角を丸める

頭頸科のお医者さんに、舌の側面の口内炎は、歯医者さんで相談するように言われたので、さっそく予約した近所の歯医者さん。
状況を説明すると、奥歯の冠を触ってみて、あー、なるほど、これはちょっととがってるかな、この間はこれには気づかなかったな、とのことで、さっそく、エアタービンで削って研磨してくれた。
舌で触ってみると、明らかにこれまでとは違う感触。
これならば大丈夫だろう。
お正月までには舌の口内炎が治るかもしれない。

ただ、気になったのは、久しぶりにエアタービンで削られたけど、タービンが回っているときの独特の甲高い音がほとんど聞こえない。
歯石や歯垢を掃除するときの超音波スケーリングの音もほとんど聞こえなくなっていたし、放射線治療を受けてから、耳鳴りが少しひどくなったような気がするのは、気のせいではなかったのかもしれない。
放射線治療のせいではなくて、単に加齢のせいかもしれないけど、ちょっとため息をつきながら歯医者さんを後にした。

飲み込みにくい感じ

今日は、月例の診察。

どうですか、と頭頸科のお医者さんに尋ねられたので、ここしばらく気になっている、のどの奥のはれぼったさと、舌の側面にできた口内炎について、お話しする。

お医者さんは、舌の口内炎については、少し心配そうな表情を見せながら、口の中をのぞいて見て、これはたぶん虫歯を補填した冠が当たっているのだろう、とのこと。
特に悪いものではないので、歯医者さんに行って相談するように、と言われる。
そう言われれば、先々月、歯医者さんでかみ合わせの補正をしてもらったときに、左側の歯を少しだけ削ってくれたけど、それ以来、舌に口内炎ができているような気もする。

次に、いつものように、のどをスコープで見て、ここが腫れてますよね、放射線の影響です、とのこと。
スコープで取った画像をプリントアウトしてくれたので、後で見直してみると、確かに、喉頭蓋と呼ばれている部分が腫れている。
このせいで、のどが腫れた感じだったり、飲み込みにくかったりするんだろう。
放射線治療が終わって退院してから、2カ月くらいたってからのどが腫れたような感じが強まって、3カ月たった今も、同じくらい腫れているような感じがする。
放射線の影響なら、徐々に収まっていくんだろうけど、まだしばらくは、食事の時などに気をつけていなければならないようだ。

舌の口内炎については、さっそく歯医者さんに電話して、月曜日に見てもらうことになった。

甘味を感じなくなってから、診察のタイミングで、診察とは関係なく、定点観測的にりんごジュースを飲んでいるが、今回は甘味も含めてほぼりんごジュースの味がするようになっていた。
放射線治療が終わってから、約4カ月。
味覚がなくなるくらいダメージが大きい治療だけれども、それでもなんとか回復するというのは、やっぱり人間の身体って、よくできているんだな、と思わせられる。
でも、よくできていても、その仕組みをすり抜けてがんが大きくなってしまう場合もあるわけで、それも含めて人間の身体はよくできていると考えるべきなんだろうか。

STOP! ガンのつらさ

朝日新聞を読んでいたら、塩野義製薬のサイトに「ガンのつらさ」というのがある、とのことだったので、さっそくのぞいてみた。
「STOP!ガンのつらさ」というコンテンツは本当にその通りだと思う。
がんの治療は、悪性新生物としてのがん細胞を何とかすることだけではなくて、がん細胞を原因として起きる痛みを含む不快な症状を和らげたり、治療の過程で発生する痛みを含む不快な症状を和らげることも、当然含まれると思う。
だから、痛ければ、痛くなくなるまで、痛い、と言い続けることは大切なことだろう。

自分自身は、幸い、放射線治療の間、のどの痛みもアセトアミノフェンのような一般的な痛み止めの薬を飲むか飲まないかくらいのレベルだったので、医療用麻薬は使わなかったけれども、同時期に隣のベッドで治療を受けていた方は、医療用麻薬を使ってのどの痛みを回避していた。
また、入院中は、毎週、痛みを含めて、体調や精神的な面のつらさに関するアンケート(というか、アセスメント)が実施されていて、看護師の方も、しょっちゅう、のどの痛みがひどくなっていないか、本当にしつこいくらいに確認していた。
自分の場合は、胃瘻が痛む場面が多かったので、どちらかというとそれに関して愚痴をこぼすことが多かったけれども。

月に1回の近所の歯医者さんでの検診。
いつもの通り、歯科衛生士の方が、歯垢の状況などを見て、その後、超音波で歯の掃除。
ずっと、だいたいきれいに磨けているけれども上の奥歯に比較的磨き残しがある、と言われていたので、
少しだけ磨き方を変えてみたが、その効果はあったようで、前よりはまし、と言われた。
ところで、いつからか意識していなかったが、舌の左側の奥行きの真ん中ぐらいのところに口内炎ができているらしく、塩辛いものなどがしみる気がする。
それで、舌に口内炎ができているような気がする、というと、幼なじみの歯科医が出てきて、ちょっと心配そうな声で、うーん、注意深く経過を見ていきましょう、と言われた。
全然意識していなかったけど、帰って舌がんについて調べてみると、舌の縁に口内炎様のものができる、と書いてあって、なるほど、なかなか直らない口内炎だと思っていたけど、これは舌がんということもあり得るのか、と納得。
次回、頭頸科のお医者さんの診察の時に、相談してみることにしよう。
やっぱり、なかなか心配の種は尽きないようだ。