会話

以前から毎月末の日曜日にボランティア的な活動に参加していて、入院のためしばらく欠席だったけど、今月はひさびさにその活動に参加することが出来た。
喉の乾燥を少しでも防ぐためにマスクをして、かつ、飲料用の水のボトルを片手に参加したが、会話をすると思った以上に口が乾燥することがわかる。
ほんの数分、会話をしただけで唾液が粘く感じて、マスクを外して水を飲まないと会話が続けられない。
放射線科のお医者さんのシミュレーションに依れば、今は、以前の30%ぐらいの唾液量になっているとのことだけれども、以前はどれだけ唾液が出ていたんだろう、という感じ。
2年ぐらいで70%ぐらいまでは回復するだろう、とのことだったけれど、70%では、かなり寡黙な自分を保つ必要があるのかもしれない。

味覚については、塩味に続いて、酸味も、少し感じるようになってきたのかもしれない、という気がする。
こればっかりは、あまりちゃんと測定する方法がないので、どの程度回復しているのかよくわからないが。

日中、立ったまま活動していたせいか、夜にはなんとなくポテトチップスを食べたくなって、袋を破ってバリバリ食べていたら、妻に、そんなものを食べて大丈夫なのか、と驚かれてしまった。
もちろんそのまま食べても大丈夫なわけではないので、片手には水が入ったコップを握りしめていたんだけれども。
うまみや塩味は、なんとなく感じることが出来るようになってきたかもしれない、とはいうものの、こういう吸水性のある食品に対しては、圧倒的に唾液量が少ないので、一口食べては水を飲む、という動作が欠かせない。

水の味

最近、ようやく、水を飲んでも塩辛く感じる状態は改善されてきたように思える。
(気のせいかもしれないけれども。)
それに伴って、家族と同じ食事を、水やお茶を頼りに、なんとか食べられるようになってきて、ずいぶんと食生活が楽になった感じがする。
もちろん、味はないので、美味しくいただけるわけではないが、喉の痛みや舌に出来た口内炎の痛みを我慢しつつ、すべてのものが塩辛い状態で食べるよりは、はるかにましだと思う。
まだまだ回復には時間がかかりそうだが、それでも、少しはましになっている、と実感できるだけありがたいとは思う。

退院の報告

放射線治療をした病院の腫瘍内科のお医者さんに紹介状を書いてもらっていたので、それを持って、首の腫瘤摘出や扁桃腺の手術を受けた病院のお医者さんに退院の報告。

治療内容や検査値の推移などはすべてその紹介状に書かれているので、それなりに状況を把握してもらったご様子。

放射線治療による皮膚の日焼けのような症状も診てくれて、これを貼っておきましょうか、とフィルムのような物を貼り付けてくれた。自然にはがれるまでそのままにしておけばよい、とのことで、結局、数週間、皮膚に貼ったままになっていた。たぶん、このフィルムのおかげで、痛がゆい状態も軽減されて、治るまでの期間も短縮されたのではないかと思う。

実は、このお医者さんは、漢方薬に傾倒しているらしく、自分にも口内炎に良く効く漢方薬を紹介してくれようとしたんだけど、自分が、もしかして半夏なんとか湯っていう漢方薬(半夏寫心湯)なら友達に紹介してもらって試してるんですけど、と言うと、ちょっとがっかりしたふうで、その漢方薬が口内炎には一番良く効くといわれているので試してみてください、とのことだった。

退院時のことがあるので、ちょっと心配で、今日は病院まで娘に付き添ってもらった。
もちろん無事だったが、体調的にも、退院直後に比べれば少しはましになってきている感じがする。

放射線治療の予後

病棟の看護師の方の話を総合すると、放射線照射による皮膚の火傷のような症状は、だいたい治療終了後10日ぐらいがピークで、喉の炎症は、その後に徐々に治っていくことが多い、ということだったので、今の自分は、きっと最悪の状態にあるに違いない。

鎖骨から首にかけては、毎日ステロイド剤と保湿ローションを塗っているが、痛がゆい状態は緩和されて、ちくちく痛い状態になってきて、かつ、全体に、かなり濃く着色してきた。
まあ、良く言えば、日焼けが落ち着いてきた状態に近づいているような気もする。
ただ、これから、どういう経過をたどるのか見当も付かなくて、派手に皮がむけてしまったりしないことを祈るしかない。
ちょうど、丸首もU首も、襟ぐりの当たるところが患部になっているので、服を着るのがやっかい。

喉は、相変わらずうがいをして、できるだけマスクをして過ごすようにしているが、なかなか回復の兆しは感じられない。
まあ、でも、治るときが来ないと治らないんだろうから、そこらへんは、達観するようにしないといけなんだろうな。

自宅療養開始

首の部分の痛がゆさは相変わらずで、保湿ローションとともに、病院でつけていたステロイド剤をつける。

喉の痛みも、すぐに良くなる傾向にはなく、今時点では、いったいいつになったら良くなるんだろう、という思いで、食事の苦行を続けている感じ。

輸液最終日

さすがに昨日よりは動く気力があるので、朝食は7割くらい食べた。
ちょっと溜まっている洗濯物もコインランドリーに放り込んできた。

採血があって、その結果に大きな問題がなければ、予定通り土曜日には退院できるだろう。
頭頸科のお医者さんは、そのまま経過を見るので良いだろう、とのことだけど、放射線科のお医者さんは、残っていた腫瘤が完全にはなくなっていない懸念があるので、しばらく経過を見た後でCTの画像で判断したい、という考えのようだ。
いずれにしても、放射線治療はもう終わったので、これ以上、喉も舌も皮膚の火傷も悪化することはないということだけはめでたい。
(治療終了後に、さらに副作用が出る場合もあるようだが、そこまで心配しても仕方ないし。)

今日は、シスプラチンを流してしまうための輸液の点滴が一日中続く。
留置されている点滴の針はまだ良好みたいなので、刺し直さなくても大丈夫そうなのがうれしい。

午前中に、腫瘍内科のお医者さんが来てくれて、今朝の血液検査の結果のプリントアウトをを示しながら、全体としては問題ないと説明してくれる。
体制やお医者さんに依るんだろうけど、こんなふうに検査結果などの資料をすべてデータとして示してくれるほうが、自分にとってはより納得できるような気がする。

今日の食事

水分補給

今さらだけれども、唾液が十分出ていないせいで、すぐに口の中がねっとりしてしまう。
そのため、ほとんど絶えず何か水分を口に含んでいるような状態だが、歯医者さんから勧められたように、スポーツドリンクは止めて、水を使うようにしている。
スポーツ飲料のほうがナトリウムやカリウムが含まれているので望ましいんだろうが、少なくともナトリウムは、ご飯を食べるときの香り付けに使っているふりかけにけっこう含まれていると思われるので、まあいいか、という感じ。

放射線治療も、やっとあと2回、ということになり、正直ほっとしている。
明日の抗がん剤の点滴も含めて、なんとか無事に治療のスケジュールが終わることを心待ちにしている。

今日の食事

最後の中休み

今日と明日は、治療はお休み。

土日は、これ以上身体が痛めつけられることはない、と思うと、本当にほっとする。
月曜日にはシスプラチンの点滴という大物が残っているけれども、放射線治療はあと2回なので、これならなんとか乗り切ることが出来るかもしれない。
この分なら、胃瘻を使わずに経口栄養だけで退院することも出来そうだ。
保険のためとはいえ、胃瘻にはいろいろやられっぱなしで、最近も妙にちくちく痛んだりと、本当に胃瘻とは相性が悪い。

腫瘍内科のお医者さんは、基本的に体調が問題なければ、週末に外出許可を出してくれるので、今日も、ある程度気晴らしのために外出してみた。
味覚障害のために、外出先で食べられそうな気のするものがないので、食事は病院で食べることにして、かつ、食べるものも買い込めないので、自分的にはかなりつまらないけれども、病院内でずっといるよりは運動になるのできっと体調にもよいに違いない。

今日の食事

あと少し、のはず

月曜日の3回目の抗がん剤治療にむけての採血、胸部・腹部のレントゲンと心電図検査。
前回の抗がん剤治療で、まったく食欲がない状態になって、それが味覚障害の悪化と重なってけっこうつらい状態だったので、次回の抗がん剤治療が怖くなっているのだが、それを知っている腫瘍内科のお医者さんが、残念なお知らせですが血液検査の結果もレントゲンも心電図も問題ない状態ですので、月曜日には予定通り抗がん剤を、と告げてくれたのだが、心なしかうれしそうに見えたのは見間違いだろうか?

放射線治療で首の皮膚が日焼けしたような状態になるので保湿が必要というのは言われていたので、保湿化粧水を丹念に塗っていたが、ちょっと盲点があって、首はよく塗っていたが、鎖骨の真上から首にかけてはあまり塗っていなかった気がする。
ちょうどそのあたりが痛がゆい状態になってきて、少し焦げ色も付いているように見える。
腫瘍内科のお医者さんに相談すると、ステロイド剤を処方しておくので薄く塗っておくように、とのことだった。
扁桃腺に近い首のあたりは意識していたけれども、そういえば確かに、鎖骨の上から耳の下まで放射線を当てます、と放射線科のお医者さんはおっしゃっていた気がする。

今日の放射線治療を受けた後で、口の中の乾燥はよりひどくなったような気がする。
マスクをしていなかったせいもあるかもしれないが、夜、寝ている間、何度か目が覚めて、その都度、アルカリイオン水で口をうがいして、そのまま飲み込んだ。
そうしないと、唇と歯ぐきが粘り着いていて、さらに口の中も舌と上あごが粘り着いているような感じで、呼吸は鼻からできるから良いものの、このまま口が開かなくなってしまいそうだった。

今日の食事

苦行

3度の食事という名の苦行をこなし、放射線治療で傷んだ身体を、なんとか補修すべく保湿ローションとうがいをする、という日程をこなしている感じ。
それにしても、食いしん坊の自分に食事が苦行に感じる日々が訪れるなんて。

今日を含めて4回なんだけれども、それがすごく長く感じる。

今日の食事