PET/CTの検査

予約されていたPET/CTの検査を受けるために、大学病院へ。
PET/CTの概略を自分流に言うと、ブドウ糖を活発に消費している(要するに、活動が盛んな)細胞の固まりが、身体の中のいろいろな臓器と照らし合わせて、どのへんに存在するのか、というのを映し出す装置、ということだ。
がん細胞は、正常組織と比べてはるかに活発にブドウ糖を消費するので、がん細胞の固まりであるがん組織が、身体のどこにあるのかが明らかになる、ということらしい。

のどの手術をしてくれたお医者さんによると「しゃべっていると、声帯のあたりが活動してPET/CTに映ってしまうこともあるから、本当に安静にしてないとだめだよ。」と脅されたので、いったいどうな感じなんだろう、と、自分的には興味津々、大学病院へ行った。
体重を確かめて、指先から一滴血を採って血糖値の検査をする。
担当の看護師の方が、結果は、明日中にはかかっている病院に送ります、とおっしゃっていたが、それでは明後日の午前中の診察に間に合いそうな気がしないので、明後日の午前中に診察の予約が入っているので、できるだけ早くお願いします、とダメ元で言ってみた。すると、じゃ、なんとか今日中に読影してもらって、明日の午前中には送りますね、とのこと。我ながら厚かましいとは思うが、それほどたくさんの患者さんで混み合っている、という訳でもなさそうなのでいいことにしよう。このへんのまったり具合が、片田舎の大学病院の良さなのに違いない。
腕からPET/CTで検査をするための薬剤(フルオロデオキシグルコースというブドウ糖=グルコースにフッ素18という弱い放射性元素を組み込んだもの)を注入。薬剤は点滴の袋みたいなのではなく、頑丈そうな箱の中から出てくるが、この箱はきっと遮蔽用の鉛あたりでできているんだろうか?
薬剤を注入された後、控え室のベッドで安静にするよう言われたので、おしゃべりをしないようにおとなしく横になっていた。眠っていたわけではないけれども、夢うつつのような状態で待っていると、呼び出しがあったのでトイレで小用をすませてからPET/CTが安置されている部屋へ歩いて行った。トイレに行くのは、薬剤は尿として排出されるので、尿管や膀胱が映るのを少しでも軽減するためらしい。
PET/CTの機械に横になると、頭は枠の中にはめられて固定、腕も身体全体に布のようなものを巻かれて軽く固定され、
「できるだけ動かないようにしていてください。」
と言われて放置される。
スキャン用のセンサーが、くるくる回りながら移動するのが見えたが、できるだけじっとしているために、目を閉じて、台が動く音やセンサーが回転していると思われる音を聞きながら、また夢うつつ状態に。
特になんということもなく検査が終わり、しばらく休んだ後で、ちょっと驚くような値段の検査料を払ってから帰る。
当然、がんの原発巣診断なので、健康保険の対象になるが、それでもかなり高い。

けれども、首の腫瘤摘出手術を受けていたので、高額療養費制度の対象になり、手術にかかった費用と合算されて後で返ってくることになった。
この、高額療養費制度だが、ちょっとクセのある制度なので、対象になる期間や、合算される対象について理解しておかないと、返ってくると思っていたものが返ってこなかったりすることもあるので注意が必要。

  • まず、合算の対象になる期間は、暦の1カ月。
  • 合算されるのは、同一の病院や診療所における入院にかかった費用、または、同一の病院や診療所における外来にかかった費用、で、同じところにかかっていても入院と外来は別の扱い。
  • さらに、複数の窓口で払った分も合算されるが、70才未満の人の受診は、2万1千円以上の自己負担となったもののみ合算される。(医療費控除は自分で計算するのですべてを合算できるけれども、高額療養費制度は、健康保険組合が、医療機関からのレセプトをもとに算出するから、自己負担の大きいもののみの合算で勘弁してね、というところなのかもしれない。)
    • ※ただし、これは、あくまで2015年4月22日時点の情報なので、厚生労働省のサイトや、所属している健康保険組合のサイトで、最新の情報を確認してください。