うがい薬

相変わらずのどが腫れているような感覚はあって、注意して飲み込まないとむせたり、逆に、水分が少ないと飲み込みきれなかったりする状態が続いている。
考えてみると、退院直後はそんなこともなかったような気がするので、ひょっとしたら、最近、うがいを怠っているからなんだろうか、とも思ってみる。
まあ、実際にはそんなことはなくて、放射線治療の後遺症がゆっくり現れているんだろうと思うけど、もしかしたらそうなのかもしれないので、以前、近くの病院でもらっていた半夏寫心湯をまた処方してもらいに行くことにした。
本来は、1カ月に1回くらいは来てくださいね、と若いお医者さんに言われていたんだけど、2カ月ほど前の予約をすっぽかしてしまったので、それからしばらくご無沙汰していた。
薬の処方は、この近くの病院でしてもらうように紹介状を書いてもらっているので、毎月見てもらっている病院では退院してからは薬を処方してもらっていない。
従って、うがい薬としての半夏寫心湯もそれから切らしていたことになる。

電話をかけて耳鼻科の予約を取って出かけてみると、いつも通り、お医者さんが、のどをのぞいて見て、さらに、スコープを鼻から通して咽頭をのぞいて見て、喉頭蓋が腫れてて唾液も粘ってますねー、とのこと。
そうですかー、とお応えしたけれども、つい二日前に、まったく同じことを言われているので、いまいち感動にかけるのはやむを得ないのかもしれない。
受診した主たる目的の半夏寫心湯を処方してもらえるようにお願いして、今度は来月の予約もお願いしておいた。
ちょっと重複してるかな、と思わないでもないけど、扁桃腺などの手術を受けたのはこの病院なのでそれはそれで意味があることのような気もする。
まあ、そのあたりはともかく、せっかくまた半夏寫心湯を処方してもらったので、まめにうがいをしてみよう。

腫瘍マーカー

月例の診察。
先月は、放射線科のお医者さんは不在の日だったので頭頸科の診察だけだったけど、もしかして今日は放射線科の診察も予約が入っていたりするんだろうか?と思っていたが、さすがにそんなことはなくて、今日も頭頸科の診察だけだった。
いつも通り、問診に引き続いて、スコープでのどと咽頭の様子を見て、のどのリンパを触診して、唾液はかなり粘ってるみたいですけどそれ以外は問題なさそうですね、とのことだった。
実は、今日は、診察時間が予約時間からは大幅に遅れて、ほぼ2時間ほど待っていたんだけど、たぶん問題ないということになるよな、と思っていたので、診察の開始が遅れても気が楽、というか、お忙しい先生だから仕方ないよな、と携帯でネットニュースなどを拾い読みしながら待っていた。
いつもこんなに遅くなるわけではないけど、最初にセカンドオピニオンをお願いしたときも同じくらい待たされたことがあって、その時は、もっとじりじりした思いで待っていたような気がする。
状況によって、こんなに変わるなんて、自分も身勝手だな、という気がして、思わず苦笑してしまった。
ところで、以前の放射線科のお医者さんの話では、頭頸科の予約が入ったら、それを見て予約を入れておきますから、とのことだったけど、まあ、いくらなんでもそんなヒマなことはできない相談だったようだ。
ということで、診察が終わって来月の予約ということになったときに、来月は放射線科のお医者さんの予約も入れてもらえるようにお願いしてみた。
外来の看護師の方が、ちょっと難しそうな顔をしていたけど、いろんなところに電話をかけて、ちゃんと来月の診察予約は取ってくれた。これまで知らなかったけど、どうやら水曜日というのは放射線科のお医者さんは外来診察の日ではないみたいで、電話をかけている看護師の方の口ぶりでは、外来診察の日ではないけどいいですよ、という感じで放射線科のお医者さんが返事をしてくれているようだった。
先月の頭頸科のお医者さんの口ぶりでは、来月にCTを撮りましょうか、ということだったけど、もう1ヶ月開けて、3月の診察の時にCTも、ということになった。
その時に、3月だと退院してから6カ月になるので、という話になって、じゃあ、今日、採血していってください、との話があった。
6カ月と採血がどう結びつくのかわからないけれども、お医者さんの口から、腫瘍マーカーも検査しておきます、との言葉があった。実は、この病院に入院してから、腫瘍マーカーという言葉を聞いたのはこれが初めてで、意外だったので、お、と思った。
今日の診療明細書を見ると、SEAとSCCの検査が行われるようだ。結果については、来月、教えてくれるらしいので、腫瘍マーカーをどのように考えられているのか尋ねてみよう。

角を丸める

頭頸科のお医者さんに、舌の側面の口内炎は、歯医者さんで相談するように言われたので、さっそく予約した近所の歯医者さん。
状況を説明すると、奥歯の冠を触ってみて、あー、なるほど、これはちょっととがってるかな、この間はこれには気づかなかったな、とのことで、さっそく、エアタービンで削って研磨してくれた。
舌で触ってみると、明らかにこれまでとは違う感触。
これならば大丈夫だろう。
お正月までには舌の口内炎が治るかもしれない。

ただ、気になったのは、久しぶりにエアタービンで削られたけど、タービンが回っているときの独特の甲高い音がほとんど聞こえない。
歯石や歯垢を掃除するときの超音波スケーリングの音もほとんど聞こえなくなっていたし、放射線治療を受けてから、耳鳴りが少しひどくなったような気がするのは、気のせいではなかったのかもしれない。
放射線治療のせいではなくて、単に加齢のせいかもしれないけど、ちょっとため息をつきながら歯医者さんを後にした。

飲み込みにくい感じ

今日は、月例の診察。

どうですか、と頭頸科のお医者さんに尋ねられたので、ここしばらく気になっている、のどの奥のはれぼったさと、舌の側面にできた口内炎について、お話しする。

お医者さんは、舌の口内炎については、少し心配そうな表情を見せながら、口の中をのぞいて見て、これはたぶん虫歯を補填した冠が当たっているのだろう、とのこと。
特に悪いものではないので、歯医者さんに行って相談するように、と言われる。
そう言われれば、先々月、歯医者さんでかみ合わせの補正をしてもらったときに、左側の歯を少しだけ削ってくれたけど、それ以来、舌に口内炎ができているような気もする。

次に、いつものように、のどをスコープで見て、ここが腫れてますよね、放射線の影響です、とのこと。
スコープで取った画像をプリントアウトしてくれたので、後で見直してみると、確かに、喉頭蓋と呼ばれている部分が腫れている。
このせいで、のどが腫れた感じだったり、飲み込みにくかったりするんだろう。
放射線治療が終わって退院してから、2カ月くらいたってからのどが腫れたような感じが強まって、3カ月たった今も、同じくらい腫れているような感じがする。
放射線の影響なら、徐々に収まっていくんだろうけど、まだしばらくは、食事の時などに気をつけていなければならないようだ。

舌の口内炎については、さっそく歯医者さんに電話して、月曜日に見てもらうことになった。

甘味を感じなくなってから、診察のタイミングで、診察とは関係なく、定点観測的にりんごジュースを飲んでいるが、今回は甘味も含めてほぼりんごジュースの味がするようになっていた。
放射線治療が終わってから、約4カ月。
味覚がなくなるくらいダメージが大きい治療だけれども、それでもなんとか回復するというのは、やっぱり人間の身体って、よくできているんだな、と思わせられる。
でも、よくできていても、その仕組みをすり抜けてがんが大きくなってしまう場合もあるわけで、それも含めて人間の身体はよくできていると考えるべきなんだろうか。

月に1回の近所の歯医者さんでの検診。
いつもの通り、歯科衛生士の方が、歯垢の状況などを見て、その後、超音波で歯の掃除。
ずっと、だいたいきれいに磨けているけれども上の奥歯に比較的磨き残しがある、と言われていたので、
少しだけ磨き方を変えてみたが、その効果はあったようで、前よりはまし、と言われた。
ところで、いつからか意識していなかったが、舌の左側の奥行きの真ん中ぐらいのところに口内炎ができているらしく、塩辛いものなどがしみる気がする。
それで、舌に口内炎ができているような気がする、というと、幼なじみの歯科医が出てきて、ちょっと心配そうな声で、うーん、注意深く経過を見ていきましょう、と言われた。
全然意識していなかったけど、帰って舌がんについて調べてみると、舌の縁に口内炎様のものができる、と書いてあって、なるほど、なかなか直らない口内炎だと思っていたけど、これは舌がんということもあり得るのか、と納得。
次回、頭頸科のお医者さんの診察の時に、相談してみることにしよう。
やっぱり、なかなか心配の種は尽きないようだ。

消滅

今日は、月に1回の通院の日。

朝一で、CTの予約が入っていて、そのあと、頭頸科と放射線科のお医者さんの診察が続く。
CTの撮影自体は、わりとあっという間に終わるんだけど、造影剤を入れるためにひさびさに腕に針を刺されて、なんだか緊張した。
ほんの数分の間、針を刺しているだけだから、看護師の方も、自分の腕では一番針を刺しやすいと思われる、肘の内側の血管を選択した模様。
針が刺さる瞬間、自分でもびっくりするくらい緊張したけれども、思ったよりも痛みはなくて、看護師の方が上手だったのかな。
失礼ながら、件の看護師の方は、かなりのベテランのようにお見受けしました。

頭頸科のお医者さんの診察では、まず、手術で取り残されていた腫瘤がどうなっているかを、この病院に入院したときに撮ったCT画像と、今日撮影したCT画像を見比べて検討。
これが以前に残っていた腫瘤です、と言われて、お医者さんの見ている首の輪切り画面を一緒にのぞき込む。
きれになくなってますね、と言われて今回の首の輪切り画像をのぞき込むと、確かに、以前はあった丸い固まりがなくなっているのがわかる。
あれだけ大変な思いをしたんだから、なくなって当然、とは思うものの、やっぱり、なくなっていてほっとした。
これで、今後は、定期的に様子を見ていけば大丈夫です、というお医者さんの言葉に、今回はなんとかがんを振り切ることができたんだな、と実感した。

ここのところ、自分の症状で気になっているのが、退院した頃よりも喉の渇きがひどいように思えること、飲み込むときに違和感を感じるくらい喉が腫れぼったく思えること、そして、首の手術跡のむくみがだんだんひどくなっているように思えること、の三点だったが、お医者さんによると、いずれも、まあそんなもんです、とのことで、別段、心配するほどのことでもないようだった。

引き続いて、放射線科のお医者さんの診察。
先ほどの、頭頸科のお医者さんのコメントを伝えると、放射線科のお医者さんもそれと同じ見解だった。、
さらに、首のがんでは、時々肺に転移することがあるけれども、首の下の方まで下がっているリンパ節はなかったので、ほぼ大丈夫でしょう、と、珍しく楽観的な見通しで語ってくれた。
そして、このがんに関しては再発というのはほとんどないと思うので、せっかくだから、今後は、できるだけ身体にいい食生活、免疫を高めるような食生活と、適度な運動に、十分な睡眠を心がけてください、と励ましてくれた。
やっぱり、お医者さんにとっても、担当している患者が良くなるのはうれしいことなんだろうな、と勝手に推測して、今日の診察は終わり。

なにはともあれ、たぶん、家族が一番喜んでくれるだろうから、帰ったらさっそく報告しなくては。

自分の治療の場合は、抗がん剤(シスプラチン)は、放射線治療の増感作用を期待している部分が大きいので、髪の毛が抜けてしまったりするほど大量の投与をされたわけではない。
20151110_203822なので、抗がん剤の痕跡はほとんど残っていないけれども、唯一、指の爪に斜めに光を当てるようにすると、伸びる方向に平行に3本の筋ができていて、その部分で爪がすこし溝になっていることがわかる。一般に爪が全部生え替わるのが半年らしいので、位置的に、シスプラチンの点滴を受けていた時期と重なるようだ。
一回目と二回目の点滴の間隔は4週間ほど開いたが、二回目と三回目は3週間ほどだったので、それに応じて溝の間隔も広めと狭めになっている。
点滴の当日や翌日は、軽いおう吐感や食欲不振に悩まされたけれども、こんなに時間が経ってから影響を見ることができるなんて、なんだか感慨深いものがある。
自分の中ではすでに過去のことになってしまっているけれども、はたして、それでいいのか、次回の通院ではCT検査が予定されているので、まずはそこからかな。

歯医者通い

放射線治療を受けた病院の歯医者さんから紹介してもらった形の、近所の歯医者さんへ、歯のメンテナンスをお願いに。
いつも担当してくれる歯科衛生士の方が、今日は前回より顔色が良い気がします、と言ってくれて、それだけでちょっとうれしい自分もかなり単純なのかもしれない。
唾液が少ないので虫歯になりやすいから、ちゃんとメンテナンスしてもらってください、と病院の歯医者さんから言われているので、神妙に治療台に上がる。
歯周ポケットの深さをチェックされるけれども、全体にそれほどは悪くなっていないのでちょっとほっとする。
いろいろ勉強したらやっぱり保湿が大切なので、と、チェックやメンテナンスの合間に、その都度、保湿ローションを口腔内に塗ってくれて、前回まで全然そんなことはなかったのに、本当にわざわざ勉強してくれたんだなあ、とありがたく思う。
医療関係の方は、本当に、どの方も、できるだけのことはしてあげよう、と思ってくれているようで、そういう方々に支えられながら、自分の体力を使って、自分の身体の不具合を修復していくんだな、と改めて感じる。
プラークの除去だけでなく、フッ素剤の塗布もうけて、今日は終わり。
なぜかフッ素剤の塗布は自費になるのがおかしかった。(500円だった。)
また、1ヶ月後に受診。

唾液とリンパ

しばらくの間、蟄居していたが、そろそろなんとか出かけても大丈夫そうに思えてきたので、5日ほど仕事で旅行に出た。
家で療養している時と比べて、水分補給なども制限があるので、どうしても口が渇いた状態で我慢してしまうことが多かった。
できるだけペットボトルの水を片手に持っているようにはしたが、思うに任せないときもあるし、ホテルの部屋は乾燥しているので、就寝中の口の渇きも激しくて、いくぶん治りかけているようだった舌の表面がまた荒れてしまって、少しぴりぴり痛い。
治りきっていない、というのもあるだろうけれども、以前と同じように、多少の無理、というのもしてはいけないんだな、と実感。

さらに、首の腫瘤を摘出した手術跡が、最近、むくみがちで、傷跡周辺や首のマッサージを心がけているけれども、気がつくと傷跡から上の部分がむくんでいることが多い。
手術は、耳の真下から垂直に下りて、首のしわに沿ってあごの真下まで切り開かれているので、特に、傷跡の耳の下側のところでむくむようだ。
放射線治療で入院していた時期には、もう傷跡の腫れはほとんど引いていたけれども、あまりむくみを気にしたことはなかったのに、今になってむくみが気になるようになってきたのは、それだけ身体の活動が活発になってきた、ということだろうか。
実際のところはどうなのかよくわからないけれども、少しでも良い方向に解釈しておくことにしよう。

通院

退院後2回目の通院。

今回は、頭頸科と放射線科のお医者さんの診察。

頭頸科では、食生活などについて問題がないことを尋ねられる。
そして、ファイバースコープで、経口での喉の様子と、経鼻での喉の様子を確認した後、首全体を押さえてみて、リンパのしこりなどがないことを確認。
特に問題はない、とのことで、次回、1ヶ月後に、造影剤を使ったCTで喉の検査をすることになった。
喉のリンパに残っていた腫瘤がどうなっているかを確認することになるようだ。
けっこう短時間で解放されてしまうので、ちょっと物足りない感じがしないでもないけれども、お医者さん的に問題がないというのは、けっこうなことだと思うので、さっさと診察室から退去する。

引き続き、放射線科のお医者さんの診察。
こちらも、経口での食生活が問題なく出来ているかどうかを尋ねられる。
そして、首回りの放射線照射後の強度の日焼けのような症状が回復してきているのを確認。
その後、次回の通院時の予約にCT検査が入っていることを確認して、リンパに残っていた腫瘤には、たっぷり放射線を当てておいたので、よくなっているとは思っているんですけどね、とのこと。
たっぷり、という表現もすごいとは思うが、自分を診てくれている頭頸科のお医者さんに比べると、こちらの放射線科のお医者さんは、どちらかというと悲観的な色合いで表現をされることが多く、その対比が面白かったりする。
なぜか、自分自身は、がんの告知を受けて以降、自分が根治しないなどと思ったことはないくらい楽観的なので、二人の先生の表現の谷間で惑うというようなことはないけれども、こうやって複数のお医者さんに同時に診てもらうのも、善し悪しなのかもしれないな、とふと思ったりもした。
ただ、放射線科のお医者さんも、放射線照射による後遺症は順調に回復していると判断しているらしく、頭頸科と同様にけっこう短時間で解放される。

1回目の通院は、自分でも往復に不安があったけれども、今回は、まったく不安もなかった。
退院してから1ヶ月半くらい経つので、さすがに、体力的にもある程度回復してきているんだろう。