いつ退院?

一般的な扁桃腺の除去の手術を受けた場合、退院は、手術後5日目くらいのようだが、自分の場合は、左の扁桃腺の内部ががん化していたため、一般的な手術よりも広い範囲組織を掻き取っているから少し長めに入院したほうが良い、と、大事を取って丸一週間(手術日からちょうど一週間)の入院を勧められる。
がん細胞は組織としてもろいので、傷跡が崩れやすい可能性があり、もしそうなると出血してしまうが、そうなった場合でも、入院もしていれば対処しやすいので、とのこと。
まだかなり喉の痛みが残っていて、確かに不安もあるので、おとなしくそれに従うことにした。

今日の食事

医事連携

昨日は22時に就寝、2時に目が覚めて手元にあるポンタールを10cc飲み、アズノールでうがい。
その後、5時40分まで寝て起床後、またアズノールでうがい。
喉の痛みが少なくなっているのかどうか、あまり実感できないので、不安だったり焦ったりする気持ちもあるが、まあいつかは治るよな、といういつものいい加減さで気持ちをとりまとめてしまう。
たぶん、平均して比較すれば、手術後に比べれば痛みは軽減されていると思うが、寝ているときに口の中が乾燥したりするとつばを飲み込むときに痛い。
すると、その痛みのピーク値が今の状態の平均値のように思えて、あんまり痛みが軽減されていない、というふうに感じてしまうことになるんだろう。

朝ご飯は、五分がゆにナスと麩の味噌汁。
久しぶりに温かいものを食べるので単純にうれしい。
40分ほど前にポンタールを服用したので、食べている途中は比較的痛みを感じないが、飲み込むときよりもかみながら舌を動かしているときのほうが痛い。
ただ、食べ終わった後は、喉が全体に重く痛い感じ。
つばを飲み込むと痛い。

午前中に個室を空けて欲しいと言われたので、6人部屋に移動。
手術直後は何かと個室のほうが気が楽だが、手術から4日経つと、まだ喉に痛みは残るものの、基本的に安静にしているだけなので、個室でなくても十分暮らしていける感じ。
周囲の生活音が気になるときは、イヤホンで音楽を聴いているという手があるので、これでかなり共同生活の不愉快さも軽減される感じ。
また、夜は、耳栓を使えば、ナースコールや医療器具の警告音などを免れて、熟睡できる感じがする。

昼ご飯は鶏肉、晩御飯は鰆、だった。
限られた低めの予算の中で、管理栄養士の方はいろいろ工夫されているな、と感心することが多いが、自分が嫌いなものはないからそう言えるのかもしれない。
出される食事は、残さず食べられることを前提に献立が作られていると思うので、もし、ニンジンが食べられない、とか、魚が食べられない、というような人だと、せっかくの食事も食べることができなくて、回復にも支障が出かねないだろう。
病院に入院しないような生活を送る、というのが一番大切なんだろうけど、もし、病院に入院してもできるだけ早く回復するために、何でも好き嫌いなく食べられるような食生活を身につけておく、というのが、意外と大切なことに違いない、と、入院してみて痛感した。

セカンドオピニオンを受けた病院に紹介してもらうことになっているのだが、病院間連携で予約を取った方が、ベッドを空けてもらうとしても優先してもらえると思うので、とのことで、病理検査の結果が出次第、入院中の病院から、転院予定先の病院に連絡を取ってもらうことになった。
そういうシステムもあるんだ、と感心したけど、逆に自分の意思の及ばないところで情報がやりとりされるのも、ちょっと違和感を感じないでもない。それに、優先してもらえるとしても、治療方針が決まっているわけではないので、すぐに入院ということではなく、一度、外来で診察(+先方が必要と思う検査)をして、その結果を受けて、と言うことになると思うんだけど。
ま、でも、せっかくそう言ってもらっているのでお任せしておくことにする。

食事前に鎮痛剤として飲むポンタール

今日の食事

鎮痛剤

昨日は22時に就寝。
3時に目が覚めて、ナースステーションにポンタールをもらいに行って10cc飲み、思いついてアズノールでうがい。
うがいすると、より楽になる感じがする。
その後、6時まで眠って起床後、またアズノールでうがい。
手術の際にいろいろな器具(たとえば実物は見たことがないけど開口器とか)で傷ついたのか、唇や舌も口内炎のような状態になっている部分があるので、アズノールでうがいするときに、そのあたりにもアズノールが当たるように、のどでのうがいだけでなく口先でもくちゅくちゅしてから吐き出すようにしてみる。
アズノールは口内炎にも効くらしいので、少しでも早く治るのではないか、という思いから。
気は心と言うから、きっと早く治るはず。

診察で、できるだけ早く、セカンドオピニオンを受けた病院に紹介してもらって、初診を受けたい旨を話すと、医事連携を使って先方の病院に予約を入れるので、自分では何もしなくて良い、と言われた。
そこまでやってもらえるんだ、という感じで、ちょっとありがたかった。

今朝のご飯も子供用のおやつのような感じ。
昨日の晩御飯がそうめんだったので、今朝はもしかしたらもう少し固形物があるかも、と期待していたので、ちょっとがっかり。
お昼ご飯は冷やしうどん。
ポンタールが食事中に届き、そう言えば飲んでなかったな、と思ったけど、すでに大半を食べ終わっていた。
確かに飲み込むときは痛かったけど、結局、自分の場合は、食欲のほうが痛みを上回っている、ということなんだな、と納得。
昼ご飯の時にポンタールを持ってきてくれるのが遅かったので、晩御飯は、自分からポンタールをもらいにナースステーションに行った。
すると、ポンタールのビンを手渡してくれて、必要なときに自分で飲んでくれ、ということになった。

今日の食事

術後食

朝から食事が出る。
術後食は、基本的に、ゼリーとポタージュ。
配膳係の人が、子供のおやつみたいな食事、といみじくものたまわっていたが、まさしくその通り。

今日の食事(朝と朝の食器、昼の包装と包装を外した昼、夜)

扁桃腺摘出手術

手術前に診察があって、がん化が疑われる左の扁桃腺と共に、右の扁桃腺も取ってもらうことを確認。
左の扁桃腺を取って、迅速検査を行いながら、右の扁桃腺も取り、もし、いずれの扁桃腺からもがん細胞が確認できない場合は、生検のためにアデノイドの部分の採取を行う、との手順だった。
左の扁桃腺は、大きめに取った方がいいと思います、とのことなので、それはおっしゃるとおり、だと同意したが、いずれにしても未知の痛さへの恐怖に心が折れそうになる。(というのはちょっと大げさだけれども、やっぱり怖い。)

診察後、手術の準備で、不織布でできたガウンタイプの手術着に着替える。前回は、布の手術着だったのに変わってしまったんだろうか?
その後、手術の麻酔から術後の栄養補給まで担う点滴をされる。
が、前回にも増して左腕の血管が見えにくいらしく、前回と同じ手首のところに入れようとして失敗。
看護師の方が交代して、今度は前腕にトライしたがまたしても失敗。
三人目の看護師の方は、手の甲の薬指のあたりにぐっさりと点滴の針を挿入。
前回も私が入れたんですよね、点滴の挿入も、タイミングによって失敗することもあるので、とさりげなく言い訳していたが、手術用の点滴の針は通常よりも太く、そもそも入れにくいらしい。
右手のほうが血管は目立つので、右手が使えるとよいのだが、手術の時には位置関係が決まっているらしく、左手に点滴をしなければならないとのことだった。

予定通り、午後1時に看護師が迎えに来て、手術に立ち会ってくれることになっている妻がまだ到着していなかったが、まあ、前回よりは軽めの手術だから大丈夫だろう、と、ここでも楽観的に、そのまま手術室へ。

例によって、記憶に残っているのは戻ってきた病室でベッドに移動するときからで、今回は、導尿管もすでに手術室で抜かれていたらしく、体位の変更がずいぶん自由で助かる。ただ、喉全体が腫れているのか、仰向けに寝ると息が詰まるような感じがして、息が詰まる、と言ったら、心配した妻が看護師の方を呼んでくれたが、特に(血中の)酸素の値も下がってないから大丈夫ですよ-、と明るく返してもらって、まあ、それはそうだろうけどね。
横を向いて寝れば大丈夫なことがわかったので、横、というか、いくぶんうつむいた状態で寝て過ごす。前回の手術後のように、仰向けで安静に、と言われることはないので、それだけでもずいぶん楽だった。
つばを飲み込むと痛いので、口に溜まったつばは、ティッシュペーパーに出す。
事前にネットで調べた情報の中には「扁桃腺の手術後は血を吐く」という表現もあったが、自分の場合はそこまでのパフォーマンスはなくて、つばに血が混じっている程度だった。
最初は血の混じったつばが、だんだん、血が混じらなくなり、点滴が終わる頃には普通の透明なつばだけになった。
途中、抗生物質の点滴が追加されたりしながら、栄養点滴が続き、3時間で水が飲めることにはなっていたが、ひたすら我慢して、6時間後に点滴を抜いてもらったら、急いでトイレで小用を足す。点滴のせいもあるんだろうけど、かなり色が濃かった。

手術日のため食事はなく、画像もなし

医事連携

扁桃腺摘出手術の前日に入院。
入院手続き後にさっそく診察があり、お医者さんから、セカンドオピニオンを受けられた病院から返事が来ていて、そちらに転院することになっているようですが、今回の手術後、転院されるということでよいですか?と確認があった。
病院同士でどのようなやりとりがあるのかわからないが、2つめのセカンドオピニオンを受けた病院からは、直接、元の病院のお医者さんに返事が送られていて、セカンドオピニオンで尋ねた内容ややりとりが連絡されているようだった。
それに対して、1つめのセカンドオピニオンを受けた病院では、セカンドオピニオンとしての診断書のような文書を渡されて、それを自分で、元の病院のお医者さんに渡すような仕組みになっていた。
病院同士は、医事連携という名称で意外とちゃんと連絡が取れるようになっているらしく、例えば外来の初診の予約を自分で取るよりは、その連携を使って病院のお医者さん同士で予約してもらったほうがはるかに早い、と元の病院のお医者さんはおっしゃっていた。

今日の食事(午後に入院したので、晩御飯のみ)

二カ所目のセカンドオピニオン

すでに前日に、扁桃腺の手術を元の病院で受けることに決めてしまっているので、今さら何を尋ねるのか?という感じのセカンドオピニオンだったが、セカンドオピニオンを受けるというよりも、今後の治療をこの病院で引き受けてもらいたい、と自分が思うのか、病院側が引き受けて良いと言ってくれるのか、を確認するようなものだった。
セカンドオピニオンを担当してくれたお医者さんは、そのときにはあまりちゃんと意識していなかったけれども、頭頸科では有数の先生らしく、とにかく外来の診療時間がべた遅れで、たぶん2時間くらいお待ちいただくことになりますが申し訳ありません、と受付の方にまず謝られてしまった。
実は、それなりの遅れはあると思っていたので余裕は見ていたけれども、さすがに2時間を越えることになるとは思わず、次の予定を入れていたので、待ち時間が2時間くらいになったときに、診療科の受付の方に、あとどのくらい遅くなりそうか尋ねてみると、遠くから来られているから大変ですよね、と診療スタッフに連絡を取ってくれて、たぶん、ちょっと早めに診察を入れてくれたようだった。
この、本当にまずそうなときには、できるだけ融通を利かせてくれそうな雰囲気が、自分にはより好ましいものに映った。
後で知ったが、この病院は、国公立ではないので、それもあるのかもしれない。

セカンドオピニオンの外来では、経過と今後の手術の予定、また、設備の関係で今の病院では放射線治療を受けられないことを告げて、その後の治療をこの病院で受け入れてもらえるかどうかを尋ねたところ、今後の治療内容についてはそれでよいだろう、と肯定し、この病院での受入も問題ないとのことだった。
遠距離なので、放射線治療も含めて、治療期間はずっと入院ということになると思う、とのこと。
落ち着いた物腰と、何でも説明してくれる態度、この人なら、今後の治療をお願いしても大丈夫だろう、と思えるお医者さんだった。
どの先生に宛てて、転院の紹介状を書いてもらうかを尋ねたところ、私宛に、とのことだった。

自分にとっては、1つめのセカンドオピニオンをお願いした病院より、2つめのセカンドオピニオンをお願いした病院のほうが、来る者拒まず的な印象を受けた。
これは、単に、自分の印象だけなのかもしれないが、もしかしたら、ある程度病院の体制によるものなのかもしれない。
お願いすれば、いずれの病院でも、真剣に治療に取り組んでくれるだろうとは思ったが、がん相談センターの看護師の方の印象も含めて、受け入れてくれるのなら、この2つめのセカンドオピニオンをお願いした病院で治療することにしよう、と思っていた。

扁桃腺摘出手術の予約

耳鼻科のお医者さんに一カ所目のセカンドオピニオンの結果を報告し、この病院での扁桃腺の摘出手術をお願いした。

カレンダーで手術予定日の確認をして、一週間後の14日に入院して15日に手術、という日程が決まった。
今回、診察してくれたのは、がんの告知をしてくれた比較的若いお医者さんで、最初は、手術予定日の二日前の13日に入院で、と言われたが、前回の手術のときは前日の入院だったのに、と思い、前回は前日の入院だったから、今回も14日の入院で、とお願いすると、そうですか、風邪とか引くと困るから二日前が良いと思うけど、とちょっと渋っていたが、結局、前日入院で同意してくれた。
外来の看護師の方が、自分とそのお医者さんとのやりとりを聞きながら、ちょっと苦笑いしていたのは、そこまで用心しなくてもいいはず、と思っている自分へのエールだと勝手に解釈しておいた。

一カ所目のセカンドオピニオン

セカンドオピニオンを受ける前に、自分が尋ねたいことを箇条書きにまとめてみた。
その前提として、自分の現状がどうなのか、という理解は一番大切と思われるので、それもまとめて、その部分は、余裕があれば主治医のお医者さんに内容を確認してもらうほうが良いだろう。
自分の現状についての理解と、さらに、自分画家確認したい内容を列挙しておけば、セカンドオピニオンで聞きそびれる可能性は低くなると思う。
セカンドオピニオンは自費診療になり、それなりの金額がかかるので、時間内に聞きたいことが聞けなかったとか、後で聞きそびれていたことに気がついた、ということがないように、それなりの準備をしておくべきだと思う。

自分は、この内容を妻にも見せて、他に確認したいことがあるかを尋ねておいた。
最後の項目の、免疫療法についての質問は、彼女が確認して欲しい、ということだったので追加した。
セカンドオピニオンの件に限らず、妻と話すと、いろいろ質問されて、たまには自分にはわからない内容もあって、いらいらさせられることもあるが、答えられない、ということは、自分にも理解できていない、ということだから、できるだけ怒らないように、後で調べたり主治医に尋ねたりして返事するようにした。
とは言うものの、そういう質問をされると、やっぱり、いらっ、とはしてしまう。

現状に対する理解

  1. PETの診断からは、左の扁桃腺がん。
  2. さらに、左の頸部に転移があり、今は、転移部分を切除した状態。

今後の治療についての主治医の方針

  1. 扁桃腺を手術で取り、組織検査を行って原発巣を確定する。
  2. 左の扁桃腺だけでなく、右の扁桃腺も同時に取る。
  3. その後、放射線治療と抗がん剤治療を行う。
  4. ただし、放射線治療は設備がないため主治医のいる現在の病院では受けられず、例えば、他の病院で放射線治療を受けながら、主治医の元で経過を観察してもらうことになる。

セカンドオピニオンとして教えていただきたい内容

  • この方針以外の治療の可能性と、それらのメリット・デメリットを知りたい。
  • 扁桃腺は表面的にはがんと特定できる病変はない。手術で切除する際に、がん組織が見つかる可能性もあると思うが、その際に、がんの専門医による手術を受けたほうが、切除範囲についての適切な判断がされるの可能性が高いのではないか?
  • 今後の治療を一貫して受けることができないのであれば、今の段階でそれが可能な病院に転院したほうが良いのではないか。(今の病院のメリットは、手術待ちの時間が短く(4月28日の手術を提案してもらっていた)、5月の連休明けには手術をしてもらえる可能性が高い。)
  • 抗がん剤と放射線治療以外に、免疫療法についての情報をサイトで見たが有効なのか?有効であるとして、それを受けられるのか?

今回のセカンドオピニオンで尋ねたかったのは、今かかっている病院にはがん専門のお医者さんはいないが、そのまま扁桃腺除去の手術を受けていいのか、というのが一番大きかった。

一カ所目のセカンドオピニオンを受けた病院のお医者さんの意見は、扁桃腺除去の手術は日本中どこで受けても同じで、逆に、がんとして扁桃腺を取るのなら、首のリンパ節もふくめてそこらへんをごっそり全部取ることになる、とのこと。
つまり、まだ原発巣が確定していない段階で、組織検査のための扁桃腺の摘出なので、日本中どこで手術しても同じということになる。
さらに、扁桃腺除去の手術後、ここで引き受けてもらえるのか?という問に対しては、もちろん引き受けないということはないが、放射線治療の間は退院して通ってもらうことになる、とのこと。一時的な住居を借りるなどが必要かもしれないというのは覚悟していたが、お医者さんはそれに続けて、もし遠距離から通ってもらうとすると、つい必要な検査のうち、必須でないものについては、遠距離だからと思って遠慮してやらずに済ませてしまうようなことがあり、後で後悔したこともあるので、当病院ではなく、できれば家の近くで治療を受けたほうが良いのではないか、とおっしゃっていた。
お医者さんがセカンドオピニオンを実施するに当たって、詳細に検討してくれていることは伝わってきたが、お医者さんとしては、自分の治療を受け入れることについてはある程度否定的に考えていることがわかった。
少し残念な気持ちはしたが、逆に考えれば、遠距離で治療を受けるのはそういうネガティブな要素もあるということをはっきり示してもらえたことは、大きな成果と考えるべきだろう。
漠然と、遠距離でも、なんとか通えたりするのではないか、と思っていたところはあるが、もう少しちゃんと考えなければいけない、と思った。