胃瘻が痛い

それにしても、胃瘻のところが痛い。
特に、夜中、1時~2時頃、痛さで目が覚める。
引きつれると言うよりも、きりきり痛い。
錐よりはすりこぎでこね回されている感じ。
特に出血しているということもないので問題はないと思うんだけど、思わず息を止めてしばらくの間思わず顔をしかめるくらいは痛いので、せめて痛み止めをもらったほうがいいんだろうか。
今日、腫瘍内科のお医者さんが見に来てくれたら相談してみよう。

のどが痛いのは、まあ、治療しているから仕方ないな、と思えるんだけど、胃瘻が痛い、というのは、全然本質じゃないので、ちょっといらだってしまう。

腫瘍内科のお医者さんが、とりあえず胃薬を出すので、今夜様子を見て欲しい、とのことだった。
確かに、胃薬を飲むと、全体的に胃瘻のあたりが痛いのが押さえられるような気がする。
痛くて目が覚めるのは夜中の1時とかなので、どうなるのかが興味深いところではあるけど。

今日の食事

全粥

今朝は、たぶん、夜中に、胃瘻のあたりが痛くて何度か目が覚めてしまった。
朝になるとある程度収まっているので、胃が動くときに痛かったのかもしれない。
目が覚めたときには、看護師の方を呼んで鎮痛剤をもらおうかとも思ったけど、結局睡魔に勝てずに眠っていたので、逆に、それほどは痛くなかったということなんだろうか。

胃瘻のところにはさんであったガーゼには血だけでなく膿みっぽいものも染みているようだった。
看護師の方は、とりあえず、午後のシャワーを浴びて、その後の状況を見てどうするか考えましょう、とのことだったが、シャワー後の胃瘻は特にひどい状況でもなかったので、できればそのまま乾燥させて、さらに何か浸出液があるようなら、またガーゼを当てましょうということになった。

口の中の乾き感がだんだん強くなってきているので、試しに、今日の晩御飯から、ご飯を全粥に変更してもらった。
ご飯の時は、おかずとして付いてきている味噌汁やすまし汁を一緒に飲みながら食べることがほとんどだったが、全粥だとそんな必要もなくすごく食べやすい、という感じを受けた。
やはり、唾液の分泌はかなり減ってきているようだ。
口の中を保湿して、常に濡れた状態にしておけば、少しでも細胞の修復が進む、というお医者さんの言葉だったので、お茶と口腔保湿用のスプレー、うたた寝するときや夜寝るときには必ず保湿用のマスクをしているが、なんとか今週末までは普通に外食できそうなのは、その成果だと信じたい。

今日の食事

週末が見えてきた

放射線治療を受けて、その後、横になってうとうとしたり、夜間に寝たりしている間に、口腔の状態は少しだけ回復する。
寝ている間の、マスクのおかげなのか、今朝の回復度合いは、いつもより少しだけ良いような気がする。
まあ、実際のところはわからないけれども、そうやって、いい感じ、と思うことも大切だと思うので、あんまりは突き詰めて考えないことにしよう。

朝ご飯を食べた後で、ベッドで横になってうとうとしていると、消化器外科のお医者さんが来られて、胃瘻の抜糸をしましょう、と、ぱちんぱちん、と3カ所くらい切って、糸を抜いてくれた。
瞬間、やっぱり痛かったものの、すぐに、なんとなく楽になったようか感じがする。
少なくとも大きく息を吸ったり、お腹に力を入れたりしても、引きつるような痛みはなくなった。とりあえずはめでたい。

夜、腫瘍内科のお医者さんがのぞきに来てくれて、金曜日にまた血液検査をして、その結果が悪くなければ、週末はお出かけしても良い、とのこと。
やっぱり、ずっと病院でいると、気が滅入ってしまいがちなので、可能ならば外に出るようにしたい。

今日の食事

照合

今日は、朝食後に、臨床栄養士の方の訪問があり、食事が取れているかどうか、質問された。
もし、のどにしみるようなら、酸っぱいものを排除するなどもできるので、看護師を通して、または、直接言って欲しい、とのことだった。
病棟には、薬剤師の方も常駐されているが、栄養士もまわってくるのは、ちょっとすごいと思う。
でも、考えてみれば、ある程度食べられるようになってきた患者が、なぜ治るのかというと、ちゃんと食べるから治るわけで、病気が治るというプロセスにとって、食事というのは、お医者さんのお薬などと同等以上に重要なのに違いない。
人の身体はその人が食べたものでできている、と言うけれども、どんな食事からでも必要な栄養を選び取って、平常な状態に戻していこうとする生物としての身体の力は、本当にすごいものなんだなあ、と感心してしまう。

いつも、放射線治療の時には、身体につけた目印の線と、治療の機械から出るガイドの光を合わせた後で、顔を固定するお面をつけるんだけど、これって、動かないようで動くこともあるので、実際のところ、毎回チェックしてたりするんだろうか?とひそかに疑問に思っていた。
一応、治療の予定表には、リニアック照合+リニアック外照射になってるんだけど。
それが、今日の治療で、いつもとお面の当たり具合が違うな、という状態で固定されていると、もう一回、放射線技師の方が部屋に入ってきて、お面をつけ直します、ということだった。
なるほど、ちゃんと照合してるんだ、と安心するとともに、お面の違和感が、若干のあごの引き具合だけだったことを考えると、やっぱりかなりの精度で放射線を当てているらしい。

夜、寝る時に横になっていると、ちょっとだけ胃瘻の付近で濡れた感触があって、その時は気にしてなかったが、夜中にトイレに目が覚めたときに見てみると、パジャマが血で汚れていた。
糸で縛ってある付近から出血したようで、量もたいしたことはなく、一時的なものだったようだが、看護師の方にお願いして、とりあえずガーゼを当ててもらった。
確かに、晩御飯の後に身体を動かすと、どういう体勢を取っても胃瘻が痛かったような気がする。
いずれにしても、胃瘻を結んでいる糸が早くなくなるのを待つばかり。

今日の食事

口内炎

数日前に、急いでかんで傷つけてしまった左側の下唇の内側は、やっぱり口内炎になってしまっているので、塗り薬、というか、ステロイド剤で溶いた粉ゼラチン、みたいな口内炎の薬を出してもらって塗っているが、残念ながらすぐには治らない。
ほとんど同じ頃に2回もかんでしまった右側の下唇の内側は、うがい薬でなんとか治ったのに、3回目はさすがにだめだったのかも。
ひもじかったのもあるけれども、唇の内側をかんでしまうのは、急いで食べ物をかむからだと思うので、これ以降、できるだけ、ゆっくりと、かつ、30回はかんでから、食べ物を飲み込むように心がけている。

つくづく思うのは、お医者さんは治るための手段は提供してくれるけれども、やっぱり治るのは自分自身の身体だから、こういう少しの心がけで何とかなるようなものは、自分で防ぐようにしないといけないな、と。
急いでかまなくても、美味しくいただくことはできるので、入院中は、せっかく時間はたっぷりあるんだし、ゆっくりかむことにしよう。

今日も、入院管理をしてくれている腫瘍内科のお医者さんには外出許可をもらっているので、昼過ぎにシャワーを浴びた後で、出かけてみることにした。

放射線照射の影響か、食後しばらく時間がたったり、電話で話をしたり、の時に、口の中が乾燥している感じがするようになってきている。
たまたま今のところ自分の場合は、自動販売機で売っている微糖のレモンティーを飲むと、口中も喉も、すっきりする気がするので、良くそれを買って飲む。
でも、どうせなら、2Lペットボトルとかを買ってきて冷蔵庫に放り込んでおけば、自由に飲めるのでちょっと重いけれどもスーパーで仕入れてくることにした。

放射線治療は通院で行っている方も多いし、そういう意味では他の病気と違って、普通は外出できるし、身体の自由もきくので、その自由を活かさない手はない。

出かける前に、お出かけ先のショッピングモールの情報を見ていると、長崎ちゃんぽんのお店があることがわかって、急にそれが食べたくなったので、晩御飯は、ついでにそれを食べることにした。どっちがついでなのかわからないけれども。
お茶のティーバッグは、昨日の外出で補充してきたので、今日は、お茶代わりに飲めるスープのようなものがあればと思って、食品売り場の棚を、いろいろ物色してみた。
自分の場合は、食べるものがモチベーションにつながるので安直でよろしいけれども、もっと食べるのがつらくなってきたら、なにか別のモチベーションにつながるものを見つけなければならないかもしれない。
そのためには、できるだけ食べ続けることができるように、口腔内やのどの手入れをできるだけしておかないと。

長崎ちゃんぽんのお店は、ネットニュースか何かの記事で、少し方針転換が図られたということを読んだことがあって、それもあって、興味津々だった。
国産の麺の上に、国産の野菜がたっぷり、というメニューの言葉通り、記憶にあるよりもあっさりした味のスープで、なかなかにけっこうな晩御飯だった。

ただ、例によって、胃が拡張した分、胃瘻の部分が引きつれて痛み、妙に前屈みになりながら病室まで退却することになった。

今日の食事(晩御飯は、外出して長崎ちゃんぽんを食べたたため、画像なし)

off

土曜日なので、検査も治療もお休み。

週末は、外出できるようにお願いしてあるので、午後になったら出かけてみることにしよう。
ただ、梅雨明けに伴って気温がすごいことになっているみたいで、今日の予想気温は35度とのこと。
病室にいると、全然意識することはないけれども、せめて3時くらいになって、日が傾き始めてから出かけることにしたい。

胃瘻のところが傷む。昼食後にシャワーを浴びるべく、当ててくれてあったガーゼを外したら、わりと血がにじんだ状態になっていた。
でも、これは、胃瘻のところにガーゼを押し込むようにしてあったので、それで痛かったんだろうか?
お腹が空いて胃が動いたりすると、痛いような気がする。
看護師の方は、今はまだ、糸で結んであるので、一週間くらいして、糸を外せばかなり楽になると思います、とは言ってくれるが。

結局のところ、お医者さんは、確実なセーフティーネットを用意したがるけれども、自分のような患者サイドからすれば、疎にして漏らさず、なものをお願いしたいわけで、そのあたりで需要と供給の齟齬が生じてしまうことになるのだろう。

まあ、実際、今は胃瘻は自分にとっては何の役にも立たないけれども、これから放射線を当て続けたときに、どういう状態になるかはわからなくて、胃瘻を作っておいてよかった、という、つかむための藁に化けるかもしれないので、そこらへんは保険だと割り切るべきなのだろう。
とりあえずは、早く胃瘻の糸が取れることを祈ることにしよう。

やや日が傾き始めた3時過ぎに出かけて行って、ショッピングモールで、日本茶のティーバッグや、コインランドリー用の洗剤を物色した後、晩御飯は、うどんと親子丼のセットを食べた。
念願のナスの浅漬けは思うようなものが見つからなかったので、スーパーのお総菜で、茄子の煮浸しと菠薐草の白和えをさらにお土産に買ってきて、病室で食べた。
揚げ浸しにした茄子と、小口切りにした葱と千切りの生姜の組み合わせは、絶妙。

胃瘻造設に伴って、どちらかというとベッドに寝たきりになっていて、たまっている洗濯物をコインランドリーで処理。
乾燥が30分ではむつかしいかと思ったけれども、意外と乾いていて、パジャマは薄いから大きくても乾くということがわかった。
逆に、厚手のタオルは、小さくても水分量が多いらしく、これを入れるとなかなか乾かないようだ。

今日の食事(晩御飯は、外出して、うどんと親子丼のセットを食べたため、なし)

改めて放射線治療とは

今日は、胃瘻造設から2日目なので、お試しで胃瘻を通して、ゆっくりと栄養を通してみた。
結果は特に問題なく、今後、本当にのどがきつい状態になったら、これを使うことになるかもしれない。
ただ、栄養は相変わらず点滴で取っている状態。

夕方になって、やっと身体を起こして、blogをかけるくらいには回復してきた。
憶えているうちに、できるだけ記録しておかないと、どんどん忘れてしまうので、ノートパソコンを開いてキーボードを打っていると、のぞきにきてくれた腫瘍内科のお医者さんにも、仕事ができるくらいに回復して良かったです、と言ってもらったが、おっしゃるとおりかもしれない。
夜には、点滴も外せる予定で、やはり、チューブレスになれると思うとホッとする。

頭頸科のお医者さんの診察があったが、受付に表示されている待ち時間はすごいことになっていて、割り込むような形で見てもらうのが申し訳ないような感じだった。
病室で今日の担当だった看護師の方に、すごく混んでました、と話すと、あの先生は、いつも一番最初に来て、一番最後に帰られるんですよ、とのことで、使命感の方なんだな-、と感心した。
診察では、まずは、首のまわりを丹念に手でもんでみて、うん、いいね、と言ってくれる。
何がいいのか、よくわからないんだけど、少なくとも、お医者さんの思っている方向性に沿って、自分の身体が推移している、ということなんだろう。
放射線治療の前に撮ったCTにあった腫瘤の感触を確かめているのかもしれない。
こんなふうに、忖度してしまうのは自分の悪いくせだと思うので、次回、診察の時に、もし、いいね、と言われたら、何がいいのか聞いてみることにしよう。

ただ、自分の今の状況を考えると、主治医となっているこのお医者さんだけでなく、それ以外の科で診てもらっているたくさんのお医者さん、看護師の方々、技師の方々、看護助手やそれ以外のもろもろの方々が支えてくれている、という感じがする。
逆に言えば、がん治療のような大がかりな治療は、すでに一人のお医者さんだけでできるようなものではなくなってしまっているのかもしれないな、とも思う。

診察から病室に戻ってきて、しばらくして呼ばれた放射線治療の後は、例によって、首の保湿と、喉のうがいはしたが、これまでよりも、少しだけのどがいがらっぽかったり、これまではあんまり意識しなかった舌のやけどのような感じや、首の皮膚のこわばりなどが、気になるようになった。
明日は土日なので、その二日である程度は回復するんだろうけど、回復した分を、また、来週、悪い方向に積み重ねていく、という感じになるんだろうか。
がん細胞のほうが、正常細胞よりはダメージが大きいので、がん細胞を取り除けることになるらしい。

まだ絶食中に付き、食事画像はなし。

お腹が空いた

胃瘻造設から、2日目まで、絶食で、点滴で栄養が補われるんだけれども、お腹が空くことには変わりなくて、しかも、お腹が空いた、と思うたびに、胃がひきつれるように、きゅー、っと痛くなる。
これまで合計3回の手術の中で、そういう意味では、もっとも精神的にきつかったかもしれない。
なぜか、ナスの浅漬けが食べたくて、そのたびに、胃が、きゅー、っと痛くなった。
できるだけぼーっと寝ているようにしていたが、食べるものの夢をいろいろ見て、そのたびに、胃が痛くて、意識が戻ったりした。
いずれにしても、点滴をされて、ずっとベッドに横になっている状態、というのは、なかなかきびしいものがある。

放射線治療は、身体を倒したり起こしたりが大変だが、放射線技師の方が身体を支えてくれて何とかなった。
ところが、胃瘻がちゃんと入っているかを確認するためのレントゲン撮影のほうが、手すりもなく、係の人も比較的小柄な女性の方だったので、身体を支えてもらいつつ恐縮してしまった。

今日も絶食だったので食事画像はなし。点滴を食事画像としてあげておくべき?

胃瘻造設

今日は胃瘻造設なので、放射線治療が朝一であった。
喉の痛みなどはまだそれほどでもないけれども、放射線を受けると、頭全体がなんとなくだるく重い感じになって、ちょっとふらつくような気がする。
10時には点滴が始まるのでそれまでにシャワーを浴びて準備したが、残念ながら、いつもの通り、点滴がなかなか入らず、今回は4回目でなんとかつながった。
そのせいで、というわけではないんだろうけど、どうせご飯は食べられないので、点滴をしている間、横になってうとうとしたまま過ごす。
ただ、頭が重い感じは相変わらずで、寝過ぎたときのような感覚がずっと続く。
そのままにしていると、夜、本当に眠れなくなりそうな気がするので、よっこらしょ、と身体を起こして、blogの文章をしたためておくことにした。

夕方に行われた胃瘻造設自体は、鎮静剤を使ってもらったので、ほとんど眠っている間に終わったんだけど、終わった後で、看護師の方に、起きられますか?、言われて起き上がったら、かなり痛い。
事前の消化器外科のお医者さんの話しでは、みなさん、引っ張られる感じがするというのはおっしゃるのですが、痛いという方はほとんどいらっしゃらないです、とのことだったが、あれは、落ち着いた後は、という前提条件が付くのだったらしい。
ううむ、ちょっと甘く見過ぎていたかもしれない、いつものことだけど。

さすがに身体に傷をつけるので、痛くないということはなく、鎮静剤が引き続き効いているらしいのと、鎮痛剤を点滴してくれたのとで、なんとか眠り続けて夜が更けていった。

今日は絶食なので食事画像はなし。

オリエンテーション

今日は胃瘻を作るための説明がメインで、あとは、化学療法に関するナースのオリエンテーションと、前回作ったマスクの位置合わせとして描いた身体の目印の線の確認、そして、放射線治療の計画についてのナースからの説明だった。

胃瘻を作るのは、消化器外科のお医者さんとのことで、どういうふうにして作るか、というのと、例によって、それに伴うリスクの説明があった。
胃瘻というと、もう、口から食べることがむつかしくなってしまった方が受けるもの、というイメージがあって、自分もそんなふうになってしまうんだろうか、と思ってしまうんだけど、扁桃腺のあたりに放射線を当てると、飲み込むのがものすごく大変になってしまう人もいるので、その際の栄養補給の手段として、あらかじめ作っておく、ということらしい。
放射線治療が進んで、白血球が減少してしまったりすると、そういう手術自体ができなくなってしまうので、治療の初期の段階で作っておいたほうよい、とのことだった。
胃瘻部分から感染症になるなどのリスクはほぼないらしい。
また、胃瘻が不要になった段階で、器具を使って外してしまえば、一週間ほどで元に戻るとのことだった。

胃瘻を外すときって、何もしないんですか?
てっきり縫い合わせるなどするのかと思っていたけど、どうやら、単に胃瘻を形作っている器具を外してしまうだけらしい。
消化器外科のお医者さんは、一週間くらいでふさがるので、日本中どこでも、胃瘻を外すときに縫ったりしません、と断言していた。
それを聞くまでは、なんとか、口で食べるようにするので、胃瘻は勘弁してもらおうと思っていたけど、そんなに簡単に外せるのなら、もし飲み込むことも困難になって栄養を十分に取ることができなくなってしまうと、放射線や抗がん剤でダメージを受けた組織の回復もかえって時間がかかることになってしまうので、保険として胃瘻を作っておこうと思うようになった。
お医者さんにすれば、胃瘻なんか、あたりまえのことでしかないので、全然問題ないですよ、という感じだけど、自分にとっては、初めての経験なので、逡巡してしまうところはどうしてもある。
ただ、それをお医者さんに言っても、たぶんお医者さんの価値観としては、当然やるべきことの一つでしかないわけで、残念ながら、その逡巡してしまう気持ちに寄り添ってくれたりすることはないような気がする。
自分的には、リスクの説明よりも、戸惑ってしまう気持ちに理解を示すふりだけでもして欲しいんだけど、ただ、現実は、あくまでお医者さんは、病気を治す技術者だということなんだろうな。

そういう多少の違和感を抱きながらだったので、その後に受けた、看護師の方が説明してくれる化学療法のオリエンテーションは、なんとなくホッとさせられるものだった。
入院前に治療時の禁煙とか、入院でいきなり禁酒すると眠れなくなることもあるので、前もって、節酒しておくように、という話もあったが、自分の場合は酒を飲むと言っても、週に一回も飲まない状態なので、さすがにそんな禁断症状のようなものが出ることはないだろう。
実際、腫瘤の除去や扁桃腺の除去で入院したときにも、禁酒によって眠れなかったりすることはなかったし、それらの手術以降は、ほとんど酒を飲んでいないので。

放射線治療のためのマスクとの勘合として身体につけた印のうち、特に、胸につけたものが、4日目頃には思いのほか薄くなっていてちょっと焦ったが、放射線治療のお医者さんによれば、みなさん胸は消えやすいけれども、このくらい残っていれば、まだわかるので大丈夫です、とのことで、もう一度、マジックのようなもので印をなぞってから、さらにコーディング液をスプレーしていた。
この印、意外とシャツなどに色移りしやすくて、色が付くとなかなか取れないので、そのつもりで用意したシャツ(もうそろそろ捨てても構わないようなシャツ)を着ていたほうが良いようだ。

漠然と、治療中は入院できるものと思い込んでいたが、家から病院まで離れているというのもあって、期間中は入院することを前提に治療計画を立ててくれているらしいのが明らかになって、改めてほっとした。