一か月弱ぶりに家に帰って、この時期らしいものを食べてみた。
いわく、鮎の塩焼き、白桃、梨、蔓紫のお浸し、など。
結果、わかったことは、塩味や甘味に関しては、すでにかなり感じなくなっているようで、特に、果物の甘味はほとんど感じることが出来なかった。
梨はそもそも水くさかったようだが、水くさいなりの甘味などはまったく感じず、梨の植物としての青臭さのようなものだけを感じた。
そういえば、先週末に外出した際に、チリ産の緑色のぶどうのパックを買ってきて、3日ほど病室で食べていたが、えぐみのような感覚がすごく強かったのを思い出した。
たぶん、それなりに甘かったんだろうけど、果物の甘味はその頃からほとんど感じることが出来なくなっていたのではないかと思う。
そのため、甘味ではなく、ぶどうのえぐみ(しぶみ)のようなものだけを強く感じたのではないか。
けれども、昨日も思ったが、蔓紫のお浸しなどは、意外なほど味がそのままで、結局、塩味や甘味などの味覚で味わっていたのではなく、蔓紫の独特の香りで味わっていた部分が大きくて、以前と味が変わっていない、ととらえているような気がする。
放射線治療で味覚にダメージを受けるというのは、治療開始前からお医者さんに副作用として知らされていて、実際のところどうなんだろう、とずっと思っていたが、なるほどこういう状態になるのか、と納得した次第。
これからは、さらに、これに喉の痛みが追加されていくので、確かに食事を摂るのはどんどん難しくなるだろうな、と思う。
美味しく食べるのが難しいものを、喉の痛みを我慢して食べるというのは、ある意味、難行苦行の類かもしれない。