最後の診察

今回は、首と胸の造影剤ありのCT撮影の後で診察。

いつもながら、造影剤ありの時にはすごく緊張する。はたして上手く針を刺してくれるんだろうか、と。経験的に、造影剤の時の、たぶん、ナースの方には、やられちゃうことが多い。なので、どうなんだろうと、おそるおそるCTに横になると、なにやら躊躇しているご様子が。例によって、ちょっとチクッとしますよという警告があって、できるだけ不安に思わないようにその痛みを我慢していたのに、え?抜いちゃうんですか?どうやら思ったようには刺さらなかったみたいで、2回目は、それこそ、ぐりぐり探るように針を動かして(としか思えない)、手術や入院も含めて、それこそ何度も針は刺されたけど、こんなに涙が出るほど痛かったのは初めてかも。造影剤が浸透していく独特の感じも、なにやら弱々しい感じで、大丈夫なのかなと思いつつ、とりあえずCT撮影は無事に終わったみたい。

撮影が終わって、今日はかなり長めの待ち時間があって、診察に呼ばれる。

診察では、主治医のお医者さんが研修していると思われる若いお医者さんが、口からスコープを入れて喉を見たり、鼻からスコープを入れて咽頭を見たりしてくれる。のはいいんだけど、スコープにキシロカインゼリーとかを塗り忘れてるもんだからかなり痛い。もう入れちゃってるものは仕方ないので、我慢して咽頭を見てもらう。今回も、扁桃腺の跡もきれいだし、首の触診も問題ないとのこと。

カルテなどを見直した後で、主治医のお医者さんが、もう5年になるので、このまま卒業でいいと思います、とのこと。私もこの11月で終わりなんですよ、とおっしゃったお医者さんのほうが、感慨深げだったりした。セカンドオピニオンから入院、そして、退院後は定期的に通院して、もう5年も経過したのか。

入院していたときから、何の根拠もなく治ると思ってたけど、こうやって生き延びられたのは、自助努力だけじゃなく、いろんな人のおかげもあるな、と思わないではいられなかった。

コロナ下の病院

コロナウィルスとの共存を余儀なくされて、いつもの検診におもむいた病院も、様子が様変わりしている。
曰く、入り口には、病院へは患者以外は立ち入り禁止、付き添いも1人だけ、などなどの掲示。
中に入ると、発熱や外国訪問に関する簡単な問診に加えて、サーモグラフィーでの体温チェック。
そして、3か月ぶりにお目にかかった主治医のお医者さんも、防護服に保護めがねをかけてずいぶん物々し出で立ち。
治療薬やワクチンが開発されるまでは、この用心深さもやむを得ないんだろうとは思うけれども、それを実践されている病院のスタッフやナース、お医者さん方は、大変だろうな、と思ってしまう。もちろん、もし、感染者が出てしまえば、それどころじゃない大変さになるだろうから、当然のことなのかもしれないけど。

診察そのものは、いつもの通りに、喉をのぞきこんだ後で、鼻から突っ込んだスコープで喉の奥を見て、問題がないことを確認して終わり。次回はまた3か月後の9月で、これでもう5年ですね、とお医者さんが少し感慨深そうな声で確認してくれる。さらに、そういえばしばらくCTも撮っていないから次はCTで、ということは、今日、この後で採血していってください、と芋づる式にやるべきことが増えて、もともと今日は何もないはずだったのが採血することになってしまった。

もうお昼に近い時間だったので、採血場もそれほど混み合ってなくて、待たされることもなかった。が、それよりも問題は、どんな人が採血してくれるのか、ということで、順番を待っている間に、なんとなくこの人なら大丈夫そう、と思える人いて、ちょうどその人に採血してもらえることになったので、おお、これは幸先が良いかも、という感じだった。担当の方は、自分の両腕をながめて、採血しにくそうな腕だとは思ったみたいだけど、動じることなく、指先でちょっと突っついてから、大きめの注射器をぶっすりと刺して、一気に血液を吸い上げていった。これなら大丈夫かな、との感触通り、内出血することもなく、採血は無事に終了。天使ナースに匹敵する担当の方で良かった。

内視鏡の結果

いつもは予約時間がかなり近くなってから病院に行くけど、今回は珍しく1時間ほど早めに到着。
のんびりお茶でも飲んでいればいいかな、と思いきや、いきなり、内科の診察室に来い、との呼び出しが。
一連のコロナウイルスの騒動を受けて、病院を受診する人が少なくなっているのか、それとも、この病院の内科のお医者さんはそれほど密な診察スケジュールではないということなのか、まあ、いずれにしても待たなくてすむのは良いことなので、素直に診察室へ。
お医者さんの説明は、開口一番、特に大きな問題はないです、とのことで、はあ、という感じ。
中咽頭に荒れた部分があったのでサンプルを採って生検に出したけれどもこちらも問題はなかった、ということらしい。なんとなく釈然としない気もするけれども、概ねめでたいことのようなので、そのまま納得することにする。
お医者さんに、何か質問があるかと尋ねられたけれども、これだけの情報しかもらわずに質問するのは難しいのでは、と逆質問したい気分を押さえて、アルカイックスマイルを返すにとどめておいた。
内科とは違って、主治医に相当する頭頸科のお医者さんは、今日はかなり診察が混んでいて、こちらはかなりゆっくりお茶が飲めそうだったので、病院内のコーヒーショップで和んでいることにした。が、こちらも、予想に反して、予約時間には診察室に呼ばれることに。
診察室に入ると、頭頸科のお医者さんが様子を尋ねてくれたので、特に問題はないのでまた1年後に再検査してくださいと言われたが、なんだかよくわからなかった旨、愚痴をこぼすと、改めて内視鏡を実施したお医者さんの所見や生検の報告書などに目を通しながら、なかなか丁寧にみてくれていますね、と感心したようにおっしゃっているのでおかしかった。お医者さん曰く、食道にヨード不染帯があるので再検査したほうが良い、ということらしい。ヨード液で茶色くならない部分が不染帯で、粘膜の炎症だったりがん化だったりを示すらしいが、自分の場合は、今すぐどうこうということではないようだ。
ということで、何の問題もありません、ということではないけれども、特に大きな問題はありません、状態。
まあ、自分の場合は、年に1回くらいは検査を受け続けるようにしたほうが良いということらしい。

内視鏡検査

逆流性食道炎的な症状があると告げたら受けることになった内視鏡検査。
9時の予約だったけど、たまにはちょっとがんばって30分ほど前に病院に到着。
以前、入院する前にも受診したのに、すっかり場所を忘れていて、院内案内図で内視鏡受付を探していると、早く内視鏡受付に来いと連絡が。
ちょ、ちょっと早くないですか?
急いで受付に行くと、どうやら予定が空いたみたいで、予定より早く検査できます、とのこと。
はいはい、ということで、改めて問診を受けて、じゃ着替えてください、と渡された検査着も、上半身だけ下着になってその上から羽織れば良いのでかなり簡単。
もちろん、覚醒した状態で内視鏡を突っ込んでもらうほど強くはないので、鎮静剤を使っての検査を希望。
じゃ、こちらへ、と案内された内視鏡検査室で、たぶん喉を麻痺させる薬を飲んだり、どうやら粘膜を除去する薬を飲んだり、その後、口かせのようなものを噛まされつつ、腕には薬剤を注入するための針がぶっすりと。内視鏡を操作されるお医者さん自ら刺してくれるんだけど、ちょっとやばそうな印象が。まあ、内出血はしばらくたてば治るから、仕方ないこととして諦念の境地でベッドに横になると、すぐに意識がなくなる。
診療明細書によれば、使用された薬剤は前回の検査と同じご様子。
気がついたときには、もう検査は終わっていて、口かせも腕の針もテキパキと撤去されていった。
ところが、前回はまったく感じなかった強い吐き気を感じて、ちょっと不安に。さらに、口元に置かれているシートには、どうやら血痕とおぼしき跡があって、これは何か採ったのか?もしかして、やばい箇所があって、内視鏡で採ったんだろうか?いろいろな想像が脳裏を駆け巡る。
例によって内気なので、血痕については聞き出せずにいたけど、診療明細書を見た限りでは、どうやら以前がんが出来ていた咽頭の組織を採ったみたいで、ただちに何かまずいことがあったというわけではなさそう。良かった。
まあ、いずれにしても、1か月後の結果を教えてくれる診察まで待つしかないな。何もないとは思うけど、やっぱり少し不安な1か月になりそう。

改善

今日は、こちらも、定期的にメンテナンスしてもらっている歯医者へ。
家の隣が、幼なじみがやってる歯医者なので、放射線治療をうけてから、ずっと毎月1回、通っている。
放射線照射野内の抜歯は何年経っても避けるべきとのことなので、虫歯や歯周病のリスクをできるだけ下げておくほうが望ましいのかな、と。
状態のよくない歯茎とか、やばそうな歯とか、いろいろありつつも、今のところはなんとか抜歯せずにすんでいる。
今日は、その歯医者さんから、かなり状態がよくなったね、全体的な粘膜の状態が、とのことで、自覚的には相変わらず唾液の分泌はそれほど良くないとは思っていても、以前よりはましになってきているのかもしれない。

予約

定期的に受けている頭頸科のお医者さんの検診。
スコープと触診で、特に問題はなく。
問題はないですか、と尋ねられたので、以前から、脂っこいものや大量の炭水化物などを食べると、胃が痛くなるのはあったんだけど、ここ最近は、気分が悪くなるくらい胃が痛くなったりするので、一度はお医者さんに診てもらった方が良いんじゃないかと思っていると告げると、では内視鏡を、ということになってしまった。
自分的には、紹介状をもらって、地元の病院で診てもらうのでいいかなと思っていたけど、その場で、内科の予約をいれてもらうことに。システム的に、内科の診察を受けてそこで内視鏡の予約を入れてもらうことになるので、とのこと。
なので、通常3か月後になるはずが、今月末にはまた検診を受けることに。
まあ、ありがちな逆流性食道炎だとは思うんだけど、まあでも、診てもらうに超したことはないかな。

レボチロキシン

放射線治療の影響で甲状腺の機能が弱っているため、甲状腺ホルモンの処方を受けているが、薬だけなので、地元の病院で処方してもらっている。
そのため、放射線治療を受けた病院での診察を受けた数日後に、地元の病院に行って、診察結果などをお話ししたうえで、甲状腺ホルモンの薬をもらって帰ることになる。
今日も、先日の血液検査の結果のプリントアウトを持参して、お医者さんに、問題なかったようです、と報告してレボチロキシンの錠剤を処方してもらった。
でも、レボチロキシン、ずいぶん安い。3か月分を処方してもらって、診察も含めて1000円くらい。
ちゃんと運動もして、処方してもらうのはこの薬だけで済むようにしなくては。

Hが増えてる

今回は、半年に一度の血液検査。
まずは、どきどきしながら採血へ。
どっちの腕が良いですか?と尋ねられるので、どっちも難しいらしいです、と説明すると、担当の技師の方はちょっと笑って、とりあえず、右腕で、ということになる。
たしかにねー、と自分の腕を見ながらうなずくも、大丈夫です、私のための血管が出てきてくれますから、と根拠のない自信をみなぎらせながら、でも笑顔で、ぷすっ、と採血してくれた。本心はともかく、見かけだけでも、こんなふうに自信ありげに接してもらうと、こっち側の精神衛生上はよろしいのでありがたい。
ちょっとやばい感覚はあったけど、結局内出血はなくて、実はこの方も天使ナースのカテゴリーだったようで、見かけだけの自信ではなかったのかも。
その後、お決まりの喉を見て、鼻からスコープでのぞいて、の診察。
担当のお医者さんが一線を退かれてからは、おつきの若いお医者さんがスコープを入れるんだけど、ちょっと手間取り気味で、少し痛かったりする。そこは一気に押し込んでしまえば良いのに、とは思うけど、さすがにそんなことは言えないので、痛みに対する反射的な涙があふれてしまうのはどうしようもない。
スコープ的には問題はなく、血液検査的にも、腫瘍マーカーとか、甲状腺ホルモンの値とか、治療の対象だったり、投薬の対象だったりしている数値は問題がないんだけど、検査結果のプリントアウトにはコレステロールとか尿酸値とかのところにHのマークが。
お医者さんは、腫瘍マーカーとかは問題ないですが、このへんがちょっと高いですね、と申し訳なさそうに告げてくれる。
入院していた頃の、やせてはダメ、と言われながら10kgもやせてしまった日々が懐かしい。
やっぱり運動しなければ、と改めて反省した次第。

良かったですね

地元の病院が統合されて少し離れた場所に移転したので、不便になったと言えば不便になったけど、結局は車で通院するので感覚的にはそれほど変わらないかも。
基本的に、甲状腺ホルモンの処方を受けているだけなので、通院してもほとんど診てもらうことはないんだけれども、一応、CTでは異常がなかったことを報告する。
すると、お医者さんが、すごく明るい表情になって、良かったですね、とおっしゃってくれたので、なんだか自分で思っていた以上に良かったことなんだ、という感じで和んでしまった。
これまで、何度か診てもらった時は暗い表情の印象だったので、すごく意外な感じがした。
そういえば、担当のお医者さんが変わってから、CTについて報告するのはこれが初めてかもしれない。
やっぱり、ちょっとした表情で、人の印象は変わってしまうから、自分も、努めて明るい表情で人に接するようにしないといけないな、と反省した次第。
次の診察では、血液検査の結果を報告することになるが、また良かったですね、と言ってもらえるといいけど。

痛いかも

今回は、造影剤ありのCT。

これまでは、呼び出しはないので、時間までCT検査室の前の廊下で大人しく待っていろ、だったのに、今回は、呼び出し器が鳴る。
一瞬自分の呼び出し器が鳴っているとは思わなくて、次に、鳴ってるのはわかったけど、呼び出し器がない。あれ?無意識のうちに、呼び出し器をどこにしまったんだろう?振動と音を頼りにカバンを探ってみるけど、出張用のカバンなので、やたら収納場所がたくさんあって、あちこち探してやっと見つける。
薄々気づいてはいるけれども、やっぱり、ガンの再発よりも、物忘れ状態のほうがより差し迫った脅威なのかもしれない。

前回、更衣室で靴もスリッパに履き替えろというのを見落として、えらく手間取ってしまったので、今回はちゃんと更衣室のスリッパに履き替える。
CT検査室に入って、横になると、造影剤注入のための針を腕に。
もちろん、いつもと同じようにできるだけポーカーフェースで、でも、気持ちは担当の方が天使ナースであることをひたすら祈ってるんだけど、今回のこの感触は、ちょっとやばいかも。もちろん、ナースの方は、しびれる感覚などはないかを尋ねてくれるので、だいじょうぶです、とは言ったものの、しびれはなくてもちょっと痛いかも。
まあ、でも、いつものように全身が頭のほうから胴体・足先まで熱くなっていく感覚はあって、造影剤はちゃんと注入できているご様子。
今回は、原発巣と転移したガンがあった頭頸部と、もし転移するとしたらその可能性が一番高い肺の撮影があるので、まずは首の辺りの撮影。そして、次は両手を上に上げてくださいね、と言われて肺の撮影。
撮影自体はほとんど一瞬なので、すぐに腕の針も抜いてもらえたけど、すでに内出血が始まっている感じ。
まあ、いずれ消えるのでいいんだけれども、今日の担当の方は天使ナースではなかったみたい。

検査着を脱いで検査室から出ると、ほどなく診察室に呼ばれて、お医者さんいわく、CTの画像はガン的には問題ないけど脂肪肝ですね、と。そういう状態であることは十分自覚しているので、うなだれて拝聴する以外にどう対処すれば良いのかわかりません。例によって、スコープや触診も問題なく、順調です、とのことだった。

検診を受けるときはいつも、何もないとは思っているけど、やっぱり問題はないです、と言われるとほっとする。