同伴診察

今日は、妻と一緒に転院先の病院へ。

病院そのものや自分を担当してくれるお医者さんを実際に見てもらい、かつ、治療の概要を説明してもらったりそれに対する疑問への回答をもらうために、担当してくれることになっているお医者さんにお願いして時間を取ってもらった。
セカンドオピニオンから始まって、前回の診察も自分一人で病院に行ったので、妻は、いったいどんなところで治療を受けようとしているんだろう、と不安に思っていたようだったが、実際に病院の施設を見たり、お医者さんと話をして、これなら治療をお願いしても大丈夫そうだ、と思ったようだ。

基本的には、自分が納得して治療を受けるのが一番大切だとは思うけれども、家族など自分の近くにいてくれる人が、それを理解してくれているのもそれに劣らず大切だと思う。
妻に説明するための時間を、多忙なお医者さんに、わざわざ取ってもらって申し訳ない気もしたが、治療の一環と考えれば、十分に意味のあることだとは思う。

妻が、自分も働いているので、治療中に夫に付き添うことはむつかしいのだが、と言うと、放射線科のお医者さんは、中咽頭がんの方をたくさん診て、このような放射線治療はルーチンと言えるくらい実施しているが、この放射線治療ですぐにどうこうなるというようなことはないので、付き添わなくても大丈夫、と言い切っていたのが印象的だった。

いろいろな情報も教えてもらっているけれども、やはり、自分の治療をどうするか、というときに、お医者さんの印象というのは大きい要素を占めるのかもしれない、と思う。
ただ、実際に入院すると、本当は、病棟の看護師の方の印象のほうがより大きいことに気づいたりはするんだけれども。

妻が気にしていた分子標的薬を使った治療についても、放射線治療を担当するお医者さんは、分子標的薬は、一時期、試してみていたが、あまり治療成績が良くない場合が多かったので、今は、シスプラチンを使うようにしている、
とおっしゃっていた。
妻も、お医者さんの説明に納得してくれたようだった。

これについては、これらの記事が参考になるかもしれない。
(2015/11/04追記:ネット上に、いくつか、参考になりそうな記事があったが、サイトが閉鎖されたり、loginが必要になったりしているので、リンク情報は削除した。)
後者の記事にあるように、腎臓が悪かったり高齢などの場合には、分子標的薬(セツキシマブ)を選択することになるのだろう。

放射線科のお医者さんは、あなたの場合には年齢的にも体格的にも、シスプラチンの標準治療をおすすめします、とのことだった。
逆に考えれば、それだけのことをしないと、今の医学では、がんの根治はむつかしい、ということなのかもしれない。

ただ、もし今回根治できたとしても、それは5年生存率の中に入ることができた、ということだけで、そこから先、再発、または、別のところに原発がんができる可能性もあるわけだよね、と思ってしまう。
でも、心配し始めればきりがないし、それに、5年たてば、もしかしたら新しい治療法が開発されている可能性もあるわけだから、とりあえず、今回の扁桃腺がんの根治だけを考えるように、それ以外のことを考えるのはやめることにした。

長期戦

仮の状態ではあるけれども、放射線治療の日程が出てくると、けっこうな日にちを費やさなければならないことがわかってきた。
放射線を2gyという単位で33日間当てることになるが、土日祝は治療がお休みなので、実質40日強かかることになる。
けれども、逆に、9月初めには放射線治療に関する日程が終わると考えると、直接の副作用も、そこまで我慢すればいいわけで、思ったよりは長いわけじゃない、ということもわかって、そこから後は少しずつでも良くなるんだ、という安心感もあったりする。

ただ、抗がん剤治療がどんな日程なのかがまだよくわからないので、結局のところ、どんな日程で入院して、どんな日程で通院することになるのかがわからなくて、その時点で、今後の予定の立案が止まってしまう。

  • 放射線治療:2gy✕33日 (gyは放射線の単位)
  • 抗がん剤(シスプラチン)治療:3回 (3週間間隔だが体調により2回になる可能性もある)

転院先での診察

転院先の放射線科のお医者さんの診察があり、お話ししていると、どうやら、頭頸科専属で放射線を担当されているようで、こんなに大きい病院になると専門を分けないとやっていけないので、とのこと。
それがいいのか悪いのかわかりませんけどね、とおっしゃっていた。

実際の治療の話になり、放射線治療の副作用としては、広範囲に口内炎になったり、のどが腫れたような状態になって、食べるのもむつかしくなることがあるので、胃瘻を作ることを勧める、とのことだった。
ただ、自分的には、なんだかそれは情けないな、と思わずにはいられない。
口から食べられなくなるなんて。

また、もう一つの大きな副作用として、舌に放射線が当たるのは避けようがないため、味覚がなくなってしまう、とのことだった。
これに関しては、30才台や40才台の若い人は回復するが、70才台や80才台の方は、回復しないことが多い、とのことで、つまり自分は五分五分くらいのところにあるのかな、という感じがする。
ただし、80才台の方でも回復した方いらっしゃって、その方は、料理を作るのが好きでなんとか回復したい、という意思があったからではないか、とのことだった。
食べるのが好きな方は、無理をしてでも食べるので、結局それが味覚のリハビリにもつながるのではないか、とお医者さんはおっしゃっていた。
逆に、胃瘻に頼って一定期間食べずにいると、今度は口から食べるのが困難になってしまうとのことで、やっぱり食べないといけないんだろうな、と思った。
扁桃腺の手術を受けて退院した直後も、食べ物の味が喉にしみて、あまりに痛いので、思わず箸を置くことがあったけど、あんな状態✕10倍くらいだったりするんだろうか?
結局、副作用の出方は人によって違うんだろうし、お医者さんも、どちらかというと悪い場合の話をされることが多いので、それによって逆に怖じ気づいてしまうような気もする。
だからと言って、お医者さん的には、最悪の状態についても説明しておかなければならないなんだろうし。

現状、自分の腫瘍はPET/CTで検出できる程度の大きさのものは、結果的に摘出してしまった状態なので、このまま何の治療もしない、という選択肢もあるのかもしれない。
もし、そういう選択をしたらどうなのか、とお医者さんに尋ねてみると、1年か1年半後には再発する可能性が高い、とのこと。
手術で腫瘍は摘出したが、それ以外のところには当然固まりになっていないがん細胞が散らばっていると考えるべきで、今だからこそ、できるだけそれらを叩いて、完治しておく必要がある、と力説されていた。
結局、やるべきことは、放射線治療+化学治療なんだろうな、とは思っているんだけれども、それを疑いなく納得できる材料が欲しくて、お医者さんにいろいろ問いただしているような状況だと思う。

もし、放射線治療をするとしたら、どのような日程になるのか?と尋ねたのに対して、お医者さんは、放射線治療については、仮ではあるものの、こんな感じでということで外来の予約を入れてくれた。
放射線の治療開始までには、準備からどんなに早くても2週間はかかるとのこと。

お医者さんの作ってくれた日程は、放射線治療の準備にかかるのが7月1日になっていて、6月に時間が空いた状態になっている。
前回のこともあるので、妻を病院に連れてきて説明してもらう時間を取るにはちょうど良さそうにも思えたが、このタイムラグを作らずに速やかに放射線治療を開始するほうがリスクは小さくなるのではないか?という疑問もあった。

これに対して、お医者さんは、すでに扁桃腺から喉のリンパ組織に転移していたので、この際、上部内視鏡検査をして、食道や胃、十二指腸に転移していないかを確認して、治療が必要なところを確定した状態で治療したほうが良いと思う、とのことだった。

腫瘍マーカー

病院で、喉の状況の経過を見てもらった。
先週採血した結果も、やはりSCCという扁平上皮がんに対して使われるらしい腫瘍マーカーは正常値にとどまっているとのことだった。
いくつかのウェブサイトを参照してみたけれども、腫瘍マーカーも、すべての種類のがんに対して、特異的に適用できるものがあるわけではないようで、SCCはどうやら扁平上皮がんのうちでも、肺がんや子宮頸がんなどに適用されることが多いようだった。
一応、喉の腫瘤も取って、扁桃腺も摘出した後の、PET/CTによれば、それ以外に大きい集積はなかったので、これから放射線治療をするとして、何を指標としてやるんだろうか。
腫瘍マーカーの値が高ければ、それが低下するなどで、治療の成果が上がっていると判断するんだろうけど。
まあ、そのへんは、診察を受けてみないとわからないので、とりあえず、木曜日に転院先の放射線科のお医者さんの診察を受けるのを楽しみに。

左右のバランス

扁桃腺摘出の傷跡に、チーズやしょうゆのように塩辛いものがしみることはなくなっていたけど、まだあくびをすると喉が痛いような気がして用心しながらあくびをかみ殺している状態だったのが、そろそろあくびをしても大丈夫になってきたご様子。
扁桃腺を取ると、しばらくの間かなり痛い、とは言われていたけど、やっぱり、経験してみないと、その痛さと不自由さはわからないものなんだな。
結局、自分の経験の範囲内にのみ、自分の生活空間はある、ということなんだろう。
たぶん、そのへんが、自分が凡人たるゆえんなんだろうけど。

今回、お願いして左右両方とも扁桃腺を取ってもらったけど、意外と、左の扁桃腺(扁桃腺がんと診断された扁桃腺)よりも、右の扁桃腺のほうが治りが遅くて、てっきり正常な扁桃腺のほうが治りが早いと思っていたのに、さすががん細胞、通常細胞より治りも早いんだろうか?
(もちろん、手術してくれたお医者さんは、左の扁桃腺でそれらしい組織はできるだけ取り除いておいたので、とはおっしゃってくれていたけど。)

電話

午前中にいきなり知らない番号から携帯電話に電話がかかってきて、どこからかと思ったら、今度診てもらうことになっている病院からだった。
医事連携課の方とかかな、と思ったら、このあいだセカンドオピニオンでお世話になったお医者さんご本人からで、つまり、今の病院から紹介してもらっているお医者さんご本人だったので、ちょっとびっくりしてしまった。
しかも、診察予定の前日に、放射線科も受診しておいて欲しいので、予約は取ったから、という連絡だった。
診察でお忙しいだろうに、わざわざご本人が電話をしてくださって恐縮してしまった。

トンカツとえびせん

病院で追跡血液検査。
すぐにわかる数値には、特に変わりはない、とのこと。
腫瘍マーカーの検査は外部に委託しているので、結果が出るまでにはしばらく時間がかかるので、来週、もう一度来てもらって、そのときには結果が出ているだろう、とのこと。
扁桃腺摘出後の喉の様子は、あと少し、と言われた。

今日の外来は、自分の主治医ということになっている若いほうのお医者さんと、もう一人のお医者さんとで診ているが、わざわざもう一人のお医者さんも自分の喉をのぞき込みに来てくれて、だいたい治ってきたけど、まだ、トンカツとかは避けておくように、と言われた。
実際には、もう、好物のえびせんべい(かっぱえびせんではなく)なども、バリバリ食べたりしているんだけど、それをそのまま言うとまずそうな気がしたので、ビスケットとかは食べているんですけど、というと、うーん、まあ、ミルクとかに浸して柔らかくするように、と言われたので、素直に、はい、と返事した。

転院先の予約

今日は、転院先の病院の予約を取っておいてもらえる予定の日だったので、今、かかっている病院の外来へ。

結果、6月12日に、セカンドオピニオンを担当してくれたお医者さんの予約が取れたということなので、予約表などのFAX(やっぱり今どきFAXとは思ってしまうけど)を一式、手渡してもらった。

ついでに、気になっていた、低分化型の解釈について、お医者さんに尋ねてみたけど、特に解釈というのはなさそうで、低分化型であるということを受けて、先方では抗がん剤の種類を変えたりはするかもしれないが、とのこと。
リンパ球の湿潤がある、ということに関しても、もともと扁桃腺はリンパ器官なので、リンパ球ががん化してるというようなことではない、とのことだった。

今の病院の若いお医者さんに、来週また来てね、とお誘いを受けたんだけど、どうやら血液検査をするらしい。
4月に腫瘍マーカーを調べたときにはあんまり上がってなくて、正常値の範囲内だったので、もう一度検査をしてみるとのこと。
これは初めて聞いた情報。
病名を告知するのなら、それと同時に、検査の数値結果なども全部教えて欲しい、と思ってしまった。
できれば、それをどう解釈するのか、まで教えてもらえると一番良いけど、さすがにそこまではむつかしいのかもしれない。
ただ、このお医者さんはまだそれほど経験を積まれているというわけではないので、そういう意味で難しかったのかもしれない。
同じ病院のお医者さんでも、他のお医者さんは組織検査の結果などを、お願いするまでもなく積極的に印刷して手渡してくれていたので。

たぶん、低分化型というのは悪い情報のような気がするけど、逆に、腫瘍マーカーが上がってなかった、というのは良い情報のような気がする。
実際には、一つ一つの事象に一喜一憂しても仕方なさそうだけど。

扁桃腺摘出手術の退院日

摘出した扁桃腺の病理検査の結果が出るだろうという日が、手術から一週間後の今日だったので、それもあって退院日をこの日に設定。

結果として、低分化型の扁平上皮がんだったとのこと。
リンパ球の浸潤も多かったらしいのだが、結局のところ、それがどういう意味を持つのか尋ねないままになってしまった。
組織検査を行ったお医者さんは別にいて、このお医者さんはがんの専門医ではないし、詳しく尋ねても仕方ない、と思ってしまったのかもしれない。
本当は、このお医者さんなりの解釈を教えてもらっておいて、ほかのお医者さんの解釈とつきあわせるという作業を行うべきだった。
「どうせ」とか「仕方ない」とか思わないようにしなければいけない、と反省。

月曜日に手術後の状況確認のために外来を受診することになっているので、その時に、ちゃんとどう解釈するのかを聞かせてもらうことにしよう。

治療に関しては、結局、セカンドオピニオンを受けた病院のうちの一つでお願いすることにしたが、病院間連携という仕組みがあって、お医者さんからお医者さんへFAXで予約を入れてくれるらしい。
いまだにFAX?と思わないでもないけど。
いずれにしても、自分で初診の予約の手続きをしなくても良いのは、ありがたいことだと思うべきなんだろう。

今日の食事(午後に退院したため、夜の食事はなし)

医療ソーシャルワーカー

突然、医療ソーシャルワーカーという人がベッドのところにやってきて、転院されることになっているようですが、まずは先方で初診を受けられるので、すぐ先方に入院されるわけではないですよね?、と尋ねてくるので、状況を手短に話すが、6人部屋(実質3人しかいないが)だと、他にも人がいるので、どうしても詳細に話すのをはばかられてしまう。
こんなところで自分ががんだと公言したくない気持ちがあるのは、逆に言えば、自分に差別意識があるということなんだろうか、と、ちょっと反省もするが、病院って、病気を治すための施設であって、プライバシーはどうしても後回しにならざるを得ないんだろうな、と思う。
個室にいれば、全然違うとは思うけれども。

それにしても、医療ソーシャルワーカーとはいったいどういう人で、どんな立場で、何をしてくれるのかわからないので、後になってみると、いったいあの人は誰?という不気味さに近いものだけが残る。
看護師の方などに尋ねてみると、医療ソーシャルワーカーとは、病院に所属していて、他の病院との連携などに関してうまくいくように調整したりする人らしかった。
自分の場合は、お医者さんが転院という形式で報告していたので、病気が完治しないまま転院する状態だと思ったらしく、何か困っていることがないか、確認に来てくれたようだった。

今日の食事