引くことはないとのことだったが、緩下剤を服用して、できるだけ水分を多く取って過ごすようにしなければいけないんだろうな。

なんにせよ、しばらくは点滴ともお別れだから、と思っていたら、昼ご飯の後に、腫瘍内科の先生が様子を見に来てくれて、明日は、胃瘻造設のための診察がありますから、とのこと。もしかして、胃瘻を作ると、しばらく食べられないのでは?と思って尋ねると、案の定、三日間、点滴で水分も栄養も取ります、との、ショックな回答。せっかくチューブレスになったと思っていたのに、また、三日間も、しかも昼夜問わず、紐付きの生活になるなんて。少なくとも、明日までは、口から食べられるので、その間に、ちょっと残っているお菓子などは食べておいてしまわなければ。

今日の食事

外出

今朝の体重は昨日に比べれば少なくなっていた。ベッドの中でストレッチのようなことや、手の指の開閉や足の指の開閉などをやってみたのも、もしかしたら良かったのかもしれない。まあ、良いと思うことを地道にやっていくのがいいんだろうな。
おかげで利尿剤の点滴はなく、3日間腕に付いていた点滴の針(シリコンのチューブ)は無事に撤去された。これで、本格的な点滴とは3週間お別れ。予定では、3週間毎にあと2回、シスプラチンの点滴を受けることになっているが、やっぱり、なんとなくダメージを受けたような感じはする。これが、あと2回あると思うと、憂うつになりかねないけど、まあ、3週間も先のことなんだから、こういうときには、目先のことだけを考えるようにしよう。今日と明日は日曜と祝日だから、何の治療も検査もなく、かつ、チューブフリーだし。

今日は、妻が入院後の様子を見るために来てくれた。
一般病床でいる自分のベッドのまわりや病室の様子、シャワーやコインランドリーなどの設備などを見せて、デイルームで少し自分の治療の進行状況や家の状況などについて話すと、もう病院でいる意味はなくなってしまったので、予定通り、外出して、晩御飯も一緒に食べることにした。
ただ、今朝は朝ご飯の時に大便が出ず、お腹が張った感じで出歩くのがおっくうだったので、ちゅうちょする気分はあったが、自分の気分転換のためにも出かけることにした。

放射線治療を受けているので、紫外線は避けるようにとのことなので、以前娘が買ってくれたストールを首にゆるく巻き、帽子をかぶって出かけた。

数日間、病院で過ごしただけなのに、何となくダメージを受けた感じがするのは、抗がん剤のせいなのだろうか?便秘でお腹が張っているのもあって、あまりてきぱきとは動けないので、のんびり歩いた。まあ、外見からすれば、自分もそろそろおじいさんの域には達しかけているかもしれないので、それを良いことにのんびり歩くことにした。

本当にひさびさに来る美術館をのぞいて、そのあと、少し早めにざるそばと天丼という晩御飯をとった。だが、お腹の中で便が停滞している感じが大きくて、食べたいのに食べきれないような状態で、残念ながらご飯を残してしまった。妻は、ざるそばの代わりにかけそばを頼み、久しぶりにこんな大きなえびの天ぷらを食べたわ、と笑っていた。彼女も、自分と同様にご飯を残していたが、これは体格の差から来るものに違いない。

食事の後、妻を宿泊するホテルに送り届けてから病院に戻ってきた。
病院に戻ってから、お腹の調子が優れないことを看護師の方に話すと、聴診器でお腹の音を聞いてくれてから、少し腸の運動が弱いようには思いますから、寝る前に下剤を持って行きますね、とのことだった。
ひさびさに外出して疲れたのか、よく眠ることができた。途中、小用で2度起きたが、そのうちの2回目にガスと便も少し出たので、お腹も楽になった。

今日の食事(晩御飯は外出して食べたので画像はなし)

停滞

今朝は、なんとなく全身はれぼったい感じがして、もうちょっと尿が出てもいいはずなのにな、という感覚だったけど、案の定、体重が基準体重よりも1kg強増えていて、利尿剤の点滴をしてもらった。
あわせて、お腹もなんとなくはれぼったいというか、胸焼けがするような状態というか、これはきっと、柔らかい状態のうんちがそのままお腹の中でたまっているんだな、という感じだった。
ただ、シスプラチンによる吐き気なのかもしれないので、朝ご飯の前に今朝の分として処方されている制吐剤を飲むことにした。
朝ご飯を食べたら、途中で便意を覚えたのでトイレに行ったら、軟便が出た。ある程度すっきりして、朝ご飯は完食した。

朝ご飯がやや遅かったのもあり、シャワーを浴びて、歯磨きやうがい、一泊二日での帰宅のための手配などをしていたら、いつの間にかお昼になっていた。
お昼ご飯は、美味しく食べられた。やっぱり、ご飯が美味しく食べられるのがなによりも大切な気がする。

午後は、お見舞いの人が来てくれて、他愛ないことをデイルームでしゃべっていたら時間が早く過ぎてしまった。心なしか、昨日よりも、排尿の回数も多いような気がする。気のせいかもしれないけど、やはり、他愛なく過ごしているほうがいろんな意味で体調はいいのかもしれない。できるだけそういう状態を維持できるように、はみがきやうがいはきちんとやらなくては。
午後の大部分の時間をデイルームで見舞いに来てくれた人と過ごしたためか、消灯時間の9時には寝付いてしまい、夜、3度ほど小用に起きたが、それ以外は、朝の6時まで、ほぼ就寝できた。

今日の食事

抗がん剤翌日

昨日の夜9時の寝付きは良かったものの、午前2時頃に目が覚めて、トイレで小用をした後、うとうと状態で5時半頃まで。
起き上がって歩くと、発熱時のような足元のおぼつかなさ感がある。
さすがに、これは抗がん剤の副作用なんだろうか?
体温自体は36.7度で、朝方の自分としてはほんの少し高めかもしれないが、ふらつきを感じるほどの熱ではない。

朝ご飯を食べ始めると、吐き気というほどではないが、軽いむかつきのような違和感を感じて、しばらくは食べたものの、半分くらい食べたところで、トイレに行って大用を。
便秘の薬を飲んでいるので、堅い便ではなく、前半が普通、後半が軟便、という感じだった。
すっきりして戻ると、残りのご飯もほとんど違和感なく食べられた。

食後に制吐剤を飲み、便秘用の薬は、薬剤師の方から、自分で加減したりスキップしたりしてくれて良い、と言われていたので、半分量を飲む。

食後に、腫瘍内科のお医者さんが回診してくれて、胸の音やお腹の音、口の中の様子をのぞいてくれた。
その時に、ふらつきについても話してみたが、抗がん剤の副作用というよりは制吐剤として点滴したステロイドで足元がふわふわするような症状が出ることもあるとは思います、とおっしゃっていた。

入院してから初めて、頭頸科のお医者さんの診察があった。
まだ放射線の照射は1回なので、特に問題もない状態だったが、今後、毎週一回、状況を見ていきます、とのこと。
ずっと気になっていた、手術後に取り直した首のCT画像と、上部消化管の内視鏡の結果について尋ねてみた。
CT画像は、摘出した腫瘤とは別のリンパ節の腫れが残っていて、詳細はわからないが、転移したがんである可能性もあるので、今後、この部分も見ながら治療を進めていく、とのこと。
内視鏡で見た、食道から胃、十二指腸にかけては問題ないとのことだった。
頭頸科の診察から戻ってくるときには、足元のおぼつかなさ感はなくなっていたので、ちょっと安心した。

CTで見たリンパ節の腫れについては、どのくらいの大きさなのか、とか聞きそびれてしまったので、放射線科のお医者さんの診察の時に、もう少し詳しく尋ねてみよう。
お医者さんはいつも、状況とかがわかっているので、要約された説明になりがちで、その説明を自分の中で反芻するときに、あとから、あれはどうなんだろう、とか、これはどうなんだろう、と思うことが多い。
基本的にお医者さんは尋ねたことには、嫌な顔をするということは全くなくて、何でも答えてくれるけれども、そもそも尋ねる内容を、診察が終わって病室に帰ってきてから思いつくので、どうしようもない。
看護師の方にお願いして、お医者さんに取り次いでもらうというのもあるんだろうけど、放射線科のお医者さんの診察もあるはずなので、とりあえずそこで尋ねてみよう。

今日は、まずは、制吐剤を点滴した後で、シスプラチンを腎臓から排出するために、昨日と同じ量の輸液を点滴する。
しかも、昨日よりもゆっくりなので、時間がかかる。10時半過ぎに始まったので、延々夕方の6時半過ぎまでかかる予定。
音楽を聴いたり、blogの文章を書いたり、昨日は本を読んだけど、今日は、大量に用意してきたDVDでも見ることにしようかな。
あ、首の傷跡付近のリンパマッサージもしなくては。

2回目の放射線照射が終わり、明らかに、のどがちょっといがらっぽい感じ。
晩御飯の後でうがいはしたけど、この感覚がだんだん強くなっていくのだとしたら、これはかなりつらいことになりそうな予感。
ただ、土日祝は放射線治療はお休みなので、明日から3日間は、これ以上ひどくはならないわけで、それだけが少し救いかも。

抗がん剤初日

今日は、抗がん剤(シスプラチン)の点滴があるので、9時頃までにシャワーをしておくように、とのことだったので、シャワー室の予約表の8時40分に記入。

シスプラチンの副作用の一つとして、腎臓への障害があるので、できるだけたくさん水を飲んだり、点滴で水を入れたりして、腎臓を水漬けの状態でシスプラチンを点滴することになるので、尿を作るのが追いつかないと、身体に水が溜まってしまってむくみが出たりするらしい。
そのため、どのくらい水が身体に溜まっているのかを確認するために、点滴を始める前の基準体重を計る、とのことで、体重計に乗る。
うーん、やっぱりちょっと太りすぎているかも、とは思うけど、看護師の方は、大丈夫ですよ、できるだけ体重を落とさずに治療を行ったほうが、回復も早いですから、と言ってくれる。
いつも、もうちょっとやせてくださいね、と言われるのに、やせなくていいですよ、と言ってもらうのは、ちょっと心地よかったりする。
まあ、そんなことで喜んでいる場合じゃないんだけど。

10時半過ぎから輸液の点滴が始まって、引き続き、シスプラチンの吐き気を抑えるための制吐剤、尿を作ってシスプラチンの腎臓への障害を和らげるための利尿剤を点滴した後、シスプラチンを点滴。
いきなりがつんとくるのかと思っていたけど、特に吐き気もなく、ちょっとほっとした。
最後に、また尿の材料になる輸液を点滴して、すべての点滴が18時頃には終了。
晩御飯も、完食した。
途中、放射線治療のために、点滴の速度を遅めに調節したので、本来なら17時半頃には終了していたのかもしれない。

今回使っている制吐剤は5年くらい前に出てきたものらしくて、その薬の利用前後では、かなり吐き気の症状が緩和されたらしい。
シスプラチンという抗がん剤も放射線も、長年使われているものだけれども、QOLの改善に関して、いろいろ開発が進んでいるみたいで、とにかく一回目のシスプラチンの注入はそれほどの問題もなく終了した。

同じく、一回目の放射線治療も、お面で顔と首を、ぎゅー、っと押さえつけられている間に終わってしまって、照射中は、首にも、のどにも、ほとんど感じるものはなかった。
終わってから、ほのかに喉が温かくなる程度の感覚があったが、気のせいなのか、すでに腫れているのか、判断が付かない。
けれども、もしこの感覚が放射線照射によるものなのだとしたら、これが33回重なっていけば、かなりのものになる予感はする。

ちなみに、両側の扁桃腺とその周辺、特に原発だった左の扁桃腺と同じ側の首のリンパ節には重点的に放射線が当たるようにIMRTが設計されている。
1回2gy(グレイ)という単位で、33回の照射予定になっている。

入院初日

入院初日は、血液検査のための採血をされた後、病棟に行って入院。

すごく若い看護師の方がいろいろ説明したり、ヒアリングしたりしてくれた。

その後、看護助手の方から、シャワーやコインランドリーの使い方、その他の病棟内の施設についての説明。

病棟は腫瘍内科が管理しているとのことで、病棟で担当してくれることになる腫瘍内科のお医者さんが、さっそく明日からの、抗がん剤(シスプラチン)の治療のスケジュールについて説明してくれた。

その後、胸部レントゲンと心電図。

さらに、明日からの放射線治療に備えて、放射線照射機(リニアック)での照合があった。

最後に、薬剤師の方から、抗がん剤(シスプラチン)の作用、副作用などについて、ていねいに説明があった。
病棟に薬剤師の方が詰めている、というのもすごいな、と感心した。
シスプラチンという抗がん剤は、登場以来、約30年も使われていてそれだけ効果があるということなんだろうけど、副作用もたいしたものらしい。
ただ、一番大きい副作用の嘔吐に関しては、5年ほど前に出た薬によって、かなり抑えることができるようになったとのこと。
副作用に関しては、個人差が大きいということなので、結局説明してもらっても、出たとこ勝負ということになるんだろうか。

夜、看護師の方が粉末のうがい薬を束にして持ってきて、水に溶かして使ってください、とのことだった。
1袋が100mL用なので、500mLのペットボトルに5袋溶かして、1日で使い切るようにするといいらしい。

口内炎をできるだけ防ぐために、口の中を清潔に、歯磨きはできれば5回、ということなので、今日から実践することにした。
毎食後に加えて、起床時と就寝時、そのあとうがい薬でうがい。
毎日の生活の中でだとかなり面倒に感じるけれども、病気を治すために病院にいる身としては、それが毎日やることのすべてと言っても過言ではないので、そのくらいはきちんとやらなくては。
少しでも口内炎を少なくできれば、結局は自分が痛い目を見なくてすむわけだし。