胃瘻を抜去したときに、看護師の方から、ガーゼを外したらあとは絆創膏でも貼っておいてください、と言われていたので、少し趣旨は違うかもしれないけれども、バンドエイドのキズパワーパッドを胃瘻の跡にずっと貼り続けていた。
すると、ずっと浸出液が出るような状態が続いて、正直、大丈夫なのかな、と思わないでもなかったけれども、やっと今日ぐらいから浸出液がほとんどでない状態になった。
それに伴って、もしかしたら腹壁の中まで続いているのかもしれないような中の見えない穴状態から、底が赤い肉でふさがれたくぼみ状態に、胃瘻の跡も変化し、やっとこれでお風呂に浸かっても大丈夫かな、と思えるようになってきた。
これで、やっと、さんざん悩まされた胃瘻と、縁が切れたことになるんだろうか?
カテゴリー: 胃瘻
医療保険の手術給付金
先日、外来で胃瘻抜去を行った際の診療費の領収書を見ると、手術料の欄に金額が入っていて、本人的には、あれで手術なのか、という軽い驚きがあったんだけど、同時に思ったのが、これって、もしかして、手術給付金の対象になるんだろうか、というお金に関すること。
自分の場合は、生命保険の医療特約として、入院時と手術を受けたときに給付金が支払われる契約をしている。
手術の給付金については、今回の一連の手術をうけるまで、契約の存在すら意識したことがなかったけれども、どうやら病院でもらう請求書の手術欄に金額が入っているだけで給付金がもらえるということがわかって、保険も役に立つことがあるんだな、と思った次第。
自分が入院したり、手術を受けたりすることになるなんて、本当に予想もしていなかったので、医療特約の部分については、まったくの掛け捨てのつもりだったのに。
でも、確かに涙が出るくらい痛かったとしても、あんな瞬間芸みたいなのが本当に手術に該当するんだろうか、とかなり疑問だったので、最近、すっかりおなじみになってしまった生命保険会社の担当の方に電話をかけて、外来で胃瘻抜去術というのを受けたが、これが給付金の対象になるのか調べてもらうことにした。
すると、翌日には回答があって、給付金の対象に該当するので、請求のための書類を送る、と連絡があり、今日、その書類が手元に届いた。
さっそく、請求書に記入して生命保険会社に送ったが、このへんは、病院でもらう診療費の請求書の内訳に目を通していなければ、自分も請求しなかった可能性が高い。
医療保険に入るかどうか、というのは、別の意味で議論の余地のあるところなので、一概におすすめするつもりはないが、すでに医療保険に入っているのだとしたら、もらえるものはありがたく頂戴することにしたい。
そのためにも、病院でもらう診療費の請求書はきちんと目を通すべきだと思う。
また、がんの治療などを受けると、年間で考えるとそれなりの額になることが予想されるので、確定申告で医療費控除を受けるためにも、きちんと領収書を保存しておく必要がある。
今回自分が経験して、へー、と思ったのは、
- 一度に行った手術だけれども、悪性腫瘍だった左の扁桃腺を除去する手術と、そうでなかった右の扁桃腺を除去する手術は、別々の手術として扱われる、
- 瞬間芸だったにも関わらず、胃瘻抜去術は手術給付の対象になる、
の二つ。
すでに医療保険に入っているのなら、もれなく請求できるように、診療費の請求書にはきちんと目を通して、もしかして、と思う内容があれば、おっくうがらずに保険会社に問い合わせてみるべきだろう。
胃瘻抜去1日後
特に違和感なく過ごしているが、さすがに1日以上ガーゼをしたままだったので、これはまずいかも、と思って、夕方、こわごわガーゼを外してみると、かなり血と浸出液がにじんだ感じだった。
ただ、胃瘻があった場所からは、もう何か出ているという状態ではなくなっていたので、大きなガーゼの代わりに、絆創膏を貼り付けておいた。
これで、身体を動かしたときの違和感もほとんどなくなった。
あとは胃瘻の場所が盛り上がってくれば、跡も目立たなくなるらしい。
胃瘻抜去
退院後2週間ということで、外来で、腫瘍内科+頭頸科+放射線科のそれぞれのお医者さんの診察。
そして、待望の胃瘻抜去。
まずは、腫瘍内科の診察に備えて、採血。
主に、白血球の値や、肝臓・腎臓の働きを示す指標を確認するために、入院中も、ほぼ毎週のように採血されていた。
次に、胃瘻抜去。
胃瘻外来のお医者さんから、食事は口から摂れてますね、と一応の確認があって、じゃ外しましょう、ということでベッドに横になると、お医者さんが、なにやら細長い金属製の器具を持ち出して、その先を胃瘻の穴に。
胃瘻に突っ込んだ器具を操作してから、器具ごとお医者さんが力任せで引っ張って(いるとしか思えなかったけど)、胃がきゅうっと引っ張られる感じがして、その直後、涙が出るくらいの激痛が胃瘻の穴の開いているあたりを襲う。
え、こんなに痛いなんて。
すごく痛いんですけど、と文句を言うと、お医者さんは、あたりまえです、胃瘻を作るときは麻酔してますが、今は麻酔してないですからね、と事も無げに。
こんなに痛いのなら、あらかじめ、ちょっと痛いですよ、とか言って欲しかった。
看護師の方とかは、採血の時でも、ちょっと、ちくっ、としますよ、と優しく声をかけてくれるのに、外科医というカテゴリーのお医者さんには、そういう発想が全くないのかもしれない。
今頃、それを学習してもかなり手遅れの感はあるが。
しばらく胃瘻のところをガーゼで押さえてくれていたが、押さえていたガーゼを外して見て、まだ出てる、とお医者さんはおっしゃって、再び、別のガーゼを胃瘻を抜去したあたりに押し当てて、もうしばらく押さえてますね、と。
これはたぶん、胃瘻のところからの出血が思いのほか多かったんだろうか。
まさか、胃の中身が出てきたわけじゃないと思うけれども。
しばらくたったら、看護師の方が、そのガーゼを覆ってしまうくらいの大きな絆創膏でお腹に貼り付けてくれた。
抜去後、食事は、2時間後から、軽食なら可能ということだった。
腫瘍内科の外来が終わったのが2時頃で、それから移動したため、お昼の軽食を食べたのは、ほぼ6時間後になるが、特に異常はなく、ちょっとほっとした。
しばらくの間は痛みがあったが、そのうち、少し違和感がある状態に落ち着いてきた。
たぶん、絆創膏で大きいガーゼを貼り付けているので、それによる違和感もあったと思う。
これでめでたく、holeフリーに。
その後、頭頸科のお医者さんの診察で、いつも通りに、喉をスコープで見た後、首を触って感触を確かめて、では、次は一ヶ月後にまたお目にかかりましょう、ということに。
放射線科のお医者さんとは、胃瘻抜去の話になり、お医者さんから、結局使わなかったんですか、と尋ねられたので、ここは少し胸を張って、なんとか使わずに済ませました、と言ったら、人によって放射線の感受性は違うけれども、セルフケアもしっかりやられていたからだと思う、とほめられたので、やっぱりちょっとうれしかった。
腫瘍内科のお医者さんは、血液検査のデータを確認して、特に問題のある数値はないので、今回の治療に関してはこれで腫瘍内科としては終了です、とのこと。
もし、再発などがあれば、またその時に相談することになりますが、そうならないと良いですね、とおっしゃっていただき、申し訳ないがもうお目にかかりたくはない、と内心思ったものの、一応、にこやかに、そうですね、と返事をしておいた。
最後の中休み
今日と明日は、治療はお休み。
土日は、これ以上身体が痛めつけられることはない、と思うと、本当にほっとする。
月曜日にはシスプラチンの点滴という大物が残っているけれども、放射線治療はあと2回なので、これならなんとか乗り切ることが出来るかもしれない。
この分なら、胃瘻を使わずに経口栄養だけで退院することも出来そうだ。
保険のためとはいえ、胃瘻にはいろいろやられっぱなしで、最近も妙にちくちく痛んだりと、本当に胃瘻とは相性が悪い。
腫瘍内科のお医者さんは、基本的に体調が問題なければ、週末に外出許可を出してくれるので、今日も、ある程度気晴らしのために外出してみた。
味覚障害のために、外出先で食べられそうな気のするものがないので、食事は病院で食べることにして、かつ、食べるものも買い込めないので、自分的にはかなりつまらないけれども、病院内でずっといるよりは運動になるのできっと体調にもよいに違いない。
今日の食事
一ヶ月
朝をパンにしてもらったが、やはり脂の匂いのないご飯のほうが食べやすい気がするので、結局、朝もご飯に変更してもらうことにした。
全粥の食事ということで、おかずだけやや柔らかめに作ってもらって、でも主食はお粥ではなく普通のご飯をもらって、お茶漬け(というか、味噌汁や澄まし汁漬け)で食べる感じ。
ここのところ、胃瘻がまったく気にならなくなっていたが、最近、また、ちくちくするようになってきた。
きっと、抗がん剤の影響で胃の動きが止まっていたのが、最近、復活したので、空腹を感じたときなどに、ちょっと引きつれるのではないかと思う。
また、胃瘻のチューブと皮膚の隙間から、漏れる粘い液体がぽろぽろ固まっていたりもするので、シャワーでこまめに流さないといけなかったり、全然使ってないけれども、メンテナンスにはわりと手間がかかったりする。
今日の放射線科のお医者さんの診察で、まだ胃瘻は使ってないと言うと、喉の腫れもまだそれほどではないから、引き続きなんとかなるかもしれませんね、とのことだった。
まあ、保険の意味で作っている胃瘻ではあるので、使わなくて済むのならそれに越したことはないとも思う。
午前中、看護助手の方がやってきて、通常、火曜日はベッドのシーツの交換日なのだが、もう一ヶ月になるので今日はベッドごと交換します、とのこと。
院内感染を防ぐためなんだろうけど、交換したベッドは、マットレスを外して、フレーム部分などを全部、消毒液で拭いているようだ。
一ヶ月になるんだな-、と思うと、感慨深いような気もする。
今日の食事
食欲不振
やはり味がないのがつらいのか、食欲がない。
今朝は何とか食べたけれども、昼ご飯は、ついに、おかずを7割くらい食べただけで、おかゆを全部残してしまった。
これまで病院に入院していて、完食しなかったのはこれが初めて。
ご飯を食べた後、2時間ほど、ベッドに横になり、眠って過ごした。
点滴を交換するときに看護師の方と話をしていると、抗がん剤の副作用で食欲不振なのかもしれないですね、とのことだった。
確かに、吐き気の一歩手前くらいの感じで食欲がないような気もする。
喉もご飯を食べるときに滲みるようになっているので、昼ご飯から痛み止めを飲むようにしているが、やはり喉の痛み、というよりは、煮込んでぱさぱさになった肉などを飲み込むだけの唾液が出ない、ということや、基本的に味が感じられない、ということが大きな要因になって、食欲不振を打ち消すだけの食欲がないのかもしれない。
結果的に、お腹も少しやせて、腹壁の厚さも多少少なくなるのではないかと期待されるので、ずっと痛みがあった胃瘻に関しては良い方向かもしれない。
ただ、どのお医者さんも、治療終了後の回復時に体力が必要なので、がんばって食べてください、とおっしゃるので、がんばって食べなくては。
でも、なんとなく胸焼けもするし、これは、本当に食欲不振状態かもしれない。
今日の晩御飯も、かなりパスしたい気分。
結局、おかずは食べて、お粥を残してしまった。
もう半分終わった、と考えたいところだけど、ついつい、まだ半分しか終わっていないのにこの状態では、と思ってしまう。
今日の食事
胃瘻、その後
胃瘻というか、胃は相変わらず、夜寝るモードに入ると痛くなるので、昨日は夜中に目が覚める時まで待たずに、寝る前に痛み止めを飲んでみた。
結果、結局夜中には痛みで目が覚めて、それなら痛みで目が覚めてから飲んだほうが、むしろ長く痛み止めの効果が続く気がするので、事前に痛み止めを飲むのは止めて、以前と同様、もし夜中に痛みで目が覚めたら痛み止めを飲む、という対処にもどすことにした。
来週の月曜日には、2回目のシスプラチンが予定されているので、その確認のための血液検査用の採血と心電図を取った。
放射線治療は、ここのところ朝一番なので、それはそれでいいのだけれども、終わった直後にはやっぱりダメージを受けている感じがする。
さらに、喉も、だんだん痛くなっているような感じ。
血液検査の結果を告げにやってきた腫瘍内科のお医者さんも、喉をのぞいて、ちょっと赤くただれてきてますね、と言っていたので、そろそろ食事のために痛み止めが必要な状態になるのかもしれない。
午後は出来るだけ身体を休めて、喉の回復を図ってみることにしよう。
午後3時過ぎにシャワーを浴びて、冷やしてあった缶詰めの水ようかんを食べたところ、思いのほか甘味がしなくて、やっぱり味覚も確実にダメージを受けてるんだな、と実感した。
小豆の味はするけど、甘味はかなり遅れてやってきて、しかも、塩辛いような味もする。
塩味には鈍感になっていて、逆に、ただの水でも、なんとなく塩辛いような感じがするようになっているので、そのせいだとは思う。
放射線治療によるダメージは、まだ半分というところだから、もっと味覚はひどい状況になっていくのかもしれない。
まあなるようにしかならないので、どうなるかを想像するのはやめておこう。
今日の食事
口腔保湿スプレー
昨日も結局、夜は胃が痛くて、鎮痛剤をもらって飲んだ。
胃瘻が傷む、というよりは、いわゆる胃潰瘍の痛みのような感じ。
鎮痛剤を飲むと、痛いけれども、なんとか寝られる状況ではあるので、まあ、こらえどころなのかもしれない。
今日は、歯医者さんと、放射線治療。
歯医者さんの予約はもう少し先だったのが、知覚過敏の歯が少ししみるようになってきたので、予約を前倒しにしてもらった。
知覚過敏のケアをしてもらって、後は口腔内のチェックと、歯の掃除。
だいたいきれいに磨けていますよ、とは言ってもらうが、今回は少し歯垢が残っていたようで、やっぱり歯磨きだけはていねいに続けなければ。
そのあと、少しして、放射線治療にも呼ばれた。
最近、午前中に放射線治療も終わってしまうことが多いので、午後からゆっくり過ごせてうれしい。
ネットを見たり、うとうとしたり、ノートPCで持参している映画を見たり、で過ごしていると、放射線治療で受けたダメージがほんの少しだけ回復するような気がする。
もちろん、うがい薬によるうがいと、口腔保湿液のスプレーは欠かせないけれども。
今日の食事
腹壁が厚い、とは?
ここのところ、放射線治療がいつも朝一番で、残りの一日、ゆっくり過ごせて、それはそれで良いかも。
今朝、2時頃に、あまりに胃が痛いので、結局、看護師の方にお願いしてアセトアミノフェンの薬を痛み止めとして出してもらった。
腫瘍内科のお医者さんが、疼痛時の処置としてカルテに残してくれてあったようなので、すんなり出してもらえたが、もしそれがなかったら、看護師の方も勝手に薬を出すわけにはいかないだろうし、こういう時はいろいろ大変なんだろうな、と思いつつ、でも、痛いので。
痛み止めを飲んだからといって無痛になるわけではないけれども、痛みのレベルは下がって、眠れるくらいにはなるので、それから後はけっこう眠ることができた。
朝6時に起きたときには、ちょっと汗をかいていて、体温は35.9度だった。
放射線治療が終わってしばらくすると、腫瘍内科のお医者さんがやってきて、やっぱりだめだったですねー、とにっこりされていた。
胃薬自体は効いていないということはないと思うので、そのように言うと、たぶん胃の位置とかがあって痛くなっていて、穴が開いていたりということはないと思うので、でも、念のためにレントゲンを撮ってみますね、とのことだった。
本当は、こんなに痛いのなら、胃瘻を外してしまいたいくらいなのだが、これからますますのどが痛くなって、食べられなくなる可能性があるので、せっかく作った胃瘻だしなんとかだましだまし共存するしかないのかな。
何事もなく胃瘻が作れる人もいるみたいで、そういう人がうらやましい。
午後には、放射線科のお医者さんの診察。
食事が摂れているかという話になり、体重があまり減っていないので、本当はもっとやせたいんですけどね、というと、治療中はやせないようにしてください、と指摘された。
お医者さん曰く、放射線を当ててダメージを受けて、そこから回復するときに、やはりエネルギーは必要なので、治療中はダイエットとか考えてはだめです、治療中に太るっていうことはないですから、と。
確かに、休日に外出した際に、プリンとかナッツとか飴とかお菓子とかけっこういろいろ買い込んできて、食事のあいまに食べているけれども、それが許容されるというか、むしろ推奨されるというのは、自分にとってはありがたいことかと。
ただ、確かに、のどの痛みがまだそれほどではないのでこういうことも出来るけれども、今後、ますますのどへのダメージが大きくなってきたら、やっぱり口から食べること自体がきびしくなってくるのかもしれないな。
夕方、腫瘍内科のお医者さんがやってきて、レントゲン写真で見たところ、腹壁がかなりぶ厚いので、それで胃瘻の器具の胃壁への当たりがきつくなっているのではないか、とのこと。
腹壁が厚い、というのは、つまり、デブ、ということですかね?と尋ねてみたが、いつものようににっこり笑って、胃瘻の器具は一種類しかないので、もっと腹壁が厚いと作れない人もいるんですよ、と、うまくはぐらかされてしまったような気がする。
これだけ痛かったりすると、むしろ、作れないほうが良かったのかも、と思ってしまうけれども、少なくとも昼間は痛みがましになっているような気はするので、いずれ何とかなるのかもしれない。
というか、何とかなって欲しい。
今日の食事