白黒のプリントアウトを写真に写しているので、すごく見にくいとは思うんだけど、雰囲気がわかればいいか、ということで、自分の放射線治療計画図。
右上の図以外の3つの図には、等高線のような線がいっぱい描かれていて、それぞれが何Gyの放射線を当てる範囲なのか、というのを示している。
もちろん、もともとの図面はカラーで表示されている。
左下の図が、寝ている自分の首を上から見たときの、放射線の当て具合。
左の扁桃腺に相当するあたりに、放射線を当てるところが集中しているのがわかる。
その図面の横線のところでの断面図が左上の図。
足元から見ている図になるので、左側の等高線に相当する、図の右側に高い放射線が当たる場所が集中していることがわかる。
右上の図が、このように放射線を当てるためにどんなパターンのシャッターで放射線を遮れば良いか、というのを示している図で、ここに現れているぎざぎざのパターンと同じものが、放射線を当てる機械(リニアック)の放射線投射面に現れている。
このパターンは、角度毎に計算されているので、リニアックが回転する毎にパターンがどんどん変化していく。
結果的に、頸椎のまわりや比較的がん細胞が少ないと思われる右側の唾液腺などはできるだけ放射線を当てないで、でも、原発巣だった左の扁桃腺のあたりや、摘出した以外にも転移した腫瘍が残っている左の首のリンパ節などには、たっぷり放射線を当てる、ということになる。
この、強度変調放射線治療(IMRT)、というのは、ここ5年くらいで普及してきたやり方とのことだけれども、3次元的に累積する放射線の影響を計算するとか、コンピュータによる制御なしにはとても考えられない。
免疫治療の話しだとか、センセーショナルながん関係の治療の進化は話題になることが多いけれども、そういうものだけでなく、こういう言わば実務的な、より多数のがん患者に関係すると思われるところも着実に進化しているようだ。