甲状腺ホルモン剤

こっちにも来てくださいね、と言われているので、翌日には、地元の病院へ。
放射線治療を受けて退院するときに、地元の病院に対して紹介状を書いてもらって、必要な薬の処方はこちらで受けることにしていたので、今回の甲状腺ホルモン剤も、検査結果を携えて行って処方をお願いすることにした。
自分の持って行った検査結果を見ながら、お医者さんは、急に甲状腺ホルモンの値が低くなるのも不思議だ、とおっしゃるので、甲状腺ホルモンの値を検査したのは、放射線治療後、これが初めてだったので、とは言ったものの、もしかしたら、自分が放射線治療を受けたことは忘れられている?
まあ、お医者さんもいろいろお忙しいし、主治医が他にもいる自分のような患者は、なかなかなかなか難しいんだろうし。
そんなこんなで、まずは1週間分、処方をしてもらって、1週間後にもう一度診察を受けることになった。

この病院は院内処方なので、病院の窓口で薬をもらって帰って、さっそく甲状腺ホルモン剤を飲んでみた。もちろんそんなにすぐには劇的に効果が出るものではないとは思うけど、なんとなく元気になったような気がするのは、我ながら笑える。

甲状腺ホルモン

今回の通院は、腫瘍マーカーの検査のために血液検査あり。
例によって、朝早く受付をして、まずは診察。
喉をのぞいてから、首の触診、スコープで咽頭を見て、いつもならこれで無罪放免になるところが、今回は、さらに採血とその結果待ち。

なんだか、最近、ますます採血しにくくなっているみたいで、採血担当の方がかなり念入りに静脈の位置を探ってくれていたみたいだけど、それでもちょっと痛かったので、これはきっと内出血してしまったな。

採血後、しばらく待っていると、また診察室に呼ばれて、お医者さんから、甲状腺ホルモンの値が低いようなので甲状腺ホルモン剤を飲んだほうがよいだろう、とのこと。検査数値は甲状腺ホルモンの値が低くて、それに対して、視床下部から出る甲状腺刺激ホルモンの値が高い状態で、甲状腺の機能が低下していることを表しているらしい。
放射線を当てたので、甲状腺の機能が低下するのはやむを得ない、とのこと。
お医者さんには、甲状腺ホルモンが低下すると倦怠感があったりするので、だるさを感じていたのではないか、と尋ねられたけれども、しょっちゅう眠いのもそのせいなんだろうか。ついつい夜更かしをしてしまうので、そのせいだとばっかり思っていたけれども。

だるさを感じていたのでは?と言われると、急に倦怠感を感じ始めるのが我ながらちょっとおかしい。
ちょうど、明日、近くの病院に行くことになっているので、甲状腺ホルモン剤の処方はそちらでしてもらうことにした。

甲状腺という名前は知っていても、甲状腺ホルモンの働きなど、意識したことがなかったので、かなり意外な話だった。
ネットで調べてみると、基礎代謝量を左右しているホルモンらしい。

その後、二ヶ月ぶりに、放射線科のお医者さんの診察もあった。
味覚のうち、甘味に関しては、定期的に飲んでみているりんごジュースの味もほぼ記憶通りにものになっているけれども、すぐに甘味を感じなくなってしまう。しばらく時間をおいたり、水を口に含んで味覚をリセットしたりすれば、また甘味を感じるというようなことをお話しした。
血液検査で、甲状腺ホルモンの値が低かったこともお話ししたが、お医者さんは、放射線を当てたので仕方ない、との反応だった。甲状腺の働きに関しては、どうやら、はかばかしく回復することは望めないようで、甲状腺ホルモン剤は、ずっと飲み続けなければいけないようだ。

退院してからちょうど1年になるので、次回からは、2カ月間隔での診察ということになった。

超速

今回の診察は、前回言われていたとおり、朝早く受付。
9時までには受付してください、とのことだったが、再来受付機が稼働し始めた7時半過ぎには受付を済ませた。
早朝の病院は、外来の患者さんもほとんどおらず、ゆったりした感じ。
診察が始まるまでにはまだまだ時間があるよな、とのんびり待合室の椅子に座って音楽を聴いていると、意外に早く呼び出される。
あれ?と思いながら診察室に入っていくと、すでに、(たぶん)一人目の方の診察が終わって、自分は二人目の診察だった模様。こんなに朝早くから?、と主治医のお医者さんの激務ぶりに、少し怖くなってしまう。しかも、いつもの外来の看護師の方も働いておられて、もう、今後は診察で待たされても不平を抱いたりしないようにしなくては、と、密かに決心した。

診察自体は、いつも通り、喉の様子を目視で確認して、扁桃腺の跡のあたりを指で触診してから、鼻から入れたスコープで咽頭部の確認。そして、首の触診。
特に問題ないですね、ということで、無事に解放される。

診察は無事終わったものの、月に1度のペースの通院なので、毎回、窓口での保険証の確認が必要で、今度は、確認の窓口が開くのを待つ。
8時半に窓口が開いて、自動支払機でお金を払って病院を出たら、まだ9時になっていなかった。
うーん、さすがに、朝早く来ると、早く終わる。
やっぱり、待合室でじっと待っているのは退屈なので、診察だけの時は、今度から、朝早く来ることにしよう。
ただ、次回は、採血があって、腫瘍マーカーなども検査してみるとのことなので、今回のようにてきぱき終了するというわけにはいかなさそうだけど。

歯磨き

虫歯にならないでくださいね、と言われているので、歯磨きには気をつけているが、そうは言ってもなかなかむつかしい。
で、例によって月次の歯医者通い。
一部、歯石が付いているとのことで、スケールの器具を使ってがりがりと取った後、超音波スケーリングで全体を掃除してもらう。
前回、汚れが残っていると言われたので、鏡を見ながら歯ブラシを使うようにしたら、よりきれいに磨けているらしい。
少なくとも3年間は、抜歯するような事態になってはいけないらしいので、これからもできるだけ注意しなくては。

ところで、この歯医者さんは、幼なじみがやっていて、彼が時間があれば、治療後にちょっとお話ししたりもするんだけど、今日もちょうど患者さんが途切れたところだったらしく、お金を支払うときに雑談モードに。
実は、数週間前に小学校の同級生が胃がんで亡くなったとの知らせがあり、話題はそこに。
他人事じゃないよね、と自分が実感を込めて言うと、彼も、自分を見ながら大きくうなずいていた。
そして、遊べるときに遊んでおかないと、とのたまうので、うーん、そういう方向に発想がいくわけか。ちょっと苦笑。

診察待ち

今回の頭頸科の月次診察は、10時40分の予約だったのが、実際の診察は14時頃。
頭頸科の後に放射線科の診察が設定されていたけれども、さすがに、放射線科のお医者さんもしびれを切らしたようで、放射線科のほうに先に呼ばれてしまった。
頭頸科の診察はまだなんですか、と放射線科のお医者さんに尋ねられたので、ちょっと苦笑してしまった。放射線科のお医者さんの診察は、味覚や唾液の状態をヒアリングされて終了。甘味の感じ方が、甘味の元によってちょっとムラがあったり、感覚が長続きしなかったり、というのを差し引いても、比較的順調に回復しているらしい。
その後、しばらく待って頭頸科の診察。お医者さんは遅くなって申し訳ないとおっしゃっていたが、まあ、2時間待ちくらいは普通かな、と思っているので、かえってこちらが恐縮してしまった。特に、自分のように、状況を確認してもらうだけなら、自然、診察の優先度も低くなると思うので、割り込みなどが入るのもやむを得ないんだろう。
それでも、さすがに、3時間待ちはちょっとね、という気もするので、次回の診察はもっと早めに、9時以前に受付を終えるようにすることにした。それなら、先着順に診ているので、との頭頸科のお医者さんの言で、ということは、予約制とは言うものの、いろいろ割り込み事案が発生しているらしいことを連想させられる言葉だった。
診察は、いつものように状況をヒアリングしてから、あーん、と喉をのぞき、スコープを鼻から挿入して咽頭部をチェックした後、首回りを触診。
頭頸科のお医者さんにも、順調に回復しているみたいですね、と言ってもらったので、やっぱりちょっとほっとする。
現状、自分の甘味の感じ方は、対象によってムラがあるようで、冷たいもののほうが甘味を感じにくいような気がする。厳密に実験してみたわけではないが、たとえば市販のソフトクリームのようなものは甘味を感じにくくて、瞬間感じても、すぐに、甘味を感じにくくなってしまって、しばらく時間をおくか、常温の水で口をゆすぐかすると、また甘味を感じるようだ。
手術の傷口などは、画像に撮っておけば、どのくらい回復しているか一目瞭然だが、こういう感覚みたいなものは、1カ月前の感覚と、今の感覚がどのくらいどうなのか、そもそも過去の感覚はどうだったのか記録を取っておくことができないので、比較するのがすごく難しい。定期的に透明なりんごジュースを飲んで、その感じ方で自分の回復度合いを測るようにしているが、何か良い方法はあるんだろうか。

うるうる

放射線治療で入院する前から、近所の歯医者さんには知覚過敏の治療などで、ほぼ月に1回は通っていたが、退院後も、知覚過敏も含めていろいろなケアのために、月に1回のペースで通っている。
今日も、その一環で歯医者さんを訪問。
歯を削ったりして治療しなければならないようなところはないので、ほとんどが歯科衛生士の方が面倒を見てくれる。
歯の磨き具合などを点検して、汚れているようなら機械で掃除。その後、知覚過敏になっている歯に薬剤を塗布してくれる。
前に、入院していた病院に付属している歯科からの紹介状を渡したので、状況もわかってくれていて、いつも見てくれる歯科衛生士の方も、わざわざ勉強してくれたらしく、こういうケアがいいと思いますよ、というアドバイスもしてくれたりする。
扁桃腺がんと診断されて以来、表面的にはともかく、やっぱり、内面的には、いろいろ複雑な思いになることも多いけれども、こういうふうに、気にしてもらっているだな、と思えることは自分にとって、なによりのケアになるような気がする。
その歯科衛生士の方が、文字通り開口一番、今日はなんだかうるおっているような気がしますが、とのこと。
確かに、以前に比べれば、唾液は出るようになってきていて、そのおかげで、味覚の回復だったり、朝起きたときの喉の渇き具合もましになったり、お茶なしでも普通のご飯が飲み込めたり、というようなことにつながって切ると思う。
そのように言うと、そうですよね、確かにうるうるしてます、とうれしそうに言ってもらった。
先月は、口の中が乾燥しているので保湿液を塗ってから歯のお掃除しますね、と言われていたが、今日は、そのまま歯の掃除に突入したのも、見るからにうるうるしていたからなのだろう。
舌にできていた口内炎のようなものも、ほとんど気にならなくなったのは、歯医者さんいわく、たぶんうるうるしてきたから治ってきたのかもしれない、とのこと。歯医者さんの見解に依れば、口腔内の乾燥がひどいと、普通なら問題のないような歯のひっかかりで口内炎になってしまうということなのかも、とのことだった。
いまいち甘味が感じられない局面があったりして、なかなか良くならない、と思ったりもするけど、月単位で考えれば、確実に良くなっているし、こんなにいろんな人に気にかけてもらっているんだから、最近サボり気味のうがいもちゃんとやって、もっと早く良くなるように自助努力もしなくては、という気にさせられた。

月次通院

今月は、頭頸科の診察のみ。
中耳炎にかかって、地元の病院で投薬されたことを報告した後、いつものようにスコープで扁桃腺の跡と鼻から咽頭の様子を見て、特に問題ありませんね、とのこと。

唾液は明らかに、退院当時と比べればたくさん出るようにはなってきた。また、味覚も、特に、甘味もかなりしっかりしてきた気はするが、ただ、元と同じ状態にもどったのかというと、心もとない気もする。
このあたり、回復に努めるべきだとは思うけど、だからといって、完全に復旧しないことを嘆いてみても仕方ないとは思っているので、まあ、こんなものなのかな。
いつも、通院するときに、定点観測的に飲んでみるりんごジュースも、一口目は甘くは感じるようになったけれども、まだまだ、二口目や三口目は甘さを感じなくなってしまいがち。水で口をゆすいだり、しばらく時間をおいたりすると、また甘さは復活するように思うので、唾液の分泌が少ないという要因もからんでいるのかもしれない。

ともかく、頭頸科のお医者さん的には順調に推移しているとのことなので、それが何より。

中耳炎その後

しばらくの間、耳が痛かったり、聞こえ方が不自然だったりしたけど、なんとかほとんど元通りに。
今日は、その中耳炎の再診で、もう一度地元の病院を受診。
耳の穴をのぞいてから、治ってますね、とのことで、他覚症状もなくなっているようだ。何かにつけて、用心深いお医者さんだが、今の薬を飲みきったら終わりにしましょうか、とおっしゃっているので、さすがに問題はないのだろう。
治ったのは良いとして、とにかく風邪を引かないように、より注意深くしないと、と反省する。

中耳炎

一日ごとに暖かかったり寒かったり、ヘタすれば、1日のうちでも暖かかったり寒かったりしたので、ついに風邪を引いてしまった。
喉が痛くなって、典型的な風邪の症状だったが、わりとすぐに喉の痛みは引いて、その代わりに粘い感じの鼻水が出て、気持ち悪いのでひんぱんに鼻をかんでいたら、今度は、右耳が痛くなってしまうという事態に。
ちょうど、地元の病院に予約が入っていたので、出かけていって診てもらうと、案の定、中耳炎、とのこと。
どんな薬を処方してくれるのかある意味興味津々だったが、ジェニナックを5日分と引き続いてクラリシッドを16日分。中耳炎って、治癒にそんなに時間のかかるものだとは認識していなかった。
子供の頃はいざ知らず、大人になってから中耳炎になった憶えはないんだけれども(単に憶えていないだけかもしれないが)、扁桃腺を取ったりしたので、耳鼻科領域にはいろいろ影響があったということなんだろうか。
最近、何かと不規則な生活になりがちだけれども、やっぱり、規則正しい、それこそ、入院時のような9時には寝て6時には起きる、というような生活を心がけるべきなのかもしれない。まあ、でも、そこまでは無理かな。

CT検査

たぶん、3カ月ごとにCT検査をしているみたいなので、今日は朝一でCT検査。
造影剤を入れるために、左腕に針をさすものの、一回目はどうもうまくいかなかったみたいで、看護師の方が、すみません、入れ直させてください、とのこと。個人的には、入院時の何度かの刺し直しの経験から、そんなところに刺しても静脈を捕まえるのはむつかしいのでは?と思ってしまうんだけど、さすがにそんなことは言えないので黙っていた。
入院時の看護師の方が、失敗すると患者さんの身体も緊張するのでよけいに血管を探りにくくなってしまう、とおっしゃっていたが、その言葉通り、二回目もどうやら失敗だったご様子。でも、看護師の方がなんとかしようと、針を移動して血管を探っているらしく、かなり痛い。もう子供じゃないので、多少痛くても我慢しなくては、といつも思ってるんだけど、さすがに今日は痛くて、かなり顔をしかめてしまう。
結局、別の方が右腕の、一番刺しやすい肘関節の内側の血管に刺して検査開始。ごく短時間の検査だし、最初から一番刺しやすいこの血管を使ってくれてれば良かったのに、と思ったけど、やっぱりそんなことは言えないので黙っていた。

検査が終わって、左腕にアルコール綿が二カ所、右腕にアルコール綿が一カ所、絆創膏で貼り付けられていたが、検査室を出て更衣室で衣服を整え終わる頃にはもう大丈夫そうだったので、三カ所とも外してしまった。

その後、しばらく待って、頭頸科の診察。
撮影したばかりのCT画像を見ながら、特にリンパの異常な腫れもないので、とのこと。当然、とは思っているものの、やっぱりちょっとほっとする。
引き続いて、いつも通り、スコープで咽頭と喉をのぞいて、ここの腫れがひいてきてますね、とのこと。そう言われてもいったいどのあたりのことなのかあんまりよくわからなかったんだけど、ちゃんとどこのことですか?と尋ねれば良かった。最近、いくぶん、ものが飲み込みやすくなっているように感じるのはそのせいなのかもしれない。唾液が多少は出るようになっているのも、飲み込みやすさに貢献しているんだろうけど。

放射線科のお医者さんは、今回はパスだったはずなのに、なぜか診察の予約が入っていて、その旨を申し上げると、そういえばそうでしたね、とのこと。まあ、診察と言っても、状況のヒアリングだけで自分もお気楽なので、全然苦にはならないんだけど。
でも、自分の頭頸科の予約が入っているのを見て、診察の予約を入れてくれたということは、それはそれですごいことのような気がする。自分から言わないとだめだろうな、と思っていたけど、あながちそうでもないようだ。本当にお医者さんも大変だな、と思う。
じゃ、次回はパスしておきますね、とのことだったので、1ヶ月後の診察は、頭頸科のみということになりそうだ。

帰宅して風呂に入るときに見てみると、左腕の二回の刺し跡は、かなり派手に内出血していて、こんなひどい状態になったのは、これまでで初めてのことかもしれない。ちょっとひどい言い方かもしれないけど、ここまでいくとほとんど医療ミスだよな、と思わないでもなかったが、まあ、検査の結果は特に問題なかったので、それでよしとするべきなんだろう。