うるうる

放射線治療で入院する前から、近所の歯医者さんには知覚過敏の治療などで、ほぼ月に1回は通っていたが、退院後も、知覚過敏も含めていろいろなケアのために、月に1回のペースで通っている。
今日も、その一環で歯医者さんを訪問。
歯を削ったりして治療しなければならないようなところはないので、ほとんどが歯科衛生士の方が面倒を見てくれる。
歯の磨き具合などを点検して、汚れているようなら機械で掃除。その後、知覚過敏になっている歯に薬剤を塗布してくれる。
前に、入院していた病院に付属している歯科からの紹介状を渡したので、状況もわかってくれていて、いつも見てくれる歯科衛生士の方も、わざわざ勉強してくれたらしく、こういうケアがいいと思いますよ、というアドバイスもしてくれたりする。
扁桃腺がんと診断されて以来、表面的にはともかく、やっぱり、内面的には、いろいろ複雑な思いになることも多いけれども、こういうふうに、気にしてもらっているだな、と思えることは自分にとって、なによりのケアになるような気がする。
その歯科衛生士の方が、文字通り開口一番、今日はなんだかうるおっているような気がしますが、とのこと。
確かに、以前に比べれば、唾液は出るようになってきていて、そのおかげで、味覚の回復だったり、朝起きたときの喉の渇き具合もましになったり、お茶なしでも普通のご飯が飲み込めたり、というようなことにつながって切ると思う。
そのように言うと、そうですよね、確かにうるうるしてます、とうれしそうに言ってもらった。
先月は、口の中が乾燥しているので保湿液を塗ってから歯のお掃除しますね、と言われていたが、今日は、そのまま歯の掃除に突入したのも、見るからにうるうるしていたからなのだろう。
舌にできていた口内炎のようなものも、ほとんど気にならなくなったのは、歯医者さんいわく、たぶんうるうるしてきたから治ってきたのかもしれない、とのこと。歯医者さんの見解に依れば、口腔内の乾燥がひどいと、普通なら問題のないような歯のひっかかりで口内炎になってしまうということなのかも、とのことだった。
いまいち甘味が感じられない局面があったりして、なかなか良くならない、と思ったりもするけど、月単位で考えれば、確実に良くなっているし、こんなにいろんな人に気にかけてもらっているんだから、最近サボり気味のうがいもちゃんとやって、もっと早く良くなるように自助努力もしなくては、という気にさせられた。

月次通院

今月は、頭頸科の診察のみ。
中耳炎にかかって、地元の病院で投薬されたことを報告した後、いつものようにスコープで扁桃腺の跡と鼻から咽頭の様子を見て、特に問題ありませんね、とのこと。

唾液は明らかに、退院当時と比べればたくさん出るようにはなってきた。また、味覚も、特に、甘味もかなりしっかりしてきた気はするが、ただ、元と同じ状態にもどったのかというと、心もとない気もする。
このあたり、回復に努めるべきだとは思うけど、だからといって、完全に復旧しないことを嘆いてみても仕方ないとは思っているので、まあ、こんなものなのかな。
いつも、通院するときに、定点観測的に飲んでみるりんごジュースも、一口目は甘くは感じるようになったけれども、まだまだ、二口目や三口目は甘さを感じなくなってしまいがち。水で口をゆすいだり、しばらく時間をおいたりすると、また甘さは復活するように思うので、唾液の分泌が少ないという要因もからんでいるのかもしれない。

ともかく、頭頸科のお医者さん的には順調に推移しているとのことなので、それが何より。

中耳炎その後

しばらくの間、耳が痛かったり、聞こえ方が不自然だったりしたけど、なんとかほとんど元通りに。
今日は、その中耳炎の再診で、もう一度地元の病院を受診。
耳の穴をのぞいてから、治ってますね、とのことで、他覚症状もなくなっているようだ。何かにつけて、用心深いお医者さんだが、今の薬を飲みきったら終わりにしましょうか、とおっしゃっているので、さすがに問題はないのだろう。
治ったのは良いとして、とにかく風邪を引かないように、より注意深くしないと、と反省する。

中耳炎

一日ごとに暖かかったり寒かったり、ヘタすれば、1日のうちでも暖かかったり寒かったりしたので、ついに風邪を引いてしまった。
喉が痛くなって、典型的な風邪の症状だったが、わりとすぐに喉の痛みは引いて、その代わりに粘い感じの鼻水が出て、気持ち悪いのでひんぱんに鼻をかんでいたら、今度は、右耳が痛くなってしまうという事態に。
ちょうど、地元の病院に予約が入っていたので、出かけていって診てもらうと、案の定、中耳炎、とのこと。
どんな薬を処方してくれるのかある意味興味津々だったが、ジェニナックを5日分と引き続いてクラリシッドを16日分。中耳炎って、治癒にそんなに時間のかかるものだとは認識していなかった。
子供の頃はいざ知らず、大人になってから中耳炎になった憶えはないんだけれども(単に憶えていないだけかもしれないが)、扁桃腺を取ったりしたので、耳鼻科領域にはいろいろ影響があったということなんだろうか。
最近、何かと不規則な生活になりがちだけれども、やっぱり、規則正しい、それこそ、入院時のような9時には寝て6時には起きる、というような生活を心がけるべきなのかもしれない。まあ、でも、そこまでは無理かな。

CT検査

たぶん、3カ月ごとにCT検査をしているみたいなので、今日は朝一でCT検査。
造影剤を入れるために、左腕に針をさすものの、一回目はどうもうまくいかなかったみたいで、看護師の方が、すみません、入れ直させてください、とのこと。個人的には、入院時の何度かの刺し直しの経験から、そんなところに刺しても静脈を捕まえるのはむつかしいのでは?と思ってしまうんだけど、さすがにそんなことは言えないので黙っていた。
入院時の看護師の方が、失敗すると患者さんの身体も緊張するのでよけいに血管を探りにくくなってしまう、とおっしゃっていたが、その言葉通り、二回目もどうやら失敗だったご様子。でも、看護師の方がなんとかしようと、針を移動して血管を探っているらしく、かなり痛い。もう子供じゃないので、多少痛くても我慢しなくては、といつも思ってるんだけど、さすがに今日は痛くて、かなり顔をしかめてしまう。
結局、別の方が右腕の、一番刺しやすい肘関節の内側の血管に刺して検査開始。ごく短時間の検査だし、最初から一番刺しやすいこの血管を使ってくれてれば良かったのに、と思ったけど、やっぱりそんなことは言えないので黙っていた。

検査が終わって、左腕にアルコール綿が二カ所、右腕にアルコール綿が一カ所、絆創膏で貼り付けられていたが、検査室を出て更衣室で衣服を整え終わる頃にはもう大丈夫そうだったので、三カ所とも外してしまった。

その後、しばらく待って、頭頸科の診察。
撮影したばかりのCT画像を見ながら、特にリンパの異常な腫れもないので、とのこと。当然、とは思っているものの、やっぱりちょっとほっとする。
引き続いて、いつも通り、スコープで咽頭と喉をのぞいて、ここの腫れがひいてきてますね、とのこと。そう言われてもいったいどのあたりのことなのかあんまりよくわからなかったんだけど、ちゃんとどこのことですか?と尋ねれば良かった。最近、いくぶん、ものが飲み込みやすくなっているように感じるのはそのせいなのかもしれない。唾液が多少は出るようになっているのも、飲み込みやすさに貢献しているんだろうけど。

放射線科のお医者さんは、今回はパスだったはずなのに、なぜか診察の予約が入っていて、その旨を申し上げると、そういえばそうでしたね、とのこと。まあ、診察と言っても、状況のヒアリングだけで自分もお気楽なので、全然苦にはならないんだけど。
でも、自分の頭頸科の予約が入っているのを見て、診察の予約を入れてくれたということは、それはそれですごいことのような気がする。自分から言わないとだめだろうな、と思っていたけど、あながちそうでもないようだ。本当にお医者さんも大変だな、と思う。
じゃ、次回はパスしておきますね、とのことだったので、1ヶ月後の診察は、頭頸科のみということになりそうだ。

帰宅して風呂に入るときに見てみると、左腕の二回の刺し跡は、かなり派手に内出血していて、こんなひどい状態になったのは、これまでで初めてのことかもしれない。ちょっとひどい言い方かもしれないけど、ここまでいくとほとんど医療ミスだよな、と思わないでもなかったが、まあ、検査の結果は特に問題なかったので、それでよしとするべきなんだろう。

月次お伺い

今日は、月次の通院。

入院時に同室だった方が、病院でPETの検査を受けるということなので、久しぶりにお目にかかって短時間だけどお話しした。やっぱりそうですよね、というようなことも多くて、やはり似たような治療を受けた方とお話しすると、参考になったり、気持ち的に楽になったりすることが多い。

いつもは、頭頸科の診察の後、放射線科のお医者さんに呼ばれるんだけれども、今日は順序が逆で、放射線科のお医者さんの診察が先になっていた。
味覚に関して質問されたので、のどの奥で感じる甘味が少し弱いような気もするけれども、ほとんど問題ない状態まで回復していることをお話しした。
その後、のどをのぞいて見てから、のどの粘膜もピンク色で経過は順調、特に問題はない、とのことだった。
気になったので、先月の腫瘍マーカーの検査結果がどうだったのか尋ねたところ、特に問題のない数値だった、腫瘍マーカーは転移などがあるときに上がることがある、とのことだった。
そして、次回の診察は、たぶん、1カ月ではほとんど変化はないので、来月はスキップして、再来月にまたお目にかかりましょう、ということになり、放射線科のお医者さんの診察は終わり。

再び待合室で待っていると、今度は、頭頸科の診察に呼ばれて、いつもの通り、口からと鼻からのスコープで、のどの状態を観察。さらに、首を触ってみて、しこりなどがないか確認。
こちらも、経過としては問題がない状態らしく、ではまた来月にCTを、ということになる。
腫瘍マーカーの結果は、先ほど放射線科のお医者さんにうかがったけれども、地元の病院のお医者さんがその結果に興味があるようだったので、プリントアウトが欲しいとお願いすると、結果の一覧を印刷してくれながら、特に問題がなかったと説明してくれた。
以前、首の腫瘤の摘出手術を受けた時にも腫瘍マーカーの検査を行って、その時も問題のない数値だったが、どう考えれば良いのか尋ねてみたところ、腫瘍マーカーそのものは鈍いものなので、そういうこともあるし、数値が高くても、必ずしもそれでガンがあるとも言い切れない、とのこと。なるほど。まあ、問題なかったのならそれで良しとするべき何だろうな。

ということで、来月は再び造影剤を使ってのCT検査。

うがい薬

相変わらずのどが腫れているような感覚はあって、注意して飲み込まないとむせたり、逆に、水分が少ないと飲み込みきれなかったりする状態が続いている。
考えてみると、退院直後はそんなこともなかったような気がするので、ひょっとしたら、最近、うがいを怠っているからなんだろうか、とも思ってみる。
まあ、実際にはそんなことはなくて、放射線治療の後遺症がゆっくり現れているんだろうと思うけど、もしかしたらそうなのかもしれないので、以前、近くの病院でもらっていた半夏寫心湯をまた処方してもらいに行くことにした。
本来は、1カ月に1回くらいは来てくださいね、と若いお医者さんに言われていたんだけど、2カ月ほど前の予約をすっぽかしてしまったので、それからしばらくご無沙汰していた。
薬の処方は、この近くの病院でしてもらうように紹介状を書いてもらっているので、毎月見てもらっている病院では退院してからは薬を処方してもらっていない。
従って、うがい薬としての半夏寫心湯もそれから切らしていたことになる。

電話をかけて耳鼻科の予約を取って出かけてみると、いつも通り、お医者さんが、のどをのぞいて見て、さらに、スコープを鼻から通して咽頭をのぞいて見て、喉頭蓋が腫れてて唾液も粘ってますねー、とのこと。
そうですかー、とお応えしたけれども、つい二日前に、まったく同じことを言われているので、いまいち感動にかけるのはやむを得ないのかもしれない。
受診した主たる目的の半夏寫心湯を処方してもらえるようにお願いして、今度は来月の予約もお願いしておいた。
ちょっと重複してるかな、と思わないでもないけど、扁桃腺などの手術を受けたのはこの病院なのでそれはそれで意味があることのような気もする。
まあ、そのあたりはともかく、せっかくまた半夏寫心湯を処方してもらったので、まめにうがいをしてみよう。

腫瘍マーカー

月例の診察。
先月は、放射線科のお医者さんは不在の日だったので頭頸科の診察だけだったけど、もしかして今日は放射線科の診察も予約が入っていたりするんだろうか?と思っていたが、さすがにそんなことはなくて、今日も頭頸科の診察だけだった。
いつも通り、問診に引き続いて、スコープでのどと咽頭の様子を見て、のどのリンパを触診して、唾液はかなり粘ってるみたいですけどそれ以外は問題なさそうですね、とのことだった。
実は、今日は、診察時間が予約時間からは大幅に遅れて、ほぼ2時間ほど待っていたんだけど、たぶん問題ないということになるよな、と思っていたので、診察の開始が遅れても気が楽、というか、お忙しい先生だから仕方ないよな、と携帯でネットニュースなどを拾い読みしながら待っていた。
いつもこんなに遅くなるわけではないけど、最初にセカンドオピニオンをお願いしたときも同じくらい待たされたことがあって、その時は、もっとじりじりした思いで待っていたような気がする。
状況によって、こんなに変わるなんて、自分も身勝手だな、という気がして、思わず苦笑してしまった。
ところで、以前の放射線科のお医者さんの話では、頭頸科の予約が入ったら、それを見て予約を入れておきますから、とのことだったけど、まあ、いくらなんでもそんなヒマなことはできない相談だったようだ。
ということで、診察が終わって来月の予約ということになったときに、来月は放射線科のお医者さんの予約も入れてもらえるようにお願いしてみた。
外来の看護師の方が、ちょっと難しそうな顔をしていたけど、いろんなところに電話をかけて、ちゃんと来月の診察予約は取ってくれた。これまで知らなかったけど、どうやら水曜日というのは放射線科のお医者さんは外来診察の日ではないみたいで、電話をかけている看護師の方の口ぶりでは、外来診察の日ではないけどいいですよ、という感じで放射線科のお医者さんが返事をしてくれているようだった。
先月の頭頸科のお医者さんの口ぶりでは、来月にCTを撮りましょうか、ということだったけど、もう1ヶ月開けて、3月の診察の時にCTも、ということになった。
その時に、3月だと退院してから6カ月になるので、という話になって、じゃあ、今日、採血していってください、との話があった。
6カ月と採血がどう結びつくのかわからないけれども、お医者さんの口から、腫瘍マーカーも検査しておきます、との言葉があった。実は、この病院に入院してから、腫瘍マーカーという言葉を聞いたのはこれが初めてで、意外だったので、お、と思った。
今日の診療明細書を見ると、SEAとSCCの検査が行われるようだ。結果については、来月、教えてくれるらしいので、腫瘍マーカーをどのように考えられているのか尋ねてみよう。

角を丸める

頭頸科のお医者さんに、舌の側面の口内炎は、歯医者さんで相談するように言われたので、さっそく予約した近所の歯医者さん。
状況を説明すると、奥歯の冠を触ってみて、あー、なるほど、これはちょっととがってるかな、この間はこれには気づかなかったな、とのことで、さっそく、エアタービンで削って研磨してくれた。
舌で触ってみると、明らかにこれまでとは違う感触。
これならば大丈夫だろう。
お正月までには舌の口内炎が治るかもしれない。

ただ、気になったのは、久しぶりにエアタービンで削られたけど、タービンが回っているときの独特の甲高い音がほとんど聞こえない。
歯石や歯垢を掃除するときの超音波スケーリングの音もほとんど聞こえなくなっていたし、放射線治療を受けてから、耳鳴りが少しひどくなったような気がするのは、気のせいではなかったのかもしれない。
放射線治療のせいではなくて、単に加齢のせいかもしれないけど、ちょっとため息をつきながら歯医者さんを後にした。

飲み込みにくい感じ

今日は、月例の診察。

どうですか、と頭頸科のお医者さんに尋ねられたので、ここしばらく気になっている、のどの奥のはれぼったさと、舌の側面にできた口内炎について、お話しする。

お医者さんは、舌の口内炎については、少し心配そうな表情を見せながら、口の中をのぞいて見て、これはたぶん虫歯を補填した冠が当たっているのだろう、とのこと。
特に悪いものではないので、歯医者さんに行って相談するように、と言われる。
そう言われれば、先々月、歯医者さんでかみ合わせの補正をしてもらったときに、左側の歯を少しだけ削ってくれたけど、それ以来、舌に口内炎ができているような気もする。

次に、いつものように、のどをスコープで見て、ここが腫れてますよね、放射線の影響です、とのこと。
スコープで取った画像をプリントアウトしてくれたので、後で見直してみると、確かに、喉頭蓋と呼ばれている部分が腫れている。
このせいで、のどが腫れた感じだったり、飲み込みにくかったりするんだろう。
放射線治療が終わって退院してから、2カ月くらいたってからのどが腫れたような感じが強まって、3カ月たった今も、同じくらい腫れているような感じがする。
放射線の影響なら、徐々に収まっていくんだろうけど、まだしばらくは、食事の時などに気をつけていなければならないようだ。

舌の口内炎については、さっそく歯医者さんに電話して、月曜日に見てもらうことになった。

甘味を感じなくなってから、診察のタイミングで、診察とは関係なく、定点観測的にりんごジュースを飲んでいるが、今回は甘味も含めてほぼりんごジュースの味がするようになっていた。
放射線治療が終わってから、約4カ月。
味覚がなくなるくらいダメージが大きい治療だけれども、それでもなんとか回復するというのは、やっぱり人間の身体って、よくできているんだな、と思わせられる。
でも、よくできていても、その仕組みをすり抜けてがんが大きくなってしまう場合もあるわけで、それも含めて人間の身体はよくできていると考えるべきなんだろうか。